表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

目に光を灯す14

ゾウリエビは、確かに見た目は奇怪だったが、味はまぁ、うまかった。

ヒカリは、ご当地のものが大好きだ。空港で眺めていたご当地マスコットしかり、さっき食べたゾウリエビ汁然り。ゾウリエビ汁を満足そうにするヒカリを見ながら、スマホのネットで調べてみれば、案の定ゾウリエビはここ屋久島の特産品だった。


食事を食べ終わり、会計を済ませたら、ヒカリとともに店を出た。

これから、今夜の最終計画を打ち合わせなければならないが、人目のつくところでやるわけにはいかない。

ハヤトに入れ替えろと持たされた物もそうだが、見取り図だって、不特定多数の人に見られるわけにはいかない。


地図を広げながら話ができる場所が良いが、人目につかないと言われてしまえば候補はそんなにない。

結局、車に戻り少し走らせて人気のないところに停車した。


サイドブレーキを引く僕の隣で、ヒカリが施設の見取り図を広げた。そうして、僕の方を一瞬ちらりと見たかと思えば、コミュニケーターの小さなボタンを抑えて、ヒカリはハヤトに呼びかけた。


「ハヤト、こちらは準備OK。そっちはいつから確認を始められる?」


コミュニケーターを付けている時、まず間違いなくハヤトから待たされることはありえない。

そう思っていると、やはりすぐさま、いつも通りのぶっきらぼうなハヤトの声が聞こえてくる。


「いつでもいいぞ。店は出たのか。」

「少し車を走らせて、停車してる。大丈夫よ。」


ヒカリの言葉に納得したのか、ハヤトは間髪なく最終確認を始めた。こうなると、ハヤトとの打ち合わせに無駄は無い。彼は基本的にとても効率的な人間だった。

プライベートの話など一切聞いたことがない。

それどころか、プライベートの話をしているハヤトは想像もつかなかった。

ぶっきらぼうで切れ者で怜悧な刃物が第一印象のハヤト。

だが、実はどこか優しいところがあることに、僕は何となく気が付いている。

そんな優しい一面がプライベートでは出てるんだろうか。


「…ハル!聞いてる?」

少しぼんやりしていたのか、隣にいるヒカリに腕をつかまれてしまった。


同時にハヤトらしきため息と、レイの声が聞こえた。

「ハール、今の主役はあなたじゃない。ぼーっとしないで。」

レイの声は透明感がある。耳にとても心地いい。上品に、でもピシャリというレイに僕の背筋は自然に伸びてしまう。


「あ、ごめん。ちょっと考え事してた。それで、侵入経路について確認?」

「そうだ。まずは敷地内に入る場所から順を追って確認していこう。具体的な作業についても一緒に確認するぞ。」


次に聞こえてきたのは、レイの心地よい声ではなく、冷めきったハヤトの声だった。


「内部の映像もできる限り送るから、スマホ出せよ。」


ハヤトが続けてそういった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