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毒の雨の古代魔術としての説明

「でもその点、『協力も出来る』というのは『同じ属性のマギアが集まる作戦』と反対で、意味が相反(あいはん)するんじゃないですか」


わたしの残ってる疑問に、彼女はそれもまた同然の言葉だという感じで答えた。


「どういう意味ですか?」


「それぞれの組で離れているマギアは、互い遠いから普通にスフィアが遠いのではないかと」


「まあ……だからこの場合の最善です。必要な時のことです。でも、その場合を考えている点が確かにありまして……組の中では同じ属性のスフィアを被らせてないので、『いま、戦場にみんなの水のエーテルが必要だ!』とかを言うと、その場合、それぞれの組のアクアのマギア達がまた、スフィアを広くして互いに干渉して強くすることができるのです。その間、他の属性は被らないので他の行動ができます」


「ああ、その場合、アクアのスフィアが凄く大きく張られることになって、他の属性のマギアはそれぞれのスフィアで行動できる。似たような魔術の、他の干渉するものがないと、確かにできる作戦だ」


彼女はもともと細い眼をより鋭くして、わたしの言葉が正しいと笑った。


「あはは……そうですね。その通りです。『毒の雨』の中ではそれもできませんでしたね。みんなが一気にぜんぶの雨を浄化しよう!!!とかをしたら、一発で解決だったかも知れないです。その『せーの』というアリアの合図が届いたらできたかも知れない。でも、急に降れる雨はどれもできない。そんな妙技をするには、広すぎて、薄すぎる網になったのです」


しまった!!!「話題を変える」はずの話が、また「死の雨」の話に戻ってしまった。まあでも、わたしはそれもそれでいいかと思って(無理して話題を変えてみたけど、このように「なに話してたっけ」に話題を混ざって戻るのもまたの手だからだ)平然と続いた。


「そうそう。わたしが本当に大変だったんだと感じていたのがその部分だったかも知れないですね。でも、仰ったとおり毒草が沼地に散らばっているから仕方ないこと。それはまるで、怪物が意図してその戦場を逆転しようとしたのではないかという感じがしたのです」


「まあ……悪魔(デモン)のように小賢しいとしても、本能でそれを知ったとしても、『夜空のもの』の混ざりだから来ている入れ知恵だとしても、その解釈であってるでしょう。フラマのみんなが頑張って毒草を焼いたので、その反撃をしたかったと思います。その結果、非可逆的にその沼地のお水もぜんぶ使い切ることになったのですから。『奇怪巨木』の立場でも最後の手だったと思いますよ。凄く痛く刺さったけど……」


「所詮の魔法生物の方法じゃないですか。きっと『できるからやった』だけで、別に意図してないと思いますね。けものが牙と爪を張るのと、蛇が毒を吐くのと同じです」


「蛇が毒を吐きますか……?」


「そういう種類がいるらしい」


「まあ、なら慣れてない地方にはそういう似ていることをやろうとする魔法生物が生きていて、それがなんらかの理由でここに移った可能性もあるかも知れないですね」


「ふむ、花や木は風、虫、鳥たちが種や実を送ってくれる場合が多々ありまして。もともと慣れてない地方の怪物がここで『祟り』の影響をされてるかも知れないですね。まあ、ここでしょぼい話をしますと個人的には『森の妖精』のようなイマジナリアをちょっと思ったのにぜんぜん違ったこともありまし」


「ぜんぜんそんな感じではないですね……たぶんガブリエル学長もそんな話言いました」


「そうですか」


「まあ……倒される前の悪あがきなのは確かです。そういうのはドラゴンもやります」


わたしはその時、ちょっと思い当たる感覚がした。


「もしかして……その時点で毒草の討伐もだいたい終わっていたのですか?」


「はいそう報告されてます」


エンブリオくんがせんせいの言葉を補った。


「はい。いったんおれが相手していた化け物はそのあとも何匹ありましたけど、その『雨』の時は、周りの組の感覚でも、怪物はだいたい倒れてました」


「そうだったんだ」


ふうん、なら……その「沼地全体」が深紅の悪魔の「中継局(メディアセンター)」のように……拡張されたキメラ・プラントの縄張りだったとしたら、その「毒草たちの焼いた煙」で媒体は説明できるかな?自分の境界(エリア)で、偉さを張っている子分たちの残骸、その処に根で水を運ぶような物語性を「毒水(どくみず)」に適用すると、ぎりぎり「水の移動」は説明ができるのだ。

でも、奇怪巨木のわざがそういう原理ではなかったかも知れないから、わたしは別に古代魔術「木」で説明できそうだとしてその(わけ)をギルドの人に言わないけど。(もともとそういう話を、平凡の薬師が話しているということが珍しいことなのだ。たぶんこの人たちはわたしの頭が夜で光るということで非常に神秘的な話をしちゃってもいいと思ってるに違いない。その点、アストラ・ネロさんの思う通りだった……恐ろしいばあちゃんだぜ)


「うん、なんかステラ・ロサさんと話していたら、『確かに異国の怪物のような原理だとしても、説明ができる』気がして。実は悩んでるところがあって、おかげでちょっと心が軽くなったのです」


「そうですか?わたしにとっては嬉しいことです」

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