双子イン魔国5
勇者今回不在、と言いますか、立ち直れず、その場にいることにはいるのですが、灰と化しています。
盗「トアル王ー? それ以上せまったら勇者が恥ずかしすぎて死にます。ほどほどに」
ト「ちっ」
魔「舌打ちしてんじゃねぇよ!! てか、教育上よろしくないからやめろ!!」
葵「?」
碧「葵ちゃんは知らなくていいんだよ……」
葵「何よ? あんたは何か知ってるの?」
碧「……」明後日の視線
葵「もうっ、なんなのよ!!」
盗「嬢ちゃんは知らなくてよろしい」
葵「碧だって似たようなもんじゃない!」
碧「……」彷徨う視線
魔「とーもーかーく!! 話元に戻すぞ?」
ト「何か話してたの?」
盗「話そうとここに来たんですけどぉ、魔王がガンつけちゃって……」
魔「誰がガンつけたんだ? あ?」
葵「ひうっ」
盗「あー、はいはい。だいじょぶよ~。魔王、それよそれ」
魔「っ……」
碧「ここ何処?」
魔「(ほっ)……魔国の魔王城執務室だ」
碧「魔国? そこどこ?」
魔「どこっつったってなぁ……」
ト「君たちどこから来たの?」
葵「えっと、○県××市△△ □-□-■■!」
ナ『個人情報のため伏字にしております』
葵「幽霊!!」
盗「落ち着いて。ただのアナウンス的なやつだから」
葵「???」
盗「害はないからオケオケ」
ナ『酷いんですよその子! 私のこと幽霊だとk』ぶつっ
魔「あー、国は?」
碧「日本」
魔「……それってリアルの奴じゃね!?」
ト「え、それって、よくあるトリップもの? この話、いつからトリップものになったの?」
盗「どれがトリップものですか。勝手なこと言わないでくださいな」
碧「どういうこと?」
盗「君たちのとこでいう、そうだな、ゲームの世界に入っちゃいました★ みたいな?」
碧「はぁ!?」
葵「え、じゃぁ、おうち帰れないの……?」
碧「いや、その前にそんなこと現実でありえるわけ……!!」
葵「おうち、帰れない……」
碧「あ、葵ちゃん!?」
葵「おう、ち、かえれ……ひっく」
碧「あ、葵ちゃん、泣かないで!?」
葵「かえ、っく、ん、あーーーーーーん!!」
碧「あ、葵ちゃん! そんなことありえないよ! だってあれファンタジーだよ!?」
魔「だが、リアルに起きてるもんは起きてんだよ」
碧「適当なこと言ってるな!! 葵ちゃんのことこんなに怖がらせて! 許さねえぞ!!」
ト「吠えるだけなら誰でもできるよ? でも、君は子供で、僕たちは力ある大人だよ?」
碧「……」
盗「眼だけは結構」
葵「おね、さん……」
魔「あ、そだ。お前の謎属性ならなんとかいけんじゃねぇの? 家帰してやれよ」
盗「できないことはないと思うけど……理由がわからないままテキトーに送り返すと後後めんどくさいからな……」
ト「じゃぁ、調べて来てよろしく~」
盗「はいはい」
葵「お姉さんどっか行っちゃうの……?」
盗「帰り道探してくるよ。ちょっと待っててね」よしよし
葵「あたしも行く!」
碧「ダメだよ!!」
葵「あんたは黙ってなさいよ!!」
碧「え、あぅ……」
盗「弟君の言うとおりだよ? ここにいてね。一日あれば何とか帰ってこれると思うから……」
葵「一日!? 今日には帰れないの!?」
碧「お母さんたちが心配する……」
盗「んー、おっけ。じゃぁ、頑張るから、後二時間……いや、一時間待っててくれる?」
魔「極端に短くなってね!?」
ト「あれが盗賊の本気の本気だよぉ~」
魔「……」
葵「早く帰ってきてね?」
盗「素敵なレディのためなら喜んで」
魔「……せっそーなしー」
盗「誰がだ誰が」
ト「たらし~」
盗「否定はしませんが」
魔「サイテーロリコーン」
盗「下は十六くらいからじゃないとな。さすがにこんな子に手は出さないぞ?」
ト「君の歳だったら十六もどうかと思うんだけど……」
盗「ま、ともかく、行ってきま~す」
葵「いって、らっしゃい……」
盗「うん。頑張るね★」
……いつまで続くんだろう、この双子編……あれ? 予定では一、二話だったはずなのに……