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前編:婚約破棄宣言

誤字脱字報告ありがとうございます。

大変助かります。

「ジュリアっ!お前との婚約を破棄するっ!」


学園のカフェテリアで、友人のアメリアと優雅に紅茶をいただいていた時だった。

突然、この国の第一王子であるカメロが、私に婚約破棄を宣言してきた。

背後には、大勢の取り巻きを引き連れている。


——婚約破棄?

思わず、心の中で呟いた。

そもそも私たちは、まだ正式な婚約者ではない。

「婚約者候補」というだけで、婚約を破棄することなど不可能なのだ。

私は、呆れながらそう告げようとした。


けれど、その瞬間。

私の頭に、とても素敵な考えが浮かんだ。


正直、カメロの見た目はいい。

煌びやかな金髪に、澄んだ碧眼。甘いマスクに、すらりと伸びた手脚。

まるで物語に登場する王子様そのものだ。


だが、それだけだった。教養もない。品もない。甲斐性もない。

そんな人と一生を添い遂げるなんて、苦痛でしかない。

むしろ、婚約者候補としてこれまで交流してきた時間でさえ、無駄だったと思っている。



つまり、これは、またとない好機なのでは?

この場には、将来この国を支えていくであろう、有望な貴族令息や令嬢たちが大勢いる。

そんな者たちの前で、勘違いとはいえ、これだけ大々的に婚約破棄を宣言したのだ。


——もちろん、この婚約は成立しないだろう。


私は、扇で口元を隠すとニヤリとほくそ笑んだ。

隣のアメリアだけには、この表情が見えていたらしく「淑女らしからぬ顔してるわよ‥」と呆れられた。しかし、先に喧嘩を売ってきたのはあちらだ。


「カメロ様、婚約破棄ですか…。まずは、その理由をお伺いしても?」

「ふんっ!とぼけるな!お前は、ここにいるショコラを学園内でいじめていたなっ!

そんな奴は、この国の国王となる俺の妃には相応しくない!」


その言葉に、カフェテリアにいた生徒たちは、はっと息を呑む者もいれば、眉を顰める者もいた。

当然だ。あくまでも、彼はまだ王子に過ぎない。


王家には第二王子もいる。どちらが王太子になるのかも、まだ決まっていないのだ。

それにもかかわらず、まるで自分が次期国王になることが決まっているかのような発言をした。

王子としての権限を大きく逸脱した発言だ。

自分の立場も弁えないその言葉に、良識ある者たちは、驚きを隠せなかった。


——けれど。

私としては、まだまだ彼には自滅してもらわなければならない。

今の発言については、あえて何も指摘せず、話を先へ進めることにした。


「私が、そちらのご令嬢をいじめたと…? 

具体的には、どのようなことをしたのでしょうか?」


カメロに尋ねたつもりだった。

しかし、突然ショコラという令嬢が割り込んできた。


「わっ、私…。ジュリア様から、悪口を言われたり、物を隠されたり…。

それから、仲間外れにされたり…」


怯えた様子で、途切れ途切れに訴えてくる。

確か、男爵令嬢だったはずだ。

怯えている割には、公爵令嬢である私を名前で呼び、会話に割り込んでくるとは…なかなか度胸がある。


「なぜ、私がそのようなことをする必要が…?」


素直に疑問を口にすると、カメロの取り巻きの男が、一歩前に進み出て声高らかに訴えた。


「それは、こちらのショコラ嬢がカメロ様の寵愛を受けているからでしょう! 

女の僻みなど、醜いだけだ!」


あまりにも見当違いな回答が飛んできて、私は一瞬、呆気にとられた。

それを図星だと勘違いしたのか、男は得意げな顔で言葉を続ける。


「そもそも、カメロ様の婚約者候補になったのも、卑怯な手を使ったと聞いている。そんな女は王妃に相応しくない!少しは、ショコラ嬢の優しさを見習ったらどうだ?」

「さすがは俺の側近だ!ジュリア相手に、ここまで言えるとは頼もしいな!」

「恐れ入ります」


——えー…。

なんだか、三文芝居が始まったわ。

そもそも「側近」と言うけれど、この無礼な男は確か子爵家のはず。

もちろん、下位貴族でもずば抜けて優秀であれば、王族の側近になることはある。

けれど、この男は確か成績も下位だったような…。

…どうやって側近になったのかしら?


