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カラーコート  作者: 真紗
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試合×初手=成長は努力と共に

~side晴翔~

主審のジャンプボールのコールが鳴る。うちは琉惺君、そして相手は当然開成君だ。琉惺君も四年生としてはデカく、150cmを超えているが、開成君は160cmをゆうに超える。身長差は歴然だ。ジャンプボールが始まる前に、琉惺君に美桜が何かを言っていたが、聞き取れなかった。そして主審からボールが投げられた。

高く上がったボールに二人は思いっきりジャンプする。琉惺君も必死に飛ぶが、さすがに10cm近くある身長差は埋められなかった。大町のコートにボールが落ちていく。すかさず蓮君がボールを拾う。

それを見たもっ君が「構えて!」と声を出す。それを聞き、僕たちはすぐに守備体形になる。琉惺君は己斐の時と同じように、その場に留まる。が、今度は僕の方をラインを塞ぐような形で立っている。

それを見て蓮君は、亮君の方へアタックを打った。しっかりと踏み込んだアタックが打ち込まれるが、亮君を舐めてもらっては困る。健太にアウトにされまくったあの日から、亮君は琉惺君や、D1の選手たちのアタックをひたすらキャッチしていたのだ。生半可なアタックでアウトにすることは無理だ。僕の見た目通り、蓮君のアタックを亮君はしっかりとキャッチする。「ナイスキャッチ!」とみんなで声をかける。

亮君がキャッチしたのを確認して、即座に健太が動き出す。「亮君、こっちだ!」とよく通る声で呼びかける。亮君はそれを見て健太の方に助走をして、

アタックを打った。


~side琉惺~

クソッ!また取られた。何をしているんだ俺は!俺は心の中で悪態をつく。俺だってそれなりの身長がある方だ。なのにどうだ。二試合とも相手ボールにされてしまっている。開成は半分しょうがない部分もある。10cm以上身長差もあるし、何より身体能力に、悔しいが明確に差がある。しかし龍太郎に関しては、俺のジャンプミスが原因だ。

自分自身にイライラしてしまうが、今は試合中だ。俺は試合前、美桜に言われたことを実行する。「おそらく開成君にジャンプボールでは勝てないと思う」。気を悪くしないでね、と付け足しつつさらに続ける。「そうしたら、私たちのほう、ひいては晴翔には絶対にアタックが打てないように立って欲しいんだけど、できる?」。そう言われて、できないなんて言えるはずがない。俺は静かに頷いた。

そしてジャンプボールは言わずもがな、が、すぐに晴翔側を塞ぐ。蓮はそれを見てすぐに亮太に向かってアタックを打った。ジャンプボールを拾ってすぐの高速アタックだったが、亮太も俺やハヤトさんたちのボールをひたすらキャッチしているのだ。生半可なアタックではアウトにできないぞ。そう思っていると、亮太はしっかりとキャッチしてみせた。それを見て俺は即座に自分の攻撃時の配置につく。ナイスキャッチ!と声をしっかりと掛けていると、すぐに亮太は健太の方に走り込んで、なんとアタックを打ったのだ。俺は想定外の事態に固まってしまった。


~side美桜~

さすがにこれは予想できないはず。そんな風に私は考えて、亮太君とりんちゃんにあるお願いをしていた。それは、(ジャンプボール後にアタックが来てキャッチできたら、アタックを打って)とお願いしていた。結果的に亮太君にボールが向かい、しっかりとキャッチした。(ここ!)。私は「ナイスキャッチ!」と亮太君に目配せする。(大丈夫、怒られたら私が勝手に指示したと名乗り出れば良いだけだ)。そんなことで絶対に怒ることはない人たちだと分かっている。私は信じて頷く。

亮太君は思い切り走り込んで、健太の方に向かってアタックを打ち込んだ。結果は大町の選手に当たり、アウトだ。さらに外に向かってボールが転がっていく。(このままボールデッドで、またうちの攻撃だ!)。

そんな風に思っていた。

私は見誤った。

先ほどまで内野の後ろでカットをしていたはずの彼が、既にそこにはいた。


~side木村コーチ~

(ヨシッ!亮太、ナイスキャッチ!)。私は心の中でガッツポーズをする。息子に向かっていった単発のアタック。早い展開で打たれたアタックに少し肝を冷やしたが、亮太はしっかりとキャッチする。

健太君にアウトにされまくったあの日、亮太は初めて家で悔しくて泣いていた。練習後に泣いたのは初めてだったので、私は内心驚いたが、それ以上に彼の成長が嬉しかった。そこから、また一緒に挑戦する日々が始まった。学校に行くまでのわずかな時間ではあるが、彼のキャッチ練習に付き合う。練習でもハヤトや琉惺に自分から頼んで、必死にキャッチを磨いていた。親バカと言われるかもしれないが、ここ最近で一番うちのチームで努力をしたのは間違いなく息子だ。そう言えるほど、彼は練習していた。だからこそ、先ほどのキャッチはとても嬉しかった。

取った息子も誇らしげだが、ちらりと美桜さんを見た後、こちらもちらりと見る。(ん?)。私は小さな違和感を感じたが、既に亮太は助走をして健太君の方に向かっていた。(良い助走だ)。私は感心しつつ見ていた。が、その先は想像していなかった。まさかのアタック。そしてアウトを取った息子が「シャア!」と手を挙げていた。私は我慢できずに「ヨッシ!」と声を出してガッツポーズをしていた。

投稿が遅くなりすいません、皆様熱中症にまだまだお気をつけ下さい。(無理をした結果地獄みました、、、)文字の乱れはご容赦ください。

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