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知識が並行すること

「そこで、わたくしたちが多分『マギアの知識の秘密』を触れていないと言う根拠があるんだ」


「レグノの旦那」


「最近『大魔術』をやったから、たぶんギルドは知識の漏洩のことを気にしてると思う。でもルビーと私たちは大丈夫」


「なんで?」


「私たちの今の目的は別に魔術理論を掘って私たちのチカラにするためにルビーを潜入させたとか……そういうのではないから。ルビーはただ火のエーテル属性を持つ人間としてマギアになっただけだ。そして、その中私たちが『理論化』をきっちりしたい方は、『オートマトンのエーテルの扱い』だ。人間のものではなくてね」


「ふうん、だから魔術ギルドの『人の非凡使いの秘密』とは共存できるものだというわけ」


「そう。実際そういうのがあるのではないが、違う属性のエーテルが被って、互いにそんなに相互作用できないのと似たようにな。『人間のマギアの知識』というのと、私たちの『オートマトンのエーテルの知識』は並行してる。別に私たちがその『写の記憶』のまとめの為に魔術理論を知る必要もなくて、ルビーを通してオートマトンの体と心のエーテルの仕組みが魔術理論に混ざるわけでもない。参考はできるけど、決定的ではない。

もともと人の肉体と心を持つマギアの観点で、機械人形の体の仕組みとかわからなくて、必要もないものだからだ」


「違う存在は生きる世界も違うということね」


「そう」


「なら魔術ギルドの『秘密』が他の『人間の』非凡使いの組織が作られるのを牽制することだとして……ウチらが築きたい『錬金術学会』の技術ってのは、結局人の『平凡の知識』だから被らないということなんだね」


「人の平凡の知識で、それを繋げるきっかけというのは、オートマトンの心のエーテルのようなことだから。どっちもマギアとは違うんだ。マギアは普通の人の、非凡の術だから」


「あ、そうだった。あとでアルミナのコアが来てからまとめて言おうとしたけど、そこで私の火のマギアとしての活動のために知りたいと言ったのも繋がるんだ」


「2年くらいの内に解決できるといいと言ったな」


「どういうことなの?」


「私、考えたんだ。アルベルト・レグノの感覚で火のマギアとして生きたらもし戦場に行ってもぜんぜん余裕だと思ったけど、自分がそのような平凡のものの探知能力がないのをわかってなかったんだ」


「確かにレグノの旦那はウチの小さなエーテルの変動もわかるようになんか見る目?が凄いね」


「そういうこと。私、てっきり思ったのが『まあ、飛んでくる矢とかは燃やしたら楽勝じゃないの』くらいだったけど、そういうのはアルベルト・レグノならできる。『普通の人として』対応ができないのが問題で、今のオートマトンの体なら強化してもいいし、矢を手で持つのもできるのだ」


「ふつうは人として死んでもな」


流石にそういうのを見られると普通には生きていけないのだ。


「でも、人の火のマギアとしてのルビーちゃんはもちろん、オートマトンとしての私もそのような高速で飛んでくる平凡のものを見て対応できるような視力も聴力も瞬間的も筋力も持ってないのを知ってな」


「それは同じだと言ったんじゃないの?同じスペアを使ってるから、しかもルビーちゃんの方は火のエーテルを扱う間自分自身をケガさせないために処置ができてると」


「それはただしい。ただ火のマギアとしての強化だね。私はアルベルト・レグノのような感覚を持ってなくて、もし大砲が飛んできてそこに小隊が全滅したあとオートマトンの私だけが残っていたりすると、そこはもうマギアが介入した普通の戦場ではなくて、急にからくりの化け物が現れた状況になるから」


「そこは……たしかに目撃者がぜんぶいなくならない以上、逃れないね」


「しかもそこからは多分『ディミティスで読める範囲』に入るのね。目撃情報がなくても逆に探索ができちゃうよ。つまり、ルビーちゃんがもし人としてなくならなかった場合、みんなが危ないの」


「あちゃー自分もちょっと思ったけど、先代のような(こころざし)は自信ないのか」


「そう。エーテルの属性はその個人の性格にも影響を与える。火属性のまま素直に魔術ギルドの一員にもなれて、火属性のままだからこそ、そこで『自分の命が惜しくなる』可能性もあったんだ。考えてなかった」


「なるほど」


サファイアはちょっと天井を見た。


「だからルビーと耐熱性や金属のパーツが近いアルミナに要請して、私のような経験則で集まる方法ではない、オートマトンとして似たような探知能力を保つことができるのだろうかと、『写の記憶のまとめ』と共に依頼したいと思って記載してたのだ」


「そういうのできるんだ。でもそんなにリアルタイムではないんだね」


「そう。1人で使って生きてた、それ自体が先代の意識だった今までとは違って、ただみんながずっと読める本があるという感じかな。自分もなんかそんな気がしてたんだ。自分は非凡使いとしてのお仕事は合わないと」


「アルミはなんか返事あったの」


「読んでるし、同意してたけど別に具体的な提案とかはない」

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