改めて見回してみれば、カメロの取り巻きは子爵や男爵といった下位貴族ばかりだ。

本当に国王になるつもりなら、もっと高位貴族との人脈を築くべきではないのかしら?


突っ込みどころが多すぎて、頭が痛くなってきた。

けれど、カメロにはここで再起不能になるまで自滅してもらわなければならない。

そのためにも、もうひと踏ん張りだ。私はこめかみを揉みながら、その男に尋ねた。


「卑怯な手とは、具体的にどのようなことでしょうか?」

「他の婚約者候補の家を没落させたり、婚約者候補の令嬢を脅したりに決まっているでしょう!」

「そうですか…」


私はカメロへ視線を向けた。


「カメロ様も、私をそのような卑劣なことをする女だとお考えなのですか?」

「当たり前だっ!だから、王妃には相応しくないと言っている!」

「でしたら、おかしいですわ」


私は首を傾げた。


「そんな卑劣な女が、そのショコラ嬢?に悪口を言ったり、物を隠したりする程度の可愛らしい意地悪しかしないはずがありませんもの」

「…え?」

「本当に邪魔だと思ったのであれば、確実にこの世から消し去っているはずです」


その瞬間、カフェテリアにいた貴族子女たちが、一斉に頷いた。


——それくらい、この国では身分差というものが重視されている。

私は鋭い視線をカメロへ向けた。


「本当に私が、その方にそんな可愛らしい意地悪をしたのですか?証拠はおありで?」


まさか、そんな切り返しをされるとは思っていなかったのか、カメロがたじろぐ。


——本当に、甲斐性のない男だ。

私は何も言わず、静かに紅茶を口に含んだ。

冷めているが、今はそれが丁度よく感じられた。

そして、いまだに何も言い返せずにいるカメロに向かって、こてんと首を傾げてみせた。


「あら? まさか、証拠もなく私を断罪なさっているのですか?」


すると、ショコラ嬢が破れたノートや教科書を取り出した。


「これが、その証拠ですっ!」


——うん。それはいじめられた証拠にはなるかもしれない。

けれど、私がやったという証拠にはならないでしょう。

さすがのカメロも、これを証拠とは言わないだろうと思った。

だから、ショコラ嬢のことは無視することにした。

しかし——。


「さすがだ!ショコラ!証拠をきちんと保管しているとは!未来の王妃として素晴らしい資質だな!」

「えへへへ…」


隣でアメリアが小さく呟く。


「えー…、本物のバカじゃん」


もう、敬う気持ちすらないらしい。

……同感だ。周囲の生徒たちも、呆れた表情でカメロを見ている。


私も、正直これ以上この馬鹿な連中と会話をしたくなかった。

カメロに王太子としての資質がないことは、もう十分すぎるほど分かっただろう。

そして、「婚約者候補」という肩書も、今日で終わることになるだろう。

そろそろ引導を渡そうと、私は立ち上がった。


「残念ながら、それは私がいじめたという証拠にはなりません。

それ以上の証拠がないのであれば、時間の無駄ですので、お引き取りを」



すると、ショコラ嬢が祈るように手を握りしめ、何やら演説を始めた。


「そうやってジュリア様は、いつも下位貴族を馬鹿にしていますよね? 

