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鋼鉄英雄譚  作者: Negi
裏社会編
16/16

放てRailgun(前編)

スーパー遅筆

<こちら本部、上羽。排出された敵機の50%の撃墜を確認。第一試作徹甲班からレールガン搭載車調整完了の報告あり。到着は30分後。送れ。>

<こちら琴葉、了解。なんとか20分で間に合わせてください、どうぞ。>

<颯真了解。一晴、一景三曹はドローンを徹甲班周辺の索敵・フォローに。送れ。>

「了解、終わり。」


あの子たちはあっという間に指揮が上手くなった。

だが、彼らは高校生だ。

いくら力があっても、果たして前線に立たせることは善いとは言えない。


自分も一人の父親だ。教導団での経験もある。

子供を戦わせるより、自分で機体に乗って戦いたい。


「──クソッ!」


それが出来ないからオレはここに居るんだ。

このドローンに積んだ豆鉄砲じゃ奴らをほんの数秒引き付けることしかできない。

でも……


「これが成功すれば、オレ達も戦えるな、一景。」

「…考えていたことは同じか、一晴。」


「絶対に守るぞ、オレ達の新しい剣を。」

「ああ。」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




「だぁ゛もう、キリねぇな!」

<やっぱり私も迎撃を…>

「いや、琴葉は避難所の防衛と重傷者の手当てを頼む。」


琴葉の能力の一つ、エスクラップでの治療は所謂「ヒール」だ。一般的な医療では助からない傷も、あいつなら治せる。


俺は「戦う」こと、「守る」ことは出来ても、「助ける」ことは出来ない。

通信を一旦切り、自らを鼓舞する。


「だが、それを選んだのは俺だ!後悔などしていない!」


俺はシングルタスク派だ、一度に一つのことしかできん。

最初に手を伸ばしたのが、手が届いたのが刀なら、俺はそれを握ってやる!


ズバシャッ!


切り裂いたチェルノボーグから吹き出したオイルが半身にかかる。


本物の継続戦闘ともなると予想よりエネルギー消費が激しい。空中戦が主体だからだろうか?

朝ご飯もそこまでしっかり食べていない。

戦闘継続可能時間はあと10時間ってとこだろうか。


<こちら上羽。第一試作徹甲班の迎撃ポイント到着を確認。送れ。>

「想定よりも早い!颯真了解、攻撃開始タイミングを譲渡します、送れ!」

<一晴了解、射線から退避頼む。>




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




<本部より徹甲班、送れ。>

「こちら本部一晴、目標、敵母艦。発射タイミングを指示する。どうぞ。」

<こちら徹甲班、一番(ひとばん)車から十番(ひとまるばん)車装填完了、どうぞ。>

「こちら本部、了解。…()ーーーーッ!」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




顔にかかったオイルを拭き取る。

斜め後方で閃光、轟音。


最新レールガン「ガウルサール」ね…アニメじゃレールガンなんて電子音でスパスパ撃ってたけど、実際はソニックブームと放電音でまるで落雷だな。


バリバリッ!ドドッ!


ステルス機に命中、周辺についてた数機のチェルノボーグもまとめて爆発した。


「これはすごい!大成功だ!こちら颯真、全弾命中を確認!どうぞぉ!」

<本部了解、次弾装填開始。>

「これなら押し返せる…」


…何だ?


「うわっ!」

<颯真!?大丈夫!?>


バギボゴッ!ギギギギギ…!


突如、海岸が()()()()爆ぜた。


巨大な土煙と水柱が上がる。

<こちら琴葉。颯真、なにかあった!?大丈夫!?この振動って地震?爆発?>

「あー…これは…どーすんだ…?」


そこから現れたのは…


「右腕の借リ、返してもらうぞ!!」

「デカすぎるだろ加減しやがれコンチクショウ!!!」


直径100mはあろうかという巨大な機械のデスワーム。

その口の部分にはアジダが上半身を突き出していた。

対チェルノボーグ用特殊兵装「ガウルサール」

チェルノボーグの装甲を貫通することを目的とした最新型レールガン。

着弾時の超高速・高エネルギーは対象装甲・弾丸を共にプラズマ化させ、敵機を破壊・爆破する。

特筆すべきはそのサイズ。砲塔と弾頭を積んだ超大型戦車と数台のコンデンサトラックでどこにでも持ち運べるのである。

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