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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
136/229

136 バニーちゃんのゴーグル

 放牧地に移動して来ると、バニーちゃんを探す。

 あーっ、いたいた。


バニーちゃんは牧草地の草の上で気持ち良さそうに眠っている。


「シロン、バニーちゃんの体調はどう?」

「問題ありません。睡眠を取ったのでもう回復しました。もうすぐ目が覚めるでしょう」


 かなえは眠っているバニーちゃんの様子を眺めていると、かなえの気配を感じ取ったのかバニーちゃんが目を覚ました。


「バニーちゃん、おはよう」

『あーっ、カナカナ。ごめんなさい!』


「えっ? ごめんなさいって何が?」

『あれ、川の中に落としちゃったの―』と、縮こまるバニーちゃん。


「もしかして、ゴーグルを川に落としたの?」

『うん、どんな格好か見てみたかったのー。そうしたら、頭から外れて川に落ちて沈んだの』



「そう。でもいいのよ。バニーちゃんが怪我をしたりしていなければ」


 確か川も浮力を大きくしていた筈だけど、生き物にしか作用しないのかな。

 

 どうしよう……。


「シロン、バニーちゃんが落したゴーグルは何処にあるかわかる?」


「お待ちください……わかりました。川から貯水池に流れてしばらく行った所の川の底にあります」


「一番簡単なにゴーグルを取り戻す方法は何?」


「そうですね。モモちゃんでしたら浮力の大きな水の中でも、簡単に取って来る事が出来るでしょう」


 そうか、モモちゃんが居たな。


「バニーちゃん。ゴーグルがある場所がわかったから、今からモモちゃんに頼んで来るね」


『あったの? 良かったー。あたしも一緒に連れて行って』

 バニーちゃんはゴーグルが気になっているようだ。


「いいよ。それじゃぁー、一緒に行こうか?」


 かなえはバニーちゃんを抱き上げると、一緒にモモちゃん達の所へ行こうとするが、ふと閃いて上空のシャワードームがある辺りに向かって声を上げた。


『モモちゃーん、ちょっと助けて欲しいのー。来てくれるー?」

 

