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まだ日程は確定ではない

ドルイドさんは一回あくびをした。


「にょにょ。眠いね。なんか話がぐだぐだで申し訳ないけど、それはいつものことだ。

そうだな……ものの保管の話。だからその時、ブイオさまとずっと話してた内容の半分はこれだった。『これから、ピサで貰ったカバンのように、食糧以外もものを貰う事があると思う。それをブイオさまに保管もできない。ならどうする?』……どんな計画があったと思う?」


「ふむ、どうでしょうか。売ってお金に()える?」


「その手があったか……」


ドルイドさんはガーンとおれの顔を見てた。本当になんだろう、この人。


「金で報酬を貰うのがいちばん手早くて過程もシンプルですけど、『ドルイドという存在自体を認めないらしい』今の以前も、普通に魔力お仕事は魔術ギルドがやる、というのがふつうですから。だから物々交換やものでの贈り物が一般的だと思いました」


「うん、そうよ。わたしも半端な知識だけでもそう思ったんだ。そしてそれは村にドルイドさんが来て、実際母と取引をしてたから」


「なるほど。そして、別にそのものを本人の前で売らないと良いのです。あとで行商人に売ったりして銭に変えるといい。もうドルイドさんは薬草を入れるカバンがありますから、そのカバンに入れるくらいのコインは、旅人がこのトