116 子猫達も温泉へ
『ここから入るよー!』
猫の温泉のトンネルシャワーの前まで来た、子猫達とバニーちゃんは元気よく中に入って行った。
いつも自分達のシャワードームで毎日遊んでいるので、濡れることに問題は無さそうだ。
『わぁー、ひろいねー』
『大きいねこだー』
あーあ……もう。
子猫達とバニーちゃんは、かなえの言った事は忘れて温泉の中を走り回っている。
「ちょっと、あなた達静かにしてっていったでしょ!」
かなえが温泉の中に入り、子猫達に向かって声を張り上げると、
『ちょいと、あんた。うるさくて眠れないじゃないか!』と、白い猫に怒られる。
「ごめんなさい……」
どうやらかなえの声が一番大きかったようだ。
子猫達とバニーちゃんは早速泡風呂を見つけ、中に入って行く。
『わぁー、ブクブクだよ―』
『キャハッ! おもしろい―』
『きもちいいねー』
『くすぐったーい』
みんなは、泡風呂の感触が。気に入ったみたいだ
『可愛いわねー、子猫を見るのは久しぶりだわー。あのウサギは随分大きいのねー』と、白黒の猫。
白い猫以外は、子猫達やバニーちゃんに好意的な目で見守ってくれている。
『まぁ、あのくらいは可愛いもんだよ』と、黒猫のクーちゃんも目を細めてみんなの様子を見ている。
かなえも様子を見ていたが、問題なさそうなので後をクーちゃんに頼み、温泉から出て来る。
あっ、着替えないと!
かなえは水着からチュニックに着替えると、砂浜に移動して来る。
次にやるべきことは……今晩の夕食はどうしようかな。メラニーさんがキッシュとパイを作って来てくれるって言ってたなー。
かなえは他に何を用意しようかと考え、足りない物は買いに行く事にする。
ついでに、普段のみんなの食事の買い出しも済ましておこう!
かなえはまず、まかない亭にジャンプして、テイクアウトを注文しに行く。
もうランチの混雑は終わり、遅いランチを食べているお客さんが何人かいるだけだった。
「すみません、まかないランチを10人前お願い出来ますか?」
かなえは店のカウンターの中にいた大柄なシェフに頼むと、
「はいよー。まいどー」と、もうかなえの事は覚えてくれたようだ。
「後で取りに来るのでお願いしまーす」と、会計を済ますとお店から出て来る。
次は総菜屋に行こう。
かなえはジャンプしてお店の中に入って行くと、いつもの通りおいしそうな料理がらなんでいる。
張り紙に「本日のスペシャル、アツアツパエリアはいかが?」と書いてあった。
「すみません、パエリアってあの黄色いライスのパエリアですか?」
かなえはお店の人に聞いて見ると、
「はい、そうです。このパエリア用の鍋のまま、お持ち帰りできますよー」
そうなんだ……パエリア食べたいな。
かなえは今日の夕食と他の日用に3つオーダーする。
その他にもいくつか注文すると、次のお店に向かう。
かなえはイタ飯屋の前にジャンプして来ると、ジミーさんが好きそうなパスタを中心に注文して行く。
「それじゃぁー、後で取りに来ます」
そうして、イタ飯屋の後にジャングルフード、ラウンドカフェ、パン屋さんで焼き立てのパンも買うと、スープ屋に移動して来る。
お店の中に入って行くと、
「こんにちはー」と、奥の方にいたダンさんに声を掛ける。
「おお、いらっしゃい!」
ダンさんは相変わらず、威勢のいい声だ。
「あのー今日は、スープの注文とバニーちゃんの様子をお知らせに来ました」
「それはすまんな。それであのウサギはどんな様子なんだ?」
「バニーちゃんは、家の子猫達と仲良くなり、毎日走り回っていますよ」
「えっ、あのウサギが走り回るって……あんな重そうな体じゃ無理だろう?」
「いえ、そんな事無いですよ。私の所でお預かりしてから大分スッキリして来ました。耳も問題無いみたいですし」
「そうか、ちょっと信じられんが。家にいた頃はほとんど動かないで食べてばかりいたからな」
「動物には餌をやる事も大切ですが、適度に運動させることも必要です」
「そうだな、ジョーイに言い聞かせるよ」
かなえはスープを注文し支払いを済ますと、
「また取りに来ますね」と、お店を出て順番に出来上がった料理を取りにお店を回る。
再びスープ屋に戻って来ると、ダンさんから容器に入ったスープを受け取る。