私たち下位貴族の話も、ちゃんと聞くべきではありませんか?」


——聞く価値のある話なら、もちろん聞く。

けれど、今のところ彼女の話には、聞くべき価値などない。

だから話を打ち切って、何が悪いというのだ。


そう思ったが、どうせ何を言っても話が通じないだろう。

私は余計なことを口にするのをやめ、黙って彼女を見つめた。


「現王妃様は、私と同じ男爵家のご出身です。そして、私たち下位貴族の声にも耳を傾け、立派に王妃としての役割を果たされています」


ショコラ嬢は、さらに声を張り上げた。


「公爵家だからって、それだけで偉いんですか?」

「ああ、地雷を踏んだわね」


隣で、アメリアがぽつりと呟いた。



——無知とは、恐ろしいものだ。


私は頬に手を添え、悩ましげに小さく息を吐く。

その仕草さえ絵になるほど美しく、カフェテリアにいた生徒たちは、思わず息を呑んだ。

やがて私は、ゆっくりとショコラ嬢へ視線を向けた。

そして、静かな声で問いかけた。


「この国は、いつから下位貴族が高位貴族に、そのような物言いをしても許されるようになったのかしら?」

「だから…その考え方がおかしいって言ってるんです!王妃様を見習ってください!」

「王妃様ねぇ…」


私は、優雅な笑みを浮かべたまま、ショコラ嬢を見下ろすような眼差しを向けた。


「アナタ、ショコラと言ったかしら?王妃様の何を見習えと言うの?」

「だからぁ~!私たち下位貴族の声にも耳を傾け、立派に王妃としての役割を果たされているところですっ!」


ショコラ嬢は、苛立ちを隠そうともせず、言い放った。

その様子に、私はこてんと首を傾げながら呟いた。


「王妃の役割ねぇ…。下位貴族と高位貴族では、教育内容も異なるのかしら?」

「なっ、また私たちのことを馬鹿にしたわねっ…!」

「ええ。したわよ。だって、アナタたち、何も分かっていないんだもの。…いえ、アナタたちと一緒にすると、他の下位貴族の方々に失礼かしら…」


私は、申し訳なさそうに眉を下げてみせた。そして、カメロに視線を向けた。


「カメロ様、ご友人たちに真実をお伝えなさっていないの?」

「真実だと…?」


カメロは眉を寄せた。

本当に何のことか分からないらしい。

その様子を見て、私は小さく息を吐いた。

ここまで馬鹿だったとは…王家はどういう教育をしてきたのか。


「いいでしょう。この先、恥をかかずに済むよう、ここで教えて差し上げますわ」




——そして、私は王家の真実を語り始めた。



現国王が、まだ王太子としてこの学園に通っていた頃。

彼には、公爵令嬢の婚約者がいた。

しかし、王太子は、学園で一人の男爵令嬢と出会い、恋に落ちた。

その少女は、もともとは商人の娘だった。

父親が爵位を買ったことで、貴族になったばかりの令嬢だった。


貴族令嬢らしからぬ奔放な振る舞いに、王太子は次第に惹かれていった。

そして王太子は、その男爵令嬢を王妃にすると決めた。

周囲は当然、猛反対した。

しかし、王太子は、建国祭の場で、他国からの来賓がいる中『彼女の腹には、王家の血を引く子がいるかもしれない』と言い切った。


その言葉を公の場で口にされてしまえば、周囲もそれ以上、反対することはできなかった。

結局、その時は妊娠はしていなかったが、婚約は必須となった。



