最終章 そして伝説は……
魔王は倒された、世界は平和になったのだ。
魔王を倒したのはイケメン勇者なので、当然イケメンズのパーティーが銅像と絵画になり歴史書に載ることとなった。
私たちは銅像にならないのでセンター争いの意味もなくなり選挙は中止になった。
ちょっとガッカリしたけど、誰が一番活躍したかなど決めることは意味がないとみんな思っている、みんな頑張っていたから。街の人の中には、魔王軍を全滅させた私たちが銅像になるべきだと言う声も少なくなかった。道を歩いていると、街の人に声をかけられ「銅像にならなくて残念」と言われた。
◇
数ヶ月が経って、イケメンズの銅像の除幕式が厳かに行われた。
私たちはみんなで観に行った、広場は大勢の人たちでいっぱいだった。大臣が祝辞を述べると幕が取り除かれた。「おぉ!」という歓声とともに銅像が現れた。センターのイケメン勇者くんが剣を高々とあげて精悍な顔をしている。5人上手くフォーメーションをくんでいて、さすが大芸術家レオナルド・ミレランジェロの作品だ。そして花火が上がり熱狂がクライマックスを迎えた。
「綺麗だね!」パークちゃんが嬉しそうにはしゃぐ。
「勇者くん、なかなかカッコいいじゃん!」ブレアちゃんの笑顔だ。
◇
私たちは酒場に移動した。
「かんぱ~い!」
「リンドーちゃん、本当は銅像になりたかったんじゃない?」パークちゃんがほろ酔いの中で問いただす。
「まぁ、なりたくないと言ったら嘘になるけど。忍者にもなったし、人知れず行動するのが忍者だからね。言い出しっぺのブレアちゃんこそ残念じゃないの?」
「まあね、一度はカッコよくセンターキメてみたかったな。だけど、広場で魔法を披露するとみんなが寄って来て気持ちいいからそれで十分かな」
「いいなあ、私も一回ぐらい目立ってみたいな~僧侶は人気のない山奥で祈ってばかりだから」ラフロちゃんがため息をつく。
「それを言ったら私なんて銅像になったらと思ってポーズをずっと考えてたんだから」パークちゃんが笑う。
「でも、一番センターがなくなってがっかりしてるのはアイラちゃんだよね!」ラフロちゃんがイタズラに笑う。
「えっ!?」
「だって、センターになったらイケメン勇者くんがなんでもお願いきいてくれたんでしょ。何をお願いするのやら、ふふふ!」
「いやん! エッチ!」
「ほら、やっぱりエッチなこと考えてる!」ラフロちゃんにすっかり見透かされて顔を赤くしてしまった。
「あははは!」
◇
私たちが楽しく飲んでいると「もしもし」と声をかける人がいる。
みんなが振り返ると、そこに立っていたのはレオナルド・ミレランジェロ先生だった。
「実はワシの芸術が大爆発を起こしそうなんじゃ! シュールチラリズムが極められそうな予感がするのじゃ、ワシの生涯最高の作品が出来る気がする。広場の銅像なんかより、永遠に語り継がれる芸術作品が生まれるのじゃ、そこでお願いなのだが、そなたたちにモデルになってほしいのじゃ」
突然のオファーに声が出ない。
「君たちみたいに美しくて強い女の子はいない。素晴らしい作品になるぞ。そしてアイラちゃんと言ったな、きみのチラリズムは素晴らしい。きみをセンターにすえて周りを美しく強い個性が支える、最高じゃ! 受けてくれるな」
レオナルド先生の熱意が燃えるようだ。
「まって、チラリズムなら私も負けませんよ」ラフロちゃんがスカートをギリギリまでまくる。
「おぉ! 素晴らしいチラリズムじゃ、きみをセンターにするべきかもしれんな」
「ちょっと待った! くノ一の太ももを見ずにチラリズムが語れますか?」リンドーちゃんも太ももをチラッと見せる。
「おいおい、チラリズムなら魔法使いだよ。みてよ、このダブついた服からみえるチラリズムが」
「弓を引く時の、この胸元こそがチラリズムでしょ! ねっ、先生!」
「素晴らしい!! これこそシュールチラリズムじゃ! 誰をセンターにするか決めるのは大変じゃのう!!」
「ならば、選挙で決めるがいい」いつの間にか、どこからか現れた王様が言った。
ー ラスボス直前でセンター争いが勃発しました ー
終わり
水鳥です。
最初は車田正美先生の漫画をベースに本格的ファンタジーを書こうと思ったのですが、私には無理だとさとり、ギャグものに変更しましたが楽しく書けました。
私のお話はパロディが多いのですが、アイラちゃんの必殺技だけはあえて車田先生の作品から引用させて頂きました。
この話が面白かった方はレビューや評価をして頂くと励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。いつかは本格的ファンタジーに挑戦してみたいと思います。




