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邪神転生-転生したら絶世の美女だった  作者: たんぽぽ1年分
第一章-なすべきこと
13/13

013話-平等と平和

第一章の第一部:最初のクエスト編

「2人ともお待たせ!早かったのね」


朱里が席について待っていたエリナとククルに、つとめて笑顔で言った。


「……」


「……」


エリナとククルの視線はオレに釘付けだ。

まぁ気持ちはわからなくも無い。


「あの……朱里さん。うしろの男性は……」


「無理を承知で2人に頼みがある」


エリナのセリフを食い気味にオレが発言する。


「まず、オレは仮称だがタローと言う。

 まぁなんだ、簡単に言うと朱里の守護霊みたいなものだ。

 朱里の言っていたもう1人の人格というのもオレだ」


「召還に応じてオレが出てきたわけだが例外中の例外らしくてな。

 もろもろ疑問なんかはあると思うが、迷惑はかけんから状況がわかるまで静観してくれ。

 コチラとしても無責任に答えることは出来ない」


自分の意見を通す時は筋を通した正論に、

ほんの少しの誠実さをいれればいい。


「……」


「……わかりました。いや、わからないけど了解よ」


ククルはまだビックリして固まっているが、エリナは渋々だが理解を示してくれた。

と言うことで、オレと朱里もテーブルの席につく。



***



「さて……」


エリナがコホン、と姿勢を正す。


「アカリさんとタローさん(?)もいますから、

 わたしたちの仕事、つまり依頼について説明して方針を立てましょう」


「はい、アタシもそれがいいと思います」


エリナが提案してククルがコクコクうなずいて同意する。


「そうね、これからどうするかは決めないとね」


朱里もうなずいてオレを見る。

同意しろ、と言う意味だろう。


「異論は無い」


オレもうなずく。


エリナはオレと朱里を見て「うん」とうなずくと説明を始める。


「まず、冒険者、いわゆる中立国の傭兵への依頼は2つにわかれます。

 1つは収益や商業を目的としたもので、貴重な品や素材の収集・運送です。

 もう1つは危険の除去および救助。モンスター被害や脅威から守る仕事です」


「つまり売れる物を狩りに行くか、人命救助をするかの2種類なのね」


朱里が話を聞きながら要約する。


「わたしやククルが優先したいのは救助と脅威から守る依頼なの。

 営利目的の採取と比較して難易度がやや高めになってしまうのだけど……。

 素直に言って構わないわ……アカリさんたちにムリはさせたくないの」


エリナはやや控えめに言った。


エリナはどう見ても出生の良い騎士さまって感じだ。

従者として優秀そうなククルもいる、

このような2人からして正義感が優先なのだろう。


(私はどちらの依頼でも戦わないから……言って良いのかわからないけど賛成したいわ。

 この世界の脅威って私の弟みたいな小さな子も巻き込まれるのよね……。

 勝手だと思うけど……タロー……)


(……気持ちはわかるし、それを無視するつもりはない)


オレと朱里の限定なのだろうが、

2人に別れて肉体を持った今でもオレたちは念話ができる。


無論、朱里がエリナたちと同様にその選択をするのもわかる。


「1つ、聞きたいことがある。エリナにだ」


「はい、かまいませんよ」


オレは真っ直ぐにエリナを見る。


「エリナが理想とする依頼、つまり仕事内容だが……。

 オレと朱里がいないとして、お前たち2人での成功率を知りたい」


2人でできる程度の仕事なら助力するだけでいいので安全だ。

逆に2人で困難である場合、オレが守る対象が3人では負担が大きい。


「脅威の対象にもよりますが……大半の依頼でしたら成功率は8割を超えるかと。

 そもそも、わたしとククルはアカリさんやタローさんの実力を知りませんから……」


「ふむ……」


そういえばエリナたちの前でオレや朱里が、

まともに戦ったことは無かったな、失念していた。


「タロー。あの手紙にあった私のほかに守る2人ってエリナたちでしょ?

