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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
118/229

118 マリーを迎えに 


 温泉の休憩所にやって来たかなえは、足元にピッタリとくっ付いているバニーちゃんを抱き上げる。


「バニーちゃん、大丈夫よ」

 かなえは少しスリムになったバニーちゃんを抱えて、ジジさんババさんの所へ近づいて行く。

 

『そうだ、だからゆっくりこのお湯に浸かっていればいいんだ……』と、他の牛達に温泉の説明をしているのは間違いなくジジさんだろう。


「ジジさん、お疲れ様です」と、バニーちゃんを抱えたかなえが話しかけると、

『おお? 珍しい組み合わせだなー』とジジさん。


「はい、色々ありまして……それよりどうですか? ここで何か問題は起きていませんか?」


『いや、今の所大丈夫だ。もうこの牧場にいるすべての牛がここに1度は来ている筈だから、マナー違反をする者はいないはずだ』


「そうですか、それは助かります。温泉の評判はどうですか?」

『人気があるよ。気持ち良いのがわかったからか、中々ここから出て行かないのが問題なくらいだな』


 へー、そうか。それは良かった。

『だが、このまま行くと、運動不足にならないか心配だが……』


 そうか、それじゃぁーアニマルドームに温泉を造った時と一緒だ。

 ジジさん達もキングス達も一日中温泉にいたからな。


 それじゃー良く無いと思って、シャワードームも造ったんだったな。

 やはり牛達が運動不足になる前に、何か対策を考えないと。


『あらカナカナ、今日はウサギも一緒なのね……ここの美容に効くお湯はみんなに好評よ。毛並みが良くなって、いい匂いがするって喜んでいるわ』と、ババさん。


 ジジさんババさんは、牛達の中では年長で面倒見が良いからか、周りの牛達に慕われているようだ。


 そんな2頭が、最近牧場にいなかったり、体がツヤツヤになって良い匂いをさせて居たら、他の牛達に問い詰められて当然だろう……。


 かなえはバニーちゃんを抱っこしながら温泉の中にウオッシュを掛けて行くが、だんだん腕が辛くなって来た。


「ジジさん、私達はそろそろ行きますね。また明日顔を出します」

 そして、上空のカーペットにジャンプで戻って来る。


 あー重かったー。

 バニーちゃんをクッションの上に置くと、

『牛達がいっぱいで驚いちゃったー』と、ホッとしたようなバニーちゃん。


「バニーちゃん、これからどうする?」

『あたし、お腹が空いたわ』

「そう、わかった」


 かなえはジャンプでバニーちゃんの小屋の前の庭に戻って来る。

 シールドとインビジブルを解くと、


「はい、おまたせ。あっ、ちょっと待ってね」と、かなえはバニーちゃんの首に首輪を付ける。


「もう、食事をして来ていいよ」

『うん』と、バニーちゃんはゆっくり庭の牧草の所へ行き食べ始める。

 

 カーペットを仕舞うと、子猫達の事が気になって来る。

「シロン、子猫達は大丈夫かしら?」

「はい、今は湖の砂浜で3匹で遊んでいます」


 フフッ、それなら大丈夫そうね。

 

 さぁーそろそろお昼にしよう。

 

 ジミーさんはアナンさんの所へ行ったついでに食べて来るって言ってたからなー。


 そうだ、久しぶりにあそこへ行こう。

 

 

 かなえはジャンプでオアシスインの横へ移動して来る。

 中に入って行くと、ルルちゃんがカウンターに座っていた。


「ルルちゃん、お久しぶりー」

「わぁー、かなえさんお元気ですか?」


「うん、何も変わったことは無い?」

「はい、ママは中々じっとしていないけど、元気です」

 フフッ、カーラさんらしいな。


 ルルちゃんは水色のレイヤーになったワンピースを着て、髪をきれいに巻いていてお人形の様だ。


「この前は乗馬に行ったんでしょう?」

 リリちゃんがルルちゃんと乗馬に行ったって言ってたっけ……。


「はい、リリちゃんは馬に乗るのが2回目なのに、とても慣れているみたいでした」

「そう?」

 アンディーも筋が良いって言ってたなぁー。


「リリちゃんに何か伝言があれば伝えるけど?」


「かなえさんはカフェにいらしたんですか? それなら手紙をリリちゃんに書きますから渡して欲しいんですけど」


「うん、いいよ」

 すると、ルルちゃんは嬉しそうに、引き出しから紙とペンを取り出している。


 かなえはすぐ横の扉を開けてオアシスカフェに入って行く。

「こんにちはー」

 

