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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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42 人間同士の争い(1)

(彼方の方に、多くの生体反応があるのじゃ。

 村や街では無い様なのじゃ……)


 生体感知をしながら歩いていたヴィーヴルは、多くの生体反応を捉えた。

 村や街ならば生体反応の動きに統一性は無い。

 例え村の中の道を道なりに歩いているとしても、一方向に移動する訳ではないし間隔だってまちまちだ。


 ところが、ヴィーヴルの捉えた生体反応は1つに纏まって、等間隔で同じ方向へと移動している。

 動いていない生体反応の群れも、等間隔でその場に留まり続けている。


(これは何なのじゃ?)


 今までにない生体反応の集団を感知したヴィーヴルは、それが何であるのか知りたいという好奇心を持った。


(こっちの方なのじゃ)


 ヴィーヴルは、数えきれないくらいの生体反応がある方へと歩み始める。


 漸く着いたその場所は、ちょうどその場所だけが拓けており、周りは森が囲んでいる様だった。

 その場の両端に、2つの集団が動かずに何かを待ち構える様に留まっている。

 ヴィーヴルから見て右側の集団の方が、多少、数が少ないようではあった。


(あれは……人間なのじゃ。

 人間があんなに集まり、何をするつもりなのじゃ?)


 その時、森の中をヴィーヴルの方へと向かってくる少数の生体反応を見つけた。


(木の上に逃げるのじゃ)


 ヴィーヴルは飛び上がり、木の枝の上に立った。

 その一呼吸置いた後、ヴィーヴルの元居た場所の横を先ほど感知した生体が駆け抜ける。


(危なかったのじゃ……あちらにばかり気を向け過ぎたのじゃ)


 ヴィーヴルは、そのまま木の上から状況を把握することにした。

 先ほど駆け抜けた者の格好は、前に絵本で見た戦士の格好に見えた。

 集団の中には、戦士らしき姿の他に、馬に跨っている騎士のような姿も見える。


 絵本の中では、その後戦いが行われていた。

 ある国が奪われたお姫様を取り返すために、軍隊を派遣してお姫様を奪った国を破り、見事、お姫様を奪還した。

 その戦いで一番活躍した騎士とお姫様が結婚して、生涯幸せにくらしましたとさ……という内容だった。


(どちらの国が、お姫様を奪って行ったのじゃ?)


 ヴィーヴルは絵本に(なぞら)えたが、実際の所は領土の奪い合いだった。

 そんな現実的なことを知らないヴィーヴルは、一番活躍する騎士とお姫様は結ばれるのだろうか? 等と妄想を膨らませていた。


 暫くして、両陣営ともに少しずつではあるが動き始めた。

 いよいよ、戦いが始まるようだ。


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