かなえは大きなカバンに積めていると、
「あのウサギは、あんたの所で引き取ってもらう事は出来るのか?」と、ダンさんに聞かれる。
「えっ? どうしてですか?」
「あのウサギはジョーイが貰って来たんだが、おれは世話をする暇がないしジョーイには、あんな大きな動物を世話をするのは無理だと思うんだ」
そんな……バニーちゃんを引き取る事は問題無いけど、そんな簡単に決めちゃうんだな。
「でもジョーイ君には聞かなくていいんですか?」
「ああ、おれが適当に言っておく……もっと小さな生き物を飼うように言うよ」
「えっ、ちょっと待ってください! もし本当に動物が飼いたいなら、ちゃんと世話が出来ないとだめですよ」
かなえは動物を飼う事をそんなに簡単に考えないで欲しいと、ダンさんに説明する。
「もし、ちゃんと世話をする自信がなければ、たまに乗馬教室に行って馬と触れ合ったり、動物用の温泉で掃除の仕事をしたりしながら、動物に関わる事も出来ます」
「そうか、わかった。ジョーイに伝えておくよ」
かなえはダンさんに、アンディーの働いている乗馬教室の事を話すと、バニーちゃんを譲ってもらう事に決め、お店から出て行く。
あーあ、なんかねー……動物を飼うって安易に考えないで欲しいよ。
その動物を一生面倒見るつもりじゃないと。
かなえはなんだか悲しかった。
でもバニーちゃんにとって、このまま子猫達と暮らせるのは良かったんだろう。
かなえはこのまま帰りたくなかったので、お菓子な店のジルさんの所へ行く事にした。
お店の前にジャンプして来ると中に入って行く。
「こんにちはー」
かなえはお菓子の箱をに出来上がったお菓子を、詰めているジルさんに声を掛ける。
「あらー、かなえ。元気だった―」と、ジルさん。
今日の服装は、ショッキングピンクの丈の短いジャケットと、黒くて短めのパンツからストライプの靴下が見えている。
そして白いシャツに、大きな蝶ネクタイ。
頭に乗せている小さな帽子が可愛らしく個性的だ。
「ジルさん、今日も素敵な洋服ですねー!」
「まぁー、そうかしら。ありがとー」と、ジルさんはかっこよくて派手だけど、物腰はとても柔らかい。
「お忙しそうですね?」
「大丈夫よー。今、温泉の売店に出すお菓子を詰めていたのよー」
「そうですか、私も売店でジルさんのお菓子を見かけましたよ」
「そうなのー? おかげさまで結構売れ行きがいいのよー」と、ジルさんは嬉しそうだ。
かなえは幾つかお菓子を箱に詰めてもらい、お店から出て行く。
ジルさんに会うと、元気をもらえるなぁー……。
あの派手な服装で、いつも丁寧に接客してくれるジルさんや、素敵なお菓子がいっぱいのお店は、かなえのお気に入りだ。
さ、そろそろ帰ろう……。
かなえはジャンプでアニマルドームの砂浜に移動して行く。
かなえはスミス夫妻の家の庭へ行くと、今日の夕食の準備を始める。
まず前にも使用した、大きな丸いテーブルと椅子を6脚配置する。
今日は薄いラベンダー色の大きなテーブルクロスの上に、白いレースのクロスを重ねる。
そして真ん中にはお花をアレンジして飾る。
次に、庭中にある外灯に、灯りを点けて行く。
テーブルの上にもランプを置く。
隣にサイドテーブルを出して、食器やグラスを準備しておく。
今はこの位でいいな。
かなえはテーブルにシールドを掛けると、ジャンプミラーのある小屋に歩いて行く。
えーと……。
かなえは紙とペンを取り出すと、
「リリちゃん、ララちゃんへ、今日の夕食はスミス夫妻の庭に変更になりました」と、書いてわかり易い壁に貼り付けておく。
次は……キングス達ね。
かなえはシャワードームへジャンプして行く。
今日はジジさん達もマリーもいないし、ルークス達もどこかへ行ったようで、シャワードームに居るのはキングスとクイーンだけの様だ。
2頭は仲良く並んで、休憩場でうつ伏せになって眠っている。
かなえは島の小屋に送り届け、シャワードームに戻ってウオッシュを掛けて行く。
浄化作用は付いているので汚れてはいないが、動物達が毎日激しく運動をしているので、どうしても劣化して来る。
それに休憩場にウオッシュを掛けると、フワフワ度が増すように感じる。
よーし、これでいいな。