 特に大声ではないので、200メートル以上離れたシャワードームのモモちゃんに、聞こえるとは思わなかったが、かなえは試してみたくなった。


 バニーちゃんは、空に向かってモモちゃんを、呼ぶかなえを不思議そうに見ている。


『なーに?』

 やっぱり聞こえないなと思っていたら、モモちゃんがもう目の前に来ていた。


「モモちゃん! えっ、私の声が聞こえたの? でもなんでもう目の前にいるの?」


『モモちゃん、カナカナの声聞こえたから飛んで来たんだよ。何?』


 そうなんだ……でも飛んで来たって言うよりジャンプで来たぐらい素早かった。


「まぁー、いいや。あのー、モモちゃんに貯水池の底にあるゴーグルをとって来てもらいたいの」


『あー、ルークが呼んでるから、待ってて』

 すると、モモちゃんはまた一瞬で消えてしまった。


「バニーちゃん。モモちゃんが飛んで来たの見えた?」

『うーん、たぶんすごく早いんだよ。ブーンて音がしたでしょ?』


 えっ? 音なんか聞こえなかったな。かなえよりはバニーちゃんの方が感覚が鋭いんだろう。


 しばらくすると、モモちゃんがルークスと一緒にかなえにも見える速度で、戻って来た。


『カナカナー、モモちゃんが急に消えたから僕ビックリしたよー!』と、ルークス。


 モモちゃんとルークスは出会ってからずっと一緒にいるから急に消えると驚くだろう。


「ルークス、驚かしてごめんね。ちょっとモモちゃんに助けてもらいたいから、ここから呼んでみたの。そうしたらモモちゃんには私の声が聞こえたみたい」


『へー、モモちゃんすごいねー』と、ルークスがモモちゃんを褒めると、


『うん、モモちゃんすごいでしょ』と、嬉しそう。相変わらず仲が良いようだ。


「それで、もう1度言うけど、貯水池に落としたものをモモちゃんにとって来て欲しいの。いい?」


『いいよー、どれ?』

「ありがとう、大体の場所はわかっているから今から移動するね」


 かなえはバニーちゃんを抱っこしたまま、ルークスとモモちゃんを連れて、貯水池の前にやって来た。


「ここなんだけど……」

 かなえはポーチから新しいゴーグルを取り出すと、


「これと同じものが、この辺りの水底にあると思うの。浮力が強いから気を付けてね」


『うん、わかった』

 モモちゃんは『ポチャン』と、貯水池に飛び込み一瞬で上がって来る。


『あったよー。これでしょー?』

 モモちゃんは、バニーちゃんの落としたゴーグルを、前足に巻き付けて戻って来た。


『あー、あたしのゴーグル!』

 バニーちゃんは嬉しそうに声を上げる。

「そう、それよ。ありがとう、モモちゃん助かったわ」


『うん、いいよー。それなぁーに?』

 

 モモちゃんはゴーグルに興味を持ったようなので、シロンに出してもらおうとするが、


「かなえ、モモちゃんの現在の視力よりも、良く見えるゴーグルはありません」と、言われる。


 そうか、モモちゃんは聴覚だけでなく、視覚も物凄いんだった。

「そう、それならモモちゃんが喜びそうなものは何か無いかな?」


「それでしたら、これは如何でしょう?」

「えっ? シロン、これ首輪でしょ?」

 出て来たのはピンクとグリーンの2つの光沢のある首輪だ。


「はい、この首輪はモモちゃんとルークスに取り付けて下さい。首輪同士が引き合い離れていてもどの方角にいるかがわかります」


「へー、そうなんだ」

 かなえはルークスとモモちゃんに、首輪の事を説明すると、


『うん、モモちゃんとルーク。いつも一緒ね』

『ボクも着けて―』と、嬉しそうだ。


 かなえは二つとも着け終わると、試しに少し離れてもらう。

 モモちゃんが上空に、ルークスは島の方へ向かって走って行く。


 しばらくすると、ルークスとモモちゃんがかなえ達の側まで戻って来る。

『わかったよー。ボク、モモちゃんがこっちにいるのがわかる!』


『モモちゃんの首輪が、ルークの所へひっぱるよー』と、モモちゃん。

「もし邪魔になったら取ってあげるから、しばらく試してみてね」


『うーん、わかったー!』と、モモちゃんとルークスは上空に飛んで行った。


「バニーちゃん、このゴーグル着けてみてどうだった?」

『あたし、ゴーグル、良く見えるから好き。ここの美味しい草を食べに来れたし』


 そうか、バニーちゃんはゴーグルで視界が広がったから、ここの牧草地まで来る元気が出て来たのね。


「バニーちゃん、そう言えば自分の姿が見たかったのよね?」

『うん、あたしこのゴーグル着けたらどうなるか知りたかったの』


「シロン、動物達用の鏡まだある?」

「はい、あります。牧場の牛舎に取り付けたのと同じ大きさのもありますが」


 そうか、あのサイズならキングス達も見られるからいいかな。

「それじゃー、その木の横に置いてくれる?」

「はい、どうぞ」


 すると、自立式の大きな鏡が目の前に現れた。


「バニーちゃん、ちょっと大きいけどこれなら見られるでしょう?」

『うん、良く見える!』


 かなえはゴーグルをバニーちゃんに着けてあげると、


『アハハッ、変なのー。面白い!』

 バニーちゃんはゴーグルを着けた自分の姿を見て笑っている。


 そんなに面白いの?