 かなえは会計のカウンターに座っているカーラさんに挨拶をする。

「やぁー、かなえじゃないか」

 

 カーラさんはルルちゃんが言うように元気そうだ。


「体調はどうですか?」

「全然元気だよ。普通に働けるのに周りが『座っていろ』ってうるさくてねー」と、カーラさん。


 フフッ相変わらずだなぁー。

 かなえはカウンターに腰かけると、臨時の給仕の人にピンクベリージュースを頼む。


 何食べようかなー。かなえはメニューを見ながら考える。

 どれも美味しそうだが、最近食べていないドリアのランチセットにした。

 

 もうお昼なのでお客さんが次々と入って来て、忙しそうだ。

 暫く待っているとかなえの食事が運ばれて来た。

 

 アツアツのプチトマトが沢山入ったチーズドリアにサラダ、野菜のうまみがタップリのコンソメスープ。

 それにプロの実ボールのアプリコットソースと、チョコレートムースだ。


 わぁー、美味しそう!

 かなえは大きいスプーンでドリアを食べ始める。

「アツー!」

 

 「慌てないでゆっくり食べなよー!」と、カーラさんがかなえの横に来てつぶやくと、すぐに遠ざかって行く。


 お客さんがいっぱいになったので、カーラさんは手伝う事にしたようだ。

 メニューを置いたり、テーブルを片付けたり忙しそうに歩き回っている。

  

「シロン、カーラさんはあんなに動いて大丈夫なの?」


「はい、適度な運動も必要です。忙しい時に少し手伝うくらいなら問題ないでしょう。時間があれば温泉もお勧めです」


 そうか、温泉ね。

「ただ、滑って転ばない様に気を付ける事、のぼせるまで長湯をしない事は注意した方が良いでしょう」

「うん、わかった」


 かなえは美味しかったので、ほとんど残さずに食べ終わると、カーラさんの所へ行き会計を済ます。


「それで、お勧めなんですけど……」と、温泉の事を話し、シロンに言われた注意点も話しておく。


「ああ、シモンズさんも最近温泉に行って良かったって言ってたよ。そのうち行ってみるよ」

 

 かなえはカーラさんに、いつもの妊婦特有の体の不調緩和飴の詰まった袋を渡す。


「すまないねー。かなえのこの飴があれば妊婦も悪くないよ」と、カーラさん。


 かなえはカフェを出て、ルルちゃんにリリちゃん宛ての手紙を預かると、オアシスインを後にする。



 あー、食べ過ぎたー。チュニックを着ているので外からはわからないが、かなえのお腹は膨れている。


 ゆっくり食べていたので、もうそろそろマリーを迎えに行く時間だ。

「シロン、マリーとリキさんはどうしてる?」


「今は、森のドームの倉庫の入口で中の様子を見ているようです。

 へー、リキさんはマリーを案内でもしているのかな?




