生まれた
赤ちゃんが産まれると、幼児に返るってありますよね。
「んぎゃあーっ」
産まれたよ、赤ちゃん。
弟ね、しかも。
やべぇ、跡取りじゃない?この流れ。
私、この家を追い出される?
冷や汗ダラダラ。
「ほら、ミサ?かわいいでしょう、あなたの弟よ?」
お母様が、私に弟を見せてくる。
「わぁーかわいいーっ!お母様、こんなにかわいい弟を産んでくれて、ありがとう。お母様って、本当にすごいわ。私、お母様を尊敬してるの」
「まあ、ミサ、、、」
「なんて素晴らしい子なんだ、、、」
両親が涙を拭いてる。
よし、1ポイントゲット。
優しく頭を撫でると、弟はすやすや寝始めた。
うん?確かにかわいいかも。
私というより、お父様に似てる。
スっと通った鼻筋。
髪は銀色に近いグレー。
まつ毛もグレー。
唇は少し厚めで、瞳は薄いブルー。
うん、全体的にお父様だわ。
イケメンになりそう。
「お父様っ」
クイクイと、お父様の裾を引く。
「まるでお父様に生き写しね?こんなにそっくりに産まれるなんて、神様は不思議な力をお持ちなのね」
そう言うと、お父様はにやける、にやける。
余程嬉しいらしくて、周りのみんなに聞いて回っている。
みんなから似ていると言われて、ずっと弟を抱いて眺めている。
あれ、これまずいか?
「お父様?」
「なんだい?ミサ」
お父様に話しかけるが、すぐには言わない。
「どうしたんだい?」
「かわいい赤ちゃんがいたら、、、ミサのこと、、、いらなくなっちゃう?」
そこに居た全員が、ハッとしたように、一斉に喋り出す。
「そんなこと、あるわけないだろう。ミサは
宝物だよ」
「ミサが大好きだし、ずっとこれからも、何よりも大切よ」
「みんな、お嬢様が大事なことは変わらないです!」
口々にそう言うのを聞いて
「本当?良かった。私も、弟が出来てすごく嬉しいけど、ちょっと寂しくなっちゃったの」
そう寂し気に笑うと、みんなが暖かく包んでくれた。
ふむ、これで大丈夫か。
子供って、よく親を見てます。