 かなえにはバニーちゃんが、そこまで面白い姿には見えない。


「バニーちゃん、何でそんなに面白いの?」

『えー、アハハッ、だって―、あたしが人間みたいだから!』


 なるほどー、動物には何かを身に着ける習慣が無いから、ゴーグルを着けて人間の真似でもしているように思うんだろう。


 楽しいなら、まぁ―いいか……。


「バニーちゃん、私はそろそろ行くけど、ゴーグルはそのままでいいの?」

『うん、いいよ。寝る時は取るから平気よ』


 バニーちゃんは楽しそうに鏡の前でポーズを取りながらぶつぶつ言っているので、かなえはシャワードームへ移動して来る。


 

 キングス達もマリー達ももう休憩場で眠っている。

 

 かなえはキングス達を小屋へ、マリー達を雲の上の温泉へ送り届けると、もう一度シャワードームへ戻って来て、ウオッシュを掛けて行く。


 ルークス達は、首輪を使ってどこかで遊んでいるんだろう。

 


 ウオッシュを掛け終わると、一旦ジミーさんの仕事部屋へ移動して来るが居ないようだ。


「シロン、ジミーさんはまだドームシティーに居るの?」

「はい、メラニーさんと一緒に戻って来るところです」

 

 へー、メラニーさん。あの後、アランさんの所へ行ったのかな?

「それじゃぁー、ジョンさんはどうしてる?」


「まだ、ジョーさんの仕事場にいます」

「えーっ! ジョンさんまだジョーさんの所にいるんだ……」


 ジョンさん、初日なのに無理してないかな……。

「シロン、ジョンさんの体調は大丈夫?」


「はい、肉体的には疲れて来ていますが、喜んで働いています」


 へー、そうなんだ。よくわからないけど、ジョンさんは家具作りを学べているんだろうな。


 かなえは、温泉からのジャンプミラーを設置している小屋に移動して来ると、張り紙に「お帰りなさい。今日はスミス夫妻の庭で夕食にします」と書いて、目立つところに貼っておく。


 そして、スミス夫妻の庭へ歩いて来て、大きな丸いテーブルを設置する。


 テーブルクロスを敷き、お皿やグラスを並べる。

 

 料理は取り出せばいいだけなので、今のうちに庭のあちこちに灯りを設置して行く。



 しばらくすると、リリララ姉妹が戻って来た。


「お帰りー……リリちゃんはいつまで温泉に通うの?」

「一様、今日までにしました。でも時間がある時はこれからも行くつもりです」


 リリちゃんは偉いなぁー。

「それじゃぁー、ララちゃんはどうするの?」


「メラニーさんは、あたしと一緒にいてもいいし、午後の教室に通ってもいいと言ってくれたんですが……」


「ララも、お手伝い出来るもん!」と、ララちゃんはお姉ちゃんと一緒にいたいようだ。

 

 すると、メラニーさんとジミーさんが一緒に戻って来た。


「お帰りなさーい」

「おかえりなさい」

「ただいまー」


 メラニーさんは何を買って来たのか凄い荷物だ。ジミーさんが持っている物もメラニーさんの物なんだろう。


「ちょっと、キッチン用品と雑貨屋さんを見つけたら欲しいものが色々見つかって……」


 メラニーさんは仕事を始めたら、ゆっくり買い物する時間も減るだろうな。


「メラニーさん、何時でも運ぶのを手伝いますから、買い物に行きたい時は声を掛けて下さいね」


「ええ、そうね。ありがとう。今日はそんなつもりじゃなかったんだけど……」


 メラニーさんは一旦荷物を置きに家に戻って行った。


 シロンに確認を取ると、ジョンさんは少し前にジョーさんの店を出た所らしい。

 なので、もうすぐ戻って来るだろう。


 テーブルにジョンさん以外の食事を並べて行く。


 今日の夕食は、プロの実のロールキャベツ。アスパラとひよこ豆のキッシュ。

 

 グリーンサラダとオニオングラタンスープ。焼きたての雑穀パンとオリーブパン。


 デザートはブルーベリータルトにした。

 

 飲み物は大人達は、エール、かなえとリリララ姉妹はライムソーダ。デザートの時にそれぞれ好みのお茶をポットで頂くことにする。


 並べ終わったところでジョンさんが戻って来た。


「おかえりなさーい」

「おかえり」

「ごくろうさまー」


 かなえはジョンさんの料理も並べ、みんな揃っての夕食になった。

 

