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とことんシリアスな展開を目指します。
私、性格上シリアスな、というより、殺しが苦手なのですが、がんばります。
というわけで、今回からが序章です。
あとがきには、その話で登場した用語の解説を書く予定ですので。
頭上には、蒼い月が昇っている。
目の前には、不気味なほどに清々しい笑顔を振りまく少女がいた。
年にして6,7歳。
その右手には、剣らしき形状をした物が握られており、剣の周囲を、否、少女の体、服、剣、とにかく少女の周りが、紅蓮の炎に包まれていた。
「どうしたの?もうおしまいなの?」
「……」
言葉を発することは不可能。
もはや言葉を口にする気力すらない。
ましてや、体は言うことを聞かない。
私の体は、壊れたブリキのおもちゃみたいに動かず、骨は割れた皿みたいに粉々で、血は体中から、ダラダラと大量に流れ出ていて、私を中心に、血が広がっていた。
「そんな顔しないでよ。私、おじさんのこと、本当に大好きだったんだから♪」
「……」
こんな6,7歳の女の子に、あんな剣を片手で持つ力などどこに存在しえようか?
何より、何故最後まで生き延びることが出来た?
他の参加者は、ほとんど命を落としたというのに、何故この少女は生き延びている?
相手が油断したから? ―――違う。
相手が手加減したから? ―――違う。
相手が弱かったから? ―――違う。
少女が強すぎたから? ―――正解。
この少女は、強すぎる。
私には、敵う筈がない。
私の能力は、『創造』だ。
少女の攻撃を防ぐ盾を、いくらでも創り出せるだろう。
しかし、目の前で笑う少女は、私の創り出した盾を、ありえないくらいの馬鹿力で、いとも簡単に
壊してしまう。
私は、最後の力を振り絞り、彼女の姿を見つめる。
そして、考えた。
―――そうか。強さの秘訣は、あの剣だったんだな。
「今頃気づいたんだね?でも、もう遅いよ♪」
確かに、そうだな。
私は多分、次の一撃で、死ぬ。
心臓を貫かれ、体を炎で焼き尽くされて、骨も残らないだろう。
無邪気な笑みを浮かべる少女により繰り出される、混じりけのない紅蓮の炎によって。
「それじゃあね、おじさん。この九日間、おじさんと一緒に暮らせて、本当に楽しかったよ」
瞬間。
私の意識は、いとも簡単に途切れた。
「用語解説」
参加者
この戦いにおける参加者達を指す。
全員が、何らかの「異能の力」を持っているので、こう呼ばれている。
創造
「私」が持つ能力のこと。
盾とか剣とか、思い描いた物を実体化させる能力。
ランクで言えば、B。
ただし、持続時間は、短い。
剣
少女の持つ武器。
どうやらこれが、少女の持つ道具らしい。
道具
参加者(能力者)の力を最大限まで引き出す物を指す。
その形状は人それぞれで、この話では、少女の持つ剣がそれだ。
道具に関しては、後世まで残すことも可能。
以上です。
次回は第1話。
どうか次回も読んでみてくださいね。