 かなえはジャンプで森のドームのひと気の無い所へ行く。

 そして1頭立ての馬車「小」を取り出す。

 帰りはリキさんも乗る予定だが、大型犬2匹なら問題無く乗れる。


 かなえは馬車に乗るとジョンソンさんの家に向かう。

 途中倉庫街を通ると、マリーとリキさんがかなえに気が付いて後を追いかけて来た。


 かなえはジョンソンさんの家の前に馬車を停める。


「マリー、森のドームは楽しかった?」

『ええ。今、倉庫の中で何をしているか見てたのよ』


『へー、そうなんだ。リキさん、体調はどう?』

『わしは元気だよ。だが早く温泉に入りたくなって来たな』


「フフッ、そう? ところでジョンソンさんかリンジーは家にいるかな?」


『ああ、親父は倉庫にいるよ。リンジーは家にいるんじゃないか?』


「うん、わかった。ところでリキさんとマリーはこれからアニマルドームに連れて行っていいのかしら?」


『ああ、わしはいつでもいいぞ』

『あたしもいいわ』


「じゃぁーリキさんは何日ぐらいアニマルドームにいたい? ジョンソンさんに頼んで見るから」


『うーんそうだなー。それなら2、3日は行きたいな』

「うん、わかった聞いて見るね。ジョンソンさんの所へ案内してくれる?」


 かなえはリキさん達に案内され倉庫の中へ入って行く。


 中には大きな木が積まれている。奥の話し声がする方へ歩いて行くと、ジョンソンさんとリンジーのお兄さんのマイケルさんが話していた。



「こんにちは」

 かなえは二人に話しかける。


「おお、嬢ちゃん。良くここがわかったなぁー」

「はい、リキさん達の姿が見えたので後を付いて来ました」


「そうかい、それでどうしたんだ。迎えに来たのかい?」


「はい。あのーリキさんを2、3日連れて行ってもいいですか? 足の具合も気になりますし、温泉にマリーと一緒に連れて行きますから」


「そうか、それはすまないなぁー。よろしく頼むよ。それにリキがこんなに嬉しそうにしていたらダメとは言えないなぁー」


 かなえはすぐ横に来ていたリキさんが尻尾をブルンブルン振っているのが見えた。

「ハハッ、そうみたいですね。マリーとも仲良くなってくれたみたいですし」


 かなえは話が終わると、倉庫から出て馬車に向かう。

「リキさん、マリー、見ててわかったと思うけど、2、3日行って来ていいってジョンソンさん言ってたよ」


『ああ、そうだろう? わしは親父の話していることは大体わかるからな』

「へぇーそうなんだ」


『あたしだってお爺さんが何を言おうとしているか、わかるわよ』とマリー。


 リキさんとマリーの様に飼い主に愛情を持って育てられると、意思の疎通も可能になるのかな……。


 馬車まで歩いて来ると、リキさんとマリーに乗ってもらう。かなえも前に乗り込むと、馬車を走らせて行く。



 森のドームのひと気の無い場所まで来ると、一旦馬車から降りてもらう。

「ジジさん、マリー、温泉かシャワードームに行けばいいの?」


『まずは温泉が良いな』

『あたしも温泉でいいわよ』


「そう、わかった」

 かなえは馬車を仕舞うと、みんなで雲の上の温泉へジャンプして行く。

 

「はい、お待たせ―、それじゃぁーゆっくり入ってね」

 ジジさんが嬉しそうに温泉の湯船に入ろうとするとマリーが、


『リキ、最初はトンネルシャワーからでしょ。忘れたの?』と、注意する。


『おお、そうだったな』と、リキさんはゆっくりとトンネルシャワーに入って行き、マリーも隣のトンネルシャワーに入って行く。


 

 かなえは用事が終わったので、砂浜に移動して来る。

 良かった……マリーは元気そうだったな。



 かなえは暫らく湖の景色を眺めていたが、眠くなって来たので一休みする事にした。

「シロン、30分したら起こして」


「はい、わかりました」

 かなえは砂浜に横になると、すぐに眠りに就いた。



『キャハ……』

『おもしろい!』

『何してるのー?』


「……は?」

 かなえは子猫達の声で目を覚ます。

 目を開けると、目の前に子猫3匹がかなえの様子を伺っていた。


「あっ……そうか。あなた達もここまで来れるようになったのね」


『ねー、何してるの?』

『おなかいたいの?』

『ねむいの?』


「ちょっと眠くなったから寝ていたのよ……あなた達は外で遊べて楽しい?」

『うん、面白いよー』


『広いねー』

『でもお水は入れないよー』


「そう。まだお水は危ないからもう少し大きくなったらね」

『ハーイ』

 

 子猫達は他に興味の対象を見つけたのか、どんどん砂浜を走って行く。

 

 