しかし、元々は平民だった少女に、国政は無理な話だった。

そこで王家は、元婚約者である公爵令嬢に、国政を担う側妃になってほしい、と頼み込んだ。


理不尽な要求に、まだ十代だった公爵令嬢は、怒り狂ってもおかしくなかった。

けれど、彼女はそうしなかった。


感情に流されることなく、冷静に国の未来を考えた。

王家が揺らげば、国が揺らぐ。そうなれば、この国に住む民はどうなるか…。


彼女は、二つの条件を提示した。

一つ目は、次代の王妃を必ず、この公爵家から出すこと。

そして二つ目は、側妃にも王家の子を産む機会を与えること。もし子が生まれた場合には、王妃と側妃、双方の子の中から、より優秀な者を王太子とすること。


王家は、その条件を受け入れた。

こうして彼女は、王妃ではなく、側妃となることを承諾した。



…現在に至るまで、王妃が国政に手を付けたことは無い。

王妃の手柄とされている政策はすべて、側妃様の手掛けたものばかりだ。


さらに言うなら、下位貴族の話に耳を傾けているというが、王妃は、高位貴族から相手にされていなかった。

だからこそ、彼女が交流を持てたのは、必然的に下位貴族たちだったのだ。




「うっ、嘘だ…。母上がそんな…」


この話を聞いて、最初に反応したのはカメロだった。

自分の母が、実は何の役割も果たしていない「お飾りの王妃」だったなど、信じたくはないだろう。


「真実ですわ…。逆に、下位貴族の方々とお茶会ばかりして、夜会すらまともに開いたことのない方が、どうして王妃としての役割を果たしていると思えたのですか?」


私が疑問を口にすると、隣にいたアメリアが呆れたようにため息をついた。

そして、ぼそりと一言。


「…そりゃ、馬鹿だからでしょ」


…なるほど、同意。

おっと、私の表情で、馬鹿にされていると気が付いたようだ。

カメロは顔を真っ赤にすると、唾を飛ばさんばかりの勢いで、大声を張り上げる。


「ふんっ!だとしてもだ!母上は、お前と俺の婚約は確実だと言っていた。どうせ、お前が俺のことを好きで、俺と結婚したいと言い張っているのだろう…?」

「…え、さっきの話のどこに、そんな要素あった…?」


アメリアが、またもやぼそりと呟いた。

…うん、同意。

なんだか、もう面倒になってきた。

こうなったら、完膚なきまでに打ちのめして、二度と関わらないようにしよう。


「いえ。私がカメロ様を好きになったことなど、一度もございません」


きっぱりと言い切る。

そして、あえて一拍置いてから、本当に不思議で仕方がないという表情を浮かべ、ショコラ嬢へ視線を向ける。


「むしろ…カメロ様のどこに、好きになれる要素がありますの?

ぜひ、教えていただけませんこと?」


その言葉に、カメロはさらに顔を真っ赤にした。しかし、何も言い返せない。

こんな時に言葉が出てこないとは、本当に、教養のない男だ。

ショコラ嬢も、なぜか顔を真っ赤にして、ぷるぷると震えている。


…それにしても、なぜ下位貴族の間では、王妃の評判があれほど高いのだろう?

私がそんな疑問を抱いていると、自称・カメロの側近である子爵令息が、突然声を荒らげた


「カメロ様っ!騙されてはいけません!王妃様は、きちんと王妃としての役割を果たされています!現に、我が子爵家が災害に見舞われた際には、王妃様が炊き出しや支援物資の手配をしてくださいました!」


