17話
弥生からもらったカギで中に入ると裕太は早速行動を開始した。リュックに入っているのはドライバーにトンカチ。
人が来る前に——止められる前にしなければならない。時間との勝負だ。裕太は作業を開始した。
工具を使うのは小学校の図工の授業以来だ。慣れない手つきでケガをしないよう慎重に作業を進める。
「おい、裕太! 」
作業を着々と進める裕太は手を止めることなくその声を聞き流す。
「これって、どういうことだよ! そんなことして意味あるのか。ていうかただじゃ済まないだろ! 」
「うるさいなお前は、口だけで自分ではなにも行動しない。昔っからだ。心のどこかで直接自分は手を下してないから許されるとでも思ってるんだろどうせ。黙って見てろ」
兼也は何も言わないままに裕太の作業をしばらく見守った。
「……俺も、やるよ。どういう意図があるか知らねえけど俺もお前と同罪だ。借りるぞこれ」
「あっちょ……」
余ったドライバーを裕太の返事を待たずに手にした兼也は裕太の作業を黙々と手伝い始めた。
そこには会話はなくただ順調に作戦は進んでいった。
「よし、とりあえずドライバーでできるのはこれくらいだろ」
「あとは、トンカチでやるしかないか……いよいよシャレになんないな」
「嫌なら帰れよ。まだ間に合うぜ」
「ここまで来たらとことんやるさ」
二人はトンカチを振り下ろし最後の作業に入った。