 かなえは起き上がりウオッシュを掛けると、バニーちゃんの様子を見に行く事にする。


「シロン、バニーちゃんはどこにいるの?」

「猫の温泉の中にいます」



 そうなんだ……。

 かなえは猫の温泉の前までジャンプして来ると、

 バニーちゃんが黒猫のクーちゃんと休憩所で一緒にいるのが見えた。


 かなえは水着に着替えて中に入って行く。


「バニーちゃん、ここにいたんだ。温泉に入ったの?」

『そうよ、今、クーにいろいろ猫の事を聞いてたの』


「猫の事を? ふーん」

『このウサギ、体は大きいがまだ子供だね。色々猫の常識を教えてやっていたのさ』

「そう、ありがとう。クーちゃん。バニーちゃん、色々教えてもらえて良かったね」


 バニーちゃんの事はクーちゃんに任せておこう。

 かなえは温泉の中にウオッシュを掛けると、外に出て来る。



 そろそろ、キングス達を送る時間だな。

 かなえは洋服に着替えて、シャワードームにジャンプして来る。

 先に全体にウオッシュを掛けてから、眠っているキングスとクイーンを小屋へ送り届ける。


 マリー達は夕食の後に送ればいいな。

 かなえはジミーさんの庭へ移動して来て、夕食の準備をしようか迷っていると、リリララ姉妹が戻って来た。


「2人ともお帰りー」

 リリララ姉妹は今日も良い1日だったようで、満足した顔をしている。


「ただいま帰りましたー」

「帰りましたー」


 かなえはテーブルにウオッシュを掛けると。料理を並べ始める。

 ジミーさんの分はコンテナに入れておこうかと考えていると、ジミーさんが戻って来た。

「やぁ、遅くなったね」と、ジミーさん。


「いいんですよ。遅くなるならコンテナに料理を入れておけますから、好きな時間に戻って来てくださいね」

「そうかい? ありがとう」



 準備が出来たので、夕食を食べ始める。

 

 献立は、カレーピラフにプロの実ハンバーグ、グリーンサラダにトマトスープ。それにピーカンパイにした。

 

 飲み物はパパイヤバナナジュースにアップルティー。ジミーさんにはアイリッシュコーヒーだ。


 一通りララちゃんが話した後、リリちゃんが温泉での様子を話す。

 

 ジミーさんからアナンさんに会った様子を詳しく聞きたかったが、リリララ姉妹が退屈しそうなので、明日のお昼の時にでも詳しく聞くことにする。


 かなえは子猫達を島の中は自由に行けるようにした事、森のドームへマリーを迎えに行きリキさんを連れて来たことを話す。



「あっ、忘れてたー。はい、リリちゃん。ルルちゃんから手紙を預かっていたの」

 かなえはポーチから手紙を取り出してリリちゃんに渡すと、


「わぁー! ルルちゃんから手紙が来たー!」と、嬉しそうなリリちゃん。

「いいなー、ねー、ララにも見せてー」と、2人はもう手紙に夢中だ。


「あなた達、手紙は全部食べてからにしてね」


 リリララ姉妹は「ハァーイ」と、最後のパイを食べ始める。


 食事を終えてリリちゃんは待ちきれなくなって手紙を読み始める。


「わぁールルちゃんが『今度の日曜日にまた会いましょう』って、どうしよう!」と、リリちゃんは嬉しそうだ。


「いいなぁー、お姉ちゃんばっかり。ララもお友達と遊びたいなー」


 ララちゃんもいつもお姉ちゃんと一緒に行動は出来ないからなぁー。


「それならララちゃんは、メラニーさんの所に行く? 私が聞いておくから」

「うん、ララ、メラニーさんとパイ作りたい!」と、ララちゃん。


 リリちゃんもちょっとうらやましそうだ。それでも友達と会う方が楽しいのだろう。


 

 片づけが終わると、かなえは子猫達の様子を見に行く事にする。


「シロン、子猫達はどうしてる?」

「はい、今は猫の温泉の外でバニーちゃんと一緒に居ます」


 バニーちゃんもそれなら楽しいだろう。

 行かなくても大丈夫そうね……。


「マリー達はどう?」

「リキも一緒に休憩場で眠っています」

 そう、なら迎えに行こう。

 


 かなえはジャンプで雲の上の温泉に移動して行くと、先にウオッシュを掛けてから、リキさんとマリーを小屋に送って行く。


 そしてリキさんの足に薬を塗り、かなえは自分の部屋に戻って来る。



 かなえは久しぶりに泡風呂に入る。

 

 マリーはリキさんと一緒で嬉しそうだったな。

 これからもなるべく一緒に居させてあげた方が良いのかな。


 子猫達は島の砂浜が気に入ったようだ。

 

 あっ、マリーに子猫達の首輪の事を話すのを忘れた……。

 まぁーいいか。


 バニーちゃんはクーちゃんが面倒見てくれたみたいで助かったな。


 かなえは今日一日の事を頭に浮かべながら、ウトウトしてしまう。


「かなえ、そこで寝てはダメですよ」

「はっ! そうねありがとう、シロン」


 かなえはお風呂から上がると、寝る準備をしてベットに入る。

 

 さぁー、早く寝よう。


 明日もリトくんが起こしに来るから……。


 かなえは灯りを消して眠りに就いた。



――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス  1000 妊婦特有の不調緩和飴

      

 マイナス 1000 オアシスカフェランチ

     

        

 残り   221万2900 

 パワー  498


―――――――――――――――― 

 予定  マリーを森のドームへ迎えに行く 完了

     リキさんを週末森のドームへ送って行く

     動物達を連れてお出掛け

―――――――――――――――― 

 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 



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