 アンタが私たちを守ればいいじゃない」


朱里が横から無茶な提案をしてくる。


3人の相手を倒すのは至極簡単だが、3人の人間を守るのは非常に困難だ。

説明が面倒なのでしないが……。


「まぁ、無茶な仕事を選ばなければオレは従おう。

 もともとこの身は使い魔だ。

 主の朱里やリーダーのエリナに基本的には従うつもりだ」


こまごまとした相談は苦手だ。

もともと、共闘などしたことがないし記憶にも経験にもないのだから。


「わかりました。無茶はしません。

 あとククルが当面の拠点は申請してくれたのでそちらは解決済みよ。

 依頼なのだけど、手始めにこのあたりはどうかなって」


エリナは1枚の赤茶けた洋紙をテーブルに広げた。


「えーと・・・・・・・最近、森に小鬼の群れが出て家畜などに被害が出ています。

 村民に被害が出る前に駆逐、もしくは1週間の村民の護衛を依頼します、ね」


朱里が洋紙に書かれた依頼を読む。


「報酬は1Gって書いてあるけどGってなに?」


朱里の質問には同意だ。


「こちらの通貨です。1Gは1ゴールド。

 1ゴールドは1000シルバー。ギルドで1泊3食で大体50シルバーって感じよ。

 1ゴールドあれば20日分の生活費と思って大丈夫です」


エリナの説明はわかりやすかった。


「ん~50シルバーが5千円くらいなのかな?」


「1週間、4人が命がけで戦って10万円とは破格だな」


「やっ……コホン★」


朱里の「や」は「安い」とでも言いそうだったのだろう。


4人で命がけ1週間兵隊で1人2万5千円とは日本だったらブラックすぎる。

鉄砲玉だってもう少しマシな給料だろう。


「まぁ、豊かな世界でも平和な世界でもないんだ。そんなもんだ」


帝国軍時代の歩兵の日当なんざ、現世でいうなら日給2~3千円だ。

それよりはマシだが言っても仕方ないだろう。


「エリナ、この仕事はいつから始まる?」


「お2人がいいのでしたら、現時点からです」


エリナはいたって真面目に答えた。


「???」


「現在進行形で脅威に晒されている、ということか」


朱里はパッとわからないのだろうが、襲撃を受けている村の依頼だ。

受理されようと放置されようと、襲撃は続いているのだろう。


「なら急いだ方がいいな」


「はい、タローさんの仰るとおりです」


エリナはオレと目を合わせてうなづく。


「エリナ、ククル、この村までは距離としては、ここからどの程度だ?」


間に合いませんでした、では済まないしエリナたちは納得しないだろう。


「アカリさまとお会いした、森からここへの距離と同じくらいです。

 人間の足で3日間ほどの距離で、荷馬車を借りることも出来ますが、

 道が悪いのでかえって時間がかかります」


ククルが正確な情報を提供してくれる。


襲撃を3日間放置、

依頼が放置されていた期間を追加するなら被害は増えるだろう。


ここは初の共闘だ。

今後のためにエリナやククルの心証は良くして置きたい。


「では、ククルの足で最速でどれくらいかかる?」


「……」


考え込んだククルは真剣に道中のシミュレーションをしているのだろう。


「半日、6時間程度でつくかと。ただし到着してすぐの戦闘は無理です」


「充分だ」


オレは一応、念を押すが人間なので人間以上のことは出来ない。

一度に運べるのは腕が2本なので2人が限界だし、

道案内がいなければ知らない地へ到着することは出来ない。


「とりあえず、エリナは出発の準備の段取りだけ頼む。

 朱里は体力を温存してオレに魔力供給できるように。

 オレはエリナの指示に従う、ただし緊急時は可能ならオレが指示する」


オレは言いながら全員の目を見る。

エリナやククルが真剣にうなづくのはわかるが、

朱里が真剣に目を合わせたのが意外だった。


「ククル、最低限のポーションを受付で用意してもらって。

 わたしは触媒を買い足してきます。

 終わったら戻りますから、お2人はここにいてください」


エリナはククルに指示を出すと自分もギルドの外へと走っていった。


「朱里、お前は怖くないのか?無理はしないほうがいいぞ」


「平気。タローを呼び出してからあんまり怖いとか無いの。

 それより、私みたいな普通の人だけの村に鬼とか言うのが出るんでしょ?

 早く助けてあげないと!」


朱里はそう言ってグッと気合を入れていた。

相手の気持ちを察する、純粋に助力したがる、

朱里の本質は世界が変わっても不変のようでなぜかホッとした。



***



「タローさん、お待たせしました!」


「こちらも準備できました、タロー」


「……」


エリナとククルがそれぞれ荷物を用意して戻ってきた。

ぜんぜん関係ないが、

ククルは「エリナさま」「アカリさま」なのに「タロー」なのか。


「では出立しよう。全員で城外まで駆け足だ。道案内はククルに頼む」


「了解です、タロー」


もともと騒がしなギルド内なので、全員でククルの案内で東門へ走り出した。


当然、ドベは朱里だ。



***



中立小国スペルロンガ東門・外。


最初の森と一風違った生い茂る低い樹木林は魔の森らしい。


「ククル、ここから全速力で道案内を頼む。

 日が沈んだばかりだから、日が昇る前には現地につけるはずだ」


「しかしタロー。アタシ1人が先行してもみなさまが……」


ククルはオレの指示に戸惑っている。

ので、態度で示す。


「問題ない、オレがククルのペースに合わせて荷物と2人を運ぶ」


そう言ってオレは右腕でエリナを抱え、左腕で朱里を抱える。

鎧のあるエリナがやや重いが、もともと体重50kgあるかないかの2人だ。

何も問題はない。


「さぁ、ククル。とっとと案内してくれ」


「……。はい、タロー」


ククルは「大丈夫だろうか?」という顔で森へ入り一直線に走りだす。


オレはククルを急かさないようにスピードを合わせて併走する。

進む方向はククルの視線の先を案内に、なるべく不安を消すために横並びで走る。


「タロー早い。すごいですね」


「あぁ、そういうコトもある。森の中で迷わないククルの方が凄い」


「……」


「……」


大体、速度にして時速は15~17km。


バテるほどではないが、

抱えたまま絶句している2人が吐かないことを祈りつつ、

オレとククルは救助を待つという目的地の村を目指して走った。



***


⇒金曜の朝になるべく確定で更新(落とさないように頑張ります)

⇒追加で不定期に更新(質が下がらないように頑張ります)

※期待しないで気長に見てくれると嬉しいです(涙目)


方向修正しつつ書き直し繰り返しています。

単話に慣れてしまったので、

ゴールを決めてダレないように書く練習中です。

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