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スペア

「美味しかったです」


「うむ、いいリフレッシュになった」


私たちは食器を片付けて、一回作業台に戻ったが……


「まだぽい」


「そうだな」


……まだコアの定着は時間がかかると思えた。

それぞれのコアの上に宝石が乗ったまま、まだ完全に一体化してないように感じだからだ。


「いったん素体を準備しましょう。レグノの旦那のスペアだと言いますが、それの残機は十分ですか?」


「わたくし1人ではぜんぜん余る。でもそうだな。7倍になると自信がない感じだ」


「それは大変じゃないですか」


「それが、これからこの子たちが新しい代替(スペア)が必要になるのを考えると、この家の予備が少ないと言うことで、いったん今の作業は問題ない」


「まあ、それはそうだと思いました。さすがに今更『あ、やばい。予備が6体がないのだ』になったら間抜けすぎる」


「そうだな……」


いや、平凡の物事が慣れてることで、それは十分あり得るのだが。まだ把握してない理由で代替が故障することとかもあり得るし。

そこまで「全能」ではないのだ。


わたくしはもう始めておくか、と思って、先自分がコアを回復するために呼び出したスペアと同じものを、また6体引き出す。


「ウチもちょっと押してみたいな」


「これは私専用のロックがかかっているのだ。そして原理的に、これからは権限が7つに増えたな」


ポチっとな。


ガ……ガガガ……ドカン!

ツゥー…


「もしデュラの人たちが地下を探したらどうしますか」


「まあ、そんなことはないと思うが、起動してない代替は普通に人形だ(パテラ)ができているだけで、自分という認識がないから個人になってない。

ただ非凡のものとしての問題にはならないとしても普通に悪趣味で不気味だと言われるのは仕方ないから、それはアルベルト・レグノという身分を放棄することになるのだが」


「え〜〜」


「もう何回も似たようなことがあった」


わたくしは操作盤を動かして六つの自動人形の素体を固定装置から分離した。


カチャカチャカチャカチャ!


「うむ、殺人現場!」


「変なこと言わないでくれ」


それぞれの代替を仰向(あおむ)けにしたら、確かに私もこのように自分のスペアが並んでるのを見るのは、しかも1つずつ復活のためのストックとして使うのではなくて、改造及び起こす目的で一気に解放してるのを見ると感覚が変だった。

確かにこの光景は初めてだな。


「コアがそれぞれ『アルベルト・レグノの(うつし)の記憶に触れれると同時に、互い固有のもの』になるために時間がかかる(あいだ)の作業」


「うん、そうだな。これは結構かかるかも知れない」


流石に広い作業室でもそれぞれの6体を、6本の机に乗せて同時に改造することは全能であるわたくしもできない。同時に作業ができるのは一人だけだから。

だから、マルチタスクができなかった分、もっと自信がない方の「マギアの属性の方」からを触れることにした。


「それかルビーちゃんの体」


「もうちゃん付けなのか」


リソくんは「まあ、そうですわな」みたいな感じで肩をすくめた。


「それは、この子たちって、ウチより大きいかも知れないし……知識ももう多いだろうけど、そうだとしても、ウチが姉さんだからですね」


私はその言葉に頷く。


「うん、それはそうだ。その前の年を数えようとすると、その経験の実体は今のこのわたくしがいるから、『活用できる経験』ではあるけど、個人の経験としてはちょっと違うかもな。

えーと、改めて、アルベルト・レグノの後継機の『()』だ。わたくしは普通に火に弱い方だけど」


「そうですか?」


わたくしは自分の木材の手を見せて言った。


「まあ、鍛治も焚き火も、火を使って金と火を焼くことだから。ただそんな感じがあるのだ」


「ただそんな感じがあるだけじゃないですか。逆に普通の人の体よりぜんぜん炎への抵抗性も上げられるはずですが」


「『そんな感じがする』は大事なんだよ。そう個人の感覚に従って術が働いちゃうから」


「ふん、やはり秘術は勝手だ」


「そうだな……

まあ、ただそんな感覚がするということだけで、それから理論に入って五行の相生(そうじょう)相剋(そうこく)とかを話すと、話がややこしくなるけどな」


リソくんは五行のこととかはそんなに詳しくないけれど、簡単には言ったことがあるので、思いついたように言った。


「ふん、そうですか?

なら、それら『五行』などは人が見て簡単にまとめている観点だとことで、非凡のものから見ると違うということなんですね。

金属と草木の立場の観点は違うということですね」


「そうかも知れないな。

で、コアが火属性に親しいものになると、その問題はない。自分自身の体を攻撃しないし、同じ方向性を持つ限り、同じ自動人形の間も意図してない事故が起こらないと思うのだ」


「それはまた適当な話だ」


「非凡のわざは仕方ない。わたくしも本業ではこんな話をしない」


「はい」


「でも、自分がどんな出力でわざを出せるか。それが問題になって自分の体を壊すかも知れないというのだ。生きてるだけじゃ問題がないが、わざになるとわからない。

だから金属を主に補強する」

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