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仮入学

「実は、この子は火の魔力を持って生まれたけど、その扱いには詳しくなくて」


「まあ、大体のマギアはそうですね」


「わたくしがほんと最近のギルドの工事に参加したんです。それをきっかけに魔術ギルドのことを意識して、ギルドに入りたいと思うようになったのです」


ルビーが「うん!嘘一つもないな!」という視線をこっちに向けた。


「そうだったんですね。

なるほど、『大魔術』に参加してたと言うのなら、ルビーくんがギルドのことに詳しいのが納得ができる。レグノさんはエーテルは見えるのですね」


「はい、だから土の堂に雇われてましたね」


「ふむ、でも四属性はありませんと。

マギアはそのエーテルの素質と属性まで家系で同じ場合もあり、属性がばらばらの場合もあります。

もしくは、全然マギアと関係がない家から優れた非凡使いが生まれることも、逆にマギアの家系でエーテルを見て聞く事ができない普通の人が生まれることも多いです」


「そうなんですね」


ちなみになんか超強い個人が亡くなると、その次の代がまた強い子供が生まれる傾向がある。きっと平凡の人間の社会に、森の栄養サイクルのようななんらかの仕組みがあるのだと思われる。


「だからレグノさんのエーテルを見て聞くチカラと、自然に魔術ギルドとのお仕事もあったものの関係性が、ご家族であるルビーくんの素質を催したかもしれないです。

彼女のエーテルは一人前としては強くないけど、その純度がよくて、まるで魔法棒に使える宝石のルビーそのもののようですね」


「あら!!!」


それは本当にコアがルビーそのものでできてるからだな。


「仮入学をすると、まだ正式の行事はなってないところだけど、服装を事前に備えたり、本を買って予習することができます。

そして、生徒として成り立ちながらエーテルをそれぞれのマギアの魔力リソースに供与できるようになってからは、その分見返りが出るので家の負担がなくなるのです」


「そうですか」


いったんその前の段階で、「コツだけを教わって止める」ことを牽制してカバーするために、初期はお金の負担がやや大きい。でも言うと「自分で稼げる」ようになるのが早いから、国際的に「なら、マギアとしての子供は面妖で険しいものではなくて、いい子なのだな」になってるのだ。

非凡使いは社会からヤバい奴らの扱いをされなくて、ここは理解されてる……火属性を例を言うと「赤いエーテルが湧き出して一回ぐるっと回って着火!」みたいな全然理解されなかった言葉が通じる人ばかりだし、お仕事もできる。それは居場所になるわけだ。


「レグノさんはその必要はないと思いますが、貧乏な家庭の場合は自分が稼げるようになるまでの分を後で埋める事ができる制度もあります」


「なるほど。そこがちょっと疑問でした」


なら「その初期のカネもない場合は」どうなるのかちょっとわからなかったけど、そこは生徒個人が借りてその分の利子を含めて後で埋めるんだな。


「そして優れた生徒にいい待遇をする『特例』というものもあったりします。もし周りの支援がなくてもこれになって勉強して一人前になった生徒もいるのです」


「へえ」


「私はフィレンツェにうちがあるから寮は別にいいかも知れないです!ちょっと遠かったら別だけど」


「なるほど。そうだね、寮は別に魔術ギルドが大きい物件を持ってるわけではなくて、ギルドが買ってる/借りてる家に住んでもらうよ。そこの生活のためのギルド員に上げる物品などがまた、学費に含まれる事だね」


「そうですね!」


「だからいちばん近い家だけを手配してるわけではないから、自分で選択も難しい寮よりは、市内に実家があったら普通は家から(かよ)った方がいい」


「なるほど」


「それでは最終確認ですが、ルビーくんを魔術ギルドに、火のマギアとして入学させることでいいですね?

まだ仮の入学で、正式に検討して魔力を登録したり物品を買えたりするのは次の過程です」


「はい、いいです」


「やった」


「わかりました。なら書類を準備しますのでちょっと待ってください。

レグノさんは知ってると思いますが、その証書で行けるのはここだけですので、部屋を出るのは控えめにしてください」


「はい」


そして教授さんは席を外した。ルビーが小さい声で呟く。


「初対面から『この化け物め!!!』と焼かれるとかはなかったね、アルベルト・レグノ」


「怖い話をしない」


「判断が合ってると思うよ。聖堂の権威というフィルターをいったん通るから、その中に入ったものはいったん白だと看做す。もしもの事があってもその後で対応する事が安いと、ラファエル・ムジカギルド長はわかったんだね」


「まあ、そうではなかったらもともと最近の『大魔術』も随分違うものになったはずだ。

マギアだけじゃなくて聖堂騎士団の手を借りると、どれだけ美味しい怪獣なのかに興味がある他の非凡組織も関わったかも知れない事だし。

そのようになってない、静かに終わったのはこのように開放的になってたギルドの構造のおかげだろう」


「いいじゃん」

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