それでは色を掴む能力をまとめよう
「安心した~~~」
そう言いながら、リソくんは机の表面をめっちゃすりすりとした。冷たくないのか。というか、わたくしの機材は完璧に近いけど、そうしちゃうと危ないぞ。
「これ、他の器具にはそうしないことに。表面が整理してない場合はめちゃくちゃ危ないから」
「あ、それはそうだった。ごめんなさい」
「謝る事ではないけどな」
「嬉しかったんです。
えーと、そうですね。毒はなくなりました。今のでウチの能力はどんな感じですか?」
「そうだな。今の結果できみの『見えないエーテルを動かす能力』はその分同じく微弱に残っていて……ほぼ消えてるエーテルを触って、逆にそれが色を出すことができるように引っ張る、むちゃくちゃな能力を持っていることが証明された。なぜならその『奇怪巨木』は倒された以上、その影響力が残っているはずがないからだ」
「ほかの毒草も倒されて、毒液も効能が消えたと言いましたね」
「実際のところ、毒草たちがすぐに消えたわけではない。水の堂のガブリエル・ブリナが最後の一撃を与えたあとも、フラマたちが毒草を焼いたのだ」
「そういうのを旦那はどうやってわかるのですか」
「性能がいいからちょっとわかるのだ」
そして、同じ木属性のものたちだから、そのエーテルが感じられることもある。私は隠して生きているけどね。
「なるほどそうか」
「そのように今の世界にまだ残っている毒草がいるとしたら、それらはちょっとは行動ができるかもしれない。でも、その生命力はずっと続くものではない場合が多いのだ。それぞれの非凡のものがそれから『自分は必ず生き残ってみせる』と頑張って日差しを貰って人の目を避けて生きるとしたら生き残る個体がいるかもしれないけど、それも非常に難しいことだし、もしかすると奇怪巨木の存在がなくなった時点でそれぞれが持っている草木のエーテルが切れたらすぐ動けなくなるかもしれない」
「それはわからないですか」
「感じるだけで他の非凡のものの能力の仕組みがわかったら、そんな便利なものだったらわたくしたちがこのように実験をする理由もなかろう」
「それはそうか」
「そして、毒草が精製されて生成されたその悪趣味の名前の非凡の毒液。それは確実に毒草それぞれの生命力でも、それを作り出した人の子の黒魔術師の能力でもなく、奇怪巨木のチカラでその毒性が維持されていたものなので、今までのように紫色を残していたはずがない。それは水の堂が確認をしてた」
「ふむそうですか。結局、どっちの場合でもウチが『もう捕まった毒草から搾りだして』『それも、毒殺に使ってしまい木材にだけちょっと残響が残ったのを』」
「そう。もう『ディミティス』も難しいであろう」
「『エーテルの紫色まで生き返して』『それが奇怪巨木が倒された今も色を残してた』
これはウチの能力によるエーテルになっている、と言ってもいいですよね。理解しました」
「そうそう。だからこの宝石にその能力が発揮できると、私たちは凄いコアが作れるということだ」
「凄いコアって……わーお」
そう言いながら、リソくんはわたくしが懐から引き出す袋を見て、その中の宝石に素直に嘆声を上げた。
「綺麗だろう。これがわたくしの周りの人たちには『わたくしの家族であるきみの資産』として思われている……」
リソくんがその言葉を切った。
「いやいやいやいや急になにを言い出しているのですか」
「そう勝手に思われているだけだ。なんか話がそうなった」
「ええ……
わかりました。ちょっとそれは考えます。
えーと、話を切ってごめんなさい。ギルドが準備してくれた、本当に魔力素材として『使われた』宝石なんですね」
「そう。私は仕組みを知ってるけど、これらをすぐギルドのものの堂の魔力と繋がってるように使う事は禁じられている。そのような装置がもうできていて、これはもともとワンドやグローブやそれに等しい魔道具に使う事ができなくなった、ただ価値ある平凡の宝石だ」
「本当に魔術ギルドの経済感覚も狂ってますね……」
「それを、『どうせ魔術師の宝物って気持ち悪いでしょう』と頑張って避けてるように見えて、ここでポイントは本当に魔力素材として、使えるものとして処置をした宝石は本当にやばいものになるということだ。だからこれは『そのやばさ』を消した安全になったものだとも言えるね」
「優しい」
確かに土の堂の仕事はいいものだ。
「でも、リソくんの能力がある以上、『そのなくなったギルドの魔力』を、しかも『リソくんの能力による非凡のチカラ』として扱うことができるということで……これで理論上、『後継機』はいちばんのプラン通り、6人まで作れるだろう。金木に四属性」
「なるほど」
「そして、さっそく次の段階を見よう、とも言いたいところだが、もう夜が遅くなっていて、これからの作業は逆に2人とも集中力と体力が要るものだ。しばらくは仕事もカットして胴体を完成するまでは休みたいと思うので、いったん休もう」
「わかりました。正直眠くなってました。安心して緊張が解けました」
「そうだろうな」