かなえは全て終わらすと、スミス夫妻の家の庭へ向かう。
テーブルのシールドを解除して、食器を並べているとリリララ姉妹がジミーさんと一緒に歩いて来た。
「お帰りー。今日もご苦労さま」
「わぁー、今日も準備してもらいありがとうございますー」と、相変わらず礼儀正しいリリちゃん。
「今日ねー、温泉にメラニーさん来たよー」と、ララちゃん。
「へぇー、そうなの?」
そういえば、牛達の温泉に入っている姿を見て入りたそうにしてたっけ……。
「はい、だから、今日の夕食をメラニーさん達と食べるのは聞いてたんです」と、リリちゃん。
みんなで準備をしていると、スミス夫妻が料理の入ったコンテナを抱えてやって来た。
「今日も素敵なテーブルねー」
「温泉はどうでしたか?」
「フフッ、とっても気持ちが良かったわ。見て、肌がツルツルでしょ?」と、メラニーさんはご機嫌だ。
「確かに、あの泡風呂に浸かった後は、腰の疲れがとれたよ」と、ジョンさんも温泉の良さを実感したようだ。
メラニーさん達のキッシュとかなえが準備したパエリアやスープにサラダをテーブルに並べると、食事を始める。
メラニーさんのキッシュもかなえが用意したパエリアも好評のようだ。
まず、ララちゃんの今日一日の話から始まり、
次に、スミス夫妻の温泉での話で、途中から売店の話に移って行く。
ジミーさんもどんな商品を置くのが効果的かと、話し始める。
みんな、温泉の売店の話を始めると夢中になって止まらない。
食事が終わると、
「ララ、メラニーさんのパイが食べたい!」と、メラニーさんから今夜はパイもあると聞いていたようで、催促される。
メラニーさんのパイを食べる時間になると、辺りはもうすっかり暗くなって来ている。
ララちゃんは眠気と戦いながらパイを頬張っている。
かなえは、簡単にバニーちゃんを引き取る事になったと伝える。
「そう、ここで暮らせる動物は幸せだと思うわー。バニーちゃんも良かったじゃない?」と、メラニーさん。
みんなも頷いている。
「でも牧場の牛達もここの動物達と負けない位、幸せだと思うわー」
「そうだなぁー。あの牛達の温泉に入っている姿を見た時は驚いたよ!」
フフッ、そうだな……みんなで楽しく話していると、細かいことは気にならなくなって来る。
あー、もうララちゃんはいつの間にか寝ちゃった……。
スミス夫妻とジミーさんはまだ暫らく話して行くそうなので、かなえはリリララ姉妹をジャンプで家に送って行く。
「じゃー、お休みー」
かなえはララちゃんをベットに寝かせると、子猫達の様子を見に行く。
うーん、何処だろう?
子猫のドームにも小屋にもいないので、猫の温泉に行くと外の休憩場でバニーちゃんや他の猫達と一緒に眠っていた。
ハハッ! みんな仲良くなったみたいね。
かなえは猫達とバニーちゃんを小屋まで送らずそのままにして、家に戻って来る。
ゆっくりお風呂に入ると、今日の事を思い出す。
今頃マリーは森のドームで眠ったかなとか、牛達は仲良く温泉に入れたかなとか……。
ダンさんはバニーちゃんの事を何てジョーイ君に言ったのか気になるけど。
その内様子を見に行ってみよう。
かなえはお風呂から出ると、寝る準備をしてベットに入る。
明日も良い一日でありますように。
かなえは灯りを消して目を閉じた。
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ポイント
プラス 50000 精神安定効果グミ、牛50頭分
10000 バニーちゃんを引き取る
マイナス 40000 食事の買い出し、7軒
4500 お菓子な店、お菓子3箱
残り 221万2900
パワー 498
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予定 マリーを森のドームへ迎えに行く
動物達を連れておでかけ
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給料30日目 牧場の従業員見習い 15万
動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万
アニマルドーム管理人 30万




