第1話.杖を握れ
この世界には魔法使いが存在する。
1部の人間は、魔法使いの力に目覚めた者は世界を救わなければならないらしい。その力は
18歳以降は必ず目覚めないとかなんとか。皆が憧れる職業ランキング1位だが、一部の人間というのは本当に少なく10000人に1人ほど。魔法使いは少ないので特別な国に行くことになり、なので誰も噂程度にしか知らない。
そして俺は、明日誕生日を迎える
悲しい17歳の男だ。
彼の名はデリー・ブライト。
基本的に大雑把で考えるより先に行動派である。
しかし少し繊細な性格でめんどくさい。
そんな彼が、魔法使いとして生きた物語である。
この世界には謎のルールが有り、
それは18歳の誕生日と共に
未来の自分から手紙が届くという
ものだ。俺はこの瞬間を待ちわびていた。未来の自分からか…もし、自分が今過去に書くとしたら、なんて書くだろうとか、そんなしょうもないことを考えながら誕生日を迎えることを待っていた。けれど、誕生日を迎えると必ず魔法使いになれないということもあり、少し複雑な気持ちだったが、ほとんど諦めていた夢であった為もうあまり気にしていなかった。
誕生日の15分前
布団でゴロゴロしながらスマホを見ていると、いきなり窓がガタンと揺れた。実は手紙の届き方は本人の空中から出てくる…みたいな噂が合ったので、それを信じて待っていた俺は流石にビックリした。
見ると、全く知らない男の人が
窓の目の前で転けていた。何してるんだ…ん?ここ、2階だよな?
もしかして…「ま、魔法使い!?!」
「…チガウ」「い、いや!?どう見たって浮いてますよね!?ていうかコケて…」「はい、君の手紙だよ」「届け方サンタクロースみたいなんですね…噂と違う」「噂は信じちゃイケナイのさ。じゃあね!」そうして魔法使いらしき人は去っていった。本当にサンタみたいな…
…ていうか!まだ10分前なんだけど!?おかしいだろ!配達ミス?しかし、待ちきれなかった俺は慎重に手紙を開けて見た。手紙の中身はあまり言うのは宜しくないという言い伝えがあり、家族からも聞いたことがない。どんな内容なのか、未来の俺はどんな人なのか…。そして開けると、そこには汚い文字で書かれた短い言葉があった。
“杖を握れ”
「…は?」俺は思わず声が出た。杖?あの魔法使いの?杖なんてこの家にある訳…いや、あったくね?
俺は急いで屋根裏に向かった。そういえば、杖だけあったような、無かったような…いや、あれおもちゃの杖だ!!子供の頃買ってもらった…
あれでいいのか?いや絶対良くない!!良くないと分かっていたはずなのに、何故か俺は走り出していた。
誕生日の8分前
俺は屋根裏の杖を見つけ、恐る恐る握ってみた。誕生日の8分前。もしかしたら、俺にも魔法があるんじゃないか?そんな期待をしながら、握ると…
…いや、なにも起きないのかよ!!
でも、何か起きるはず…と5分ほど握り続けていたが、なにも起きなかった。もしかしたら、あの手紙は俺を揶揄う為だったのか!?そうなのか!?そうなんだろ!!
ムシャクシャして杖を持ちこれで一人で魔法使いごっこでもしようかと屋根裏から自室へ移動した。
「はぁ…未来の自分からの手紙がからかいだったとは…」そして杖を手紙の傍に置いた、その瞬間…。
「…え」
杖がピカっと光出した。もしかすると、光のスイッチがあったのか!?と杖を持ち上げると、杖は更に輝きだし、俺は困惑した。
「え!?スイッチ!!どこ!?」
完全におもちゃだと思い込んでた俺は、ひたすら握り続けてどうしようかと慌てていた時、杖の光が収まった。…あれ?電源…切れた?0時になると共に光がそっと消えていった。そう思い少しホッとして布団に入った。なんか…散々だったなぁ…これ一生物の黒歴史だぞ…そうして目を閉じて朝が来るのを待っていた。
翌日、俺の部屋に母親が押しかけてきた。「ちょっとアンタ!!魔法!!目覚めたの!?」…何言ってんだ…夢か?昨日のあのからかいがまだ心に…?「何言ってんの…」そうして起き上がり、立とうとした瞬間に母親に手を引かれた。「え!?なにしてんの母さん!?」「いいから!!早く!!」母さんは今までにないほど慌てており、困惑している俺を玄関まで連れてきた。玄関には知らない男の人が居て、不思議そうに見つめる俺に一言声をかけた。
「18歳。魔法使いとして専門学校に来てください」
………………は?