すると、それに追従するように、カメロの取り巻きである子爵家や男爵家の令息たちも、口々に声を上げた。


「私も王妃様のお慈悲にあずかりました!」

「我が家もです!」

「お茶会で王妃様にお礼を申し上げると、いつも『当たり前のことをしただけです』と、謙虚におっしゃる」

「そうだ!そうだ!」


…なるほど。

私は、ようやく理解した。


側妃様が、国が混乱することを望まなかったことが、裏目に出たようだ。


側妃様は、特例として側妃様自身に国政を担う権限を与えるという案を望まなかった。

そういう特例を作ってしまえば、後世に不安が生じる。もし、色恋に溺れた国王が側妃の言いなりになり、国政まで委ねてしまったら…。側妃様は、国の未来まで考えていた。


けれど、それでは国を動かすことができない。

そこで、苦肉の策として考えられたのが、王妃の名のもとに施策を実行する方法だった。


実際に政策を立案し、手を動かしていたのは側妃様。

けれど、最終的に書類へ署名していたのは王妃だったのだ。

その結果、下位貴族たちの目には、王妃が自分たちを救ってくれたように映った。

そして、感謝されるうちに、王妃もまた、側妃様の功績を自分の手柄であるかのように振る舞うようになった。


そもそも、下位貴族が国政の中枢に関わる機会など、優秀でない限りほとんどない。

だからこそ、彼らは王妃を崇拝することになったのだ。


——しかし、優秀であれば、きっと真実に辿り着けたであろう。


私は目の前にいる者たちに、これ以上真実を教える必要はないと判断した。

最後にカメロへ視線を向けると、すっと背筋を伸ばした。

そして、優雅にカーテシーをする。


「カメロ様。お話が長くなってしまいましたが…。

婚約者候補からご辞退なさるとのこと、承知いたしました」

「え…?」


顔を上げ、にっこりと微笑むと、戸惑った表情のカメロと目が合った。


「それでは、失礼いたします」


私は、振り返ることもなく、カフェテリアを後にした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



王家から、招集がかかったのはカフェテリアでの出来事の翌日だった。

両親とともに謁見の間へ向かうと、そこには国王陛下をはじめ、王妃様、側妃様、そしてカメロ様と第二王子のライゼ様、四家ある公爵家の当主まで揃っていた。


側妃様と目が合うと、優しく微笑みかけてくださった。

側妃様は、私の父の妹——つまり、私にとって叔母にあたる方だ。

ふと見せる笑顔が父によく似ている。

その表情に、私も自然と微笑み返した。


そして、少しの静寂の後、国王陛下が、重々しく口を開いた。


「ジュリア嬢、よく来てくれた。

さて、此度の用件だが…昨日の学園でのことだ」


すると、カメロが慌てたように口を挟んだ。


「父上っ!違うのですっ!私は…」

「第一王子、国王陛下の話を遮るとは、何事ですか」

「…!」


間髪を容れず、側妃様がカメロを窘めた。

その声音は決して大きくなかった。

しかし、カメロは、側妃様の圧に何も言えなくなった。

すると、今度は王妃様が私に声をかけてきた。


「ジュリアさん、昨日のことは…単なる痴話喧嘩よね?」


王妃様は、仕方のない恋人同士の喧嘩だと言わんばかりに、穏やかな笑みを浮かべている。


「お互い、引くに引けなくなっただけでしょう?

ねえ、お願い。もうカメロを許してあげてくれないかしら?」

「…………」


私は思わず黙り込んだ。

この場にアメリアがいたら、きっとこう言っていただろう。

——「さすが、親子」。


昨日の、あの大勢の生徒がいる前での婚約破棄宣言を、「痴話喧嘩」の一言で片付けるつもりなのだ。

けれど、残念ながら息子さんは、勝手に喧嘩を吹っかけて、勝手に自滅をしていったんです。

私は、あえて困ったような表情を浮かべた。もちろん、カメロを助けるつもりなどない。

私は黙ったまま王妃様を見つめていた。


すると、今度こそ国王陛下が口を開いた。


「王妃よ。前々からカメロの王太子の資質を問う声が上がっておった。

残念だが、儂も此度の件で、もうカメロを庇うことはできぬ」

「そんなっ…!」


王妃様は、国王陛下に縋るようにして、なんとか思いとどまるよう訴えている。

しかし、国王陛下は、確固たる意志を宿した瞳で、まっすぐ前を見据えた。


「王太子は、第二王子のライゼに決めた」


その発言に、王妃は泣き崩れ、カメロは茫然としていた。

さらに、国王陛下は言葉を紡ぐ。


「ライゼの王太子決定の知らせと共に、ジュリア嬢との婚約も発表する。皆の者、よいな」


その言葉に、私たち臣下は深々と頭を下げた。

そして、王家の皆様が退席されると、私たちも謁見の間を後にした。


"ここまでお読みいただきありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
国王陛下、その確固たる意思は浮気する前に見せて欲しかった。 そうすればこんな事は起きなかったでしょうに。
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