 今日はみんな出掛けていたので色々話題があるが、まずはララちゃんのいつもの話しを聞き、リリちゃんにメラニーさんが質問して話を聞く。


 その後は、遅くまでかかったジョンさんが話し始める。

「やぁー、体は疲れているんだが、今日1日楽しかったよ」

 

 ジョンさんによると、かなえが帰ってからジョーさんが朝ご飯がまだだったようで、ジョンさんが持って行った料理をすぐに食べたそうだ。

 

 食べ終わると一緒に仕事場に来るように言われ、ジョーさんから次々と雑用を言いつけられ大変だったそう。


「でも、今思うとどれも家具作りに必要な事だったし、ためになったんだよ」

 ジョンさんは人が良いから何を言われても喜んでやりそうだけど……。

 

 側で見ていても、ジョーさんの家具作りの腕前は凄くて、技術も一流だがとにかく集中力があるそうだ。


「それで気が付いたらもう夕方だったんだよ」

「えっ? もしかして、ジョンさん、お昼抜きだったんですか?」


「まぁーそうなんだけど……」

 ジョンさんは、2人分のランチを持って行ったはずだが。


「私の分はジョーさんの夕食用に置いて来たよ」

 ジョンさんは冷めない様に、コンテナごとジョンさんの所へ置いて来たそうだ。


「お疲れ様でした。どうぞたくさん食べて下さいね」

「ハハッ、今日はエールが旨いなぁー」

 ジョンさんは充実した1日だったようで機嫌も良い。 


 ジミーさんは、アランさんの所へ行く前に、いろいろお店を散策し良いアイディアを探したそうだ。


「町に出るのは良いもんだね。家でじっとして考えるよりも、刺激されて創作意欲が沸いて来るよ」


 町を回った後、アランさんの所で色々話して来たそう。


「それで、私も通り道だったからアランさんの所へ顔を出してみたの」と、メラニーさん。


「ちょうどその時、私も居たからね」と、ジミーさん。

 しばらくアランさんと、色々計画を練って来たそうだ。


「あの、ジャンプミラーのおかげで、ドームシティーがとても身近に感じるわ」


 今までミルクドームに夫婦二人で静かに暮らしていたから、特にそう思うんだろうな……。


 ジョーさんには明日も来ていいと言われたそうなので、ジョンさんは行く事にした様だ。


「あのー、明日のお弁当は私が準備しましょうか?」と、聞くと、

「大丈夫よ、かなえ。私が朝の分と一緒に作っておくわ」と、言われる。

 

 メラニーさんは、食材もいろいろ仕入れてきたようだ。


 持って行く時のコンテナを出して渡しておく。

 こうなるとジョーさんの所にもコンテナは必需品だな。


 かなえはゴーグルで動物達が喜んだ話をする。

「そうなんですかー、猫もウサギもそこまで視力が良く無いんですねー」と、リリちゃん。


 バニーちゃんが鏡に映ったゴーグルをした姿に、大笑いしていたことも話す。


 デザートまで食べ終わると大人達がまだ話すそうなので、お茶のカップ以外を片付けてリリララ姉妹と一緒に帰る事にする。


「それじゃぁーまた明日ねー」

 リリララ姉妹を家の前まで見送り、かなえも部屋に戻って来る。



 はぁー、終わったー。

 かなえは泡風呂に美肌効果と、肉体疲労緩和の効果を付けて入る。


 かなえが思い付いたジョーさんとジョンさんを会わせるプランは、想像以上に上手く行きそうだ。

 

 まぁー、ジョンさんの何事も柔軟に受け止める、性格のおかげもあるんだろうけど。


 ジョンさんが、ちゃんとお昼を食べられるようにしてもらわないと。


 かなえは気が付くとウトウトしていたので、お風呂から出ると寝る支度をしてベットに入る。


 

 今日も特に問題は無く過ごせたから、良かった……。

 

 かなえは灯りを消して眠りに就いた。



――――――――――――――――

 ポイント 


 プラス  

 マイナス  

 残り   215万1400 

 パワー  498


―――――――――――――――― 

 予定  動物達を連れてお出掛け


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 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 



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