自分の体を攻撃しちゃうわざ
「金属が主になると、いったんウチの軽い感覚でも……そうですね。木材よりは熱に強い方だという気がしますもの」
「そう。それが大事なのだ。
もちろん技術者として平凡のものをちゃんと考えると『いやいや、鉄の強度がめちゃくちゃ落ちる』とか、『鍛冶屋とかでも普通に金属を加工するために炎を使うのだけど』とかの突っ込みどころができるのがどうぜんだ。それがプロであり、私もそう考えれるけど、でも同時に非凡のものとしては『大砲も鉄でできてるし、別にいいんじゃないか……』という気はするのも事実なのだ」
「それはウチもそう感じます。『まあその鉄砲も使い過ぎると金属の疲労が来ちゃいますけれども』と思っちゃうのと同時に、『でも木製よりはましだな』と感じるから」
私は彼女の言葉に頷きながら、本格的に金属のエーテルの扱って、持ってる素材を握った。普通に人の子のふりをしてる間は重くて手に持つことすらできないし、今やってるように勝手にくっつけて切り替えることもできない。
「そうそう。だからそのように『自分のチカラをよく発揮できるように』合わせる努力が必要だと思っている。最近ずっと言ったけど……オートマトンはいったん起動したあとは、自分が自由に改造すればいいけど、いったん起こす前の人として今の製作者のわたくしの義務なのだ」
リソくんはなんかを考えるように顎に手を当てた。
「義務ですか」
「義理、だとも言えるな。
いったん作りだしたらそのあとは自動人形はそれぞれのバージョンと機能の差、結んでいる関係性によっての地位はできるけど、それ以外は基本同等のものだ。
別に親子ではなくて、人みたいに髪色とか肌色とかを継承するものではないのだ。
体だってそう。材料があると直るし、自分をいくらでも作っても問題ない……心すらも改造してよし。互い同等の関係だ。でも、その前は責任をもって原型を作ってくれないと」
「そうですね。それは確かに『なんでこう作ったのか』にならないためにも大事だ」
「何回も言ったね」
そう言い、胴体から金属の部品で大分切り替える。
「その、火の属性を扱うルビーちゃんが目覚めたとしましょう。
この子は普段のエーテルの血行は関係ないとしても、わざを出す時に問題になるかもしれない、というのはどんな感じです?」
「機械の技ということだな。自分が把握している機能に、望む技を出して怪力乱神として誠に遺憾なしに奇跡のような怪力が出せる。人が作ってる道具や見た事もない有用性がある機材を作り出して活用することができる。ただ、自分の能力と属性、部品の状態と大きさ・重さに合うという条件では」
「ふむ」
「その部分はちゃんと平凡の技術者のようは素質が必要だ。わたくしがただ人の間生きながら平凡の社会に混ざりこんだのは白神女と神獣さんに教わった『カサネ』を実行するのが一の目的ではあったけど、それ自体が機械人形として生きるに有利だから。
そのような心得がちゃんとできてない時に自分の体の仕組みをちゃんと理解せずに技を出そうとすると、最近何日工事現場でみんなが気にしてたような、事故が起きちゃうからな。注意しないとだ。
この子を例えると、自分の普段の出来事には問題ないとしてもいっぱい凄い熱いわざを出すあいだ、自分のちょっと残ってる木製の部分が燃えるとか、金属の部分が溶けちゃうとかも有り得るから」
「自分の機能を把握できてないまま何かを作ろうと、使うとするのは自分を壊すことになる」
「そう、その通り。そして基本的にそれは起こらないことではある」
「そうですか」
「機械の生存本能というのは『作る事、維持する事』が元になってる。私はいったんそう感じるので、他も同じであるはず……私は今までそんなに『暴れたガラクタの怪獣が出て騒ぎがあった』とかを聞いた事がないが……
私以外も、だいたいの人形はそんな自分なりの決めた機能と生き方に体を合わせながら潜んで生きてるのではないかと思っているのだ」
「レグノの旦那以外も人形はいっぱいいるのですか???
まあ、似たような事は聞いてるか」
「たぶん言ってるな。そして、もともと私を直接・間接的に作ったのは根を遡っていくと鋼系のライトさまという存在だ。同じ立場の他の機械人形ってほかもいっぱいいるはずだけど、私はほとんど会ってない。だから、知らないうちに人間のフリをして生きてるからだと思ってるんだ」
「それはちょっと怖いかも知れないですね」
リソくんは首を傾けて言った。
「そうなのかな」
「まあ、ウチはぜんぜん大丈夫で、旦那のことをどうぜんと感じてるから大丈夫だけど。むしろウチの方が異質でもあるけど。
普通の人間から見て、人間のふりをして円滑に生きてるけど、それが実は人形だった!!!ということになります」
私は頷いた。
「まあ、そうだな。だからあらためて、自動人形は人に正体がばれないように頑張って生きる。だから互いにそんなに会う事がない、ということだ」
「なるほど」
リソくんはちょっと納得したように言った。




