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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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18 村の周りの罠(1)

『一番良いのは、戦わないことだ』


 開口一番、リーダーが昨日の自分を否定していた。


「お主は昨日、戦っていたのじゃ」


『一番良いのはと言った。

 あの冒険者達は、最近、色々と探っていたから、やむを得ずだ』


 やむを得ずなのか……


「その割には、予め予定していたかの様な動きだったのじゃ……」


『あれは、色々と備えていたからな。

 日々の訓練がもたらしたものだ』


「そうなのじゃ?」


『動物を狩る時にも、集団となり連携した方が良いからな。

 流石に人間、それも冒険者相手には全員無傷でとはいかなかったが……』


「あれだけ戦えれば、問題ないのじゃ」


『あの冒険者達が向かってくる手前に罠を仕掛けておいたのだが、上手く避けられてしまってな。

 あの罠に引っ掛かってくれれば、戦う必要がなかった』


 罠に嵌めてしまえば、労せずして勝ちを得られるということか。


 普段、行っていた狩りは、言わばヴィーヴルと動物達の戦いの場ということだ。

 罠や網を張ることで、意識はしていなかったものの勝負に勝っていたと言うことなのだろう。

 当たり前すぎて忘れていたことだが、罠を見破る動物が居てもおかしくはない。

 1対1で対峙することになった時に、ヴィーヴル以上に力を持つものが居てもおかしくはない。

 そうならないことにすれば、間違いがない。


「戦いにすらさせない、と言うことなのじゃ?」


『あぁ、そうだ。

 言葉が通じれば、言葉を駆使して戦いを避けるのも良いだろう。

 言葉が通じないのであれば、事前に手を尽くして戦いにすらならない状態にすれば良い。

 それでもどうしても戦うことになったのならば、相手の力を見極めてどう戦えば良いのか必死に考えるだけだ。

 どうすれば勝てるのか? 勝てないのならば、どうすれば被害を最小限に食い止められるのか? を、だ』


「昨日、妾に棍棒を投げつけたのは、その結果なのじゃ?」


『何時でも襲えるような位置取りをされていたからな。

 当たれば上等、避ければ皆を逃がす隙ぐらいは作れるかと思ったんだ。

 まさか、燃やして消されるとは思ってもいなかったが……』


「避けるまでもなかったのじゃ」


『あぁ、その点では我も見誤っていた。

 だが、その後話しかけられるとは思ってもいなかったがな。

 結果としては、一番良かったがな』


「して、今日は何をするのじゃ?」


『昨日張った罠の確認だ。

 何故、冒険者達が掛からなかったのか? どうすれば、今度は罠に掛けられるか? を確認するんだ』


「その辺が、ゴブリンっぽくはないのじゃ」


『人間の頭が残っているからな。

 さぁ、ヴィーヴルにも手伝って貰うぞ』


「分かっておるのじゃ」


 ヴィーヴルは、リーダーと共にリーダーが仕掛けていた罠を確認するために向かった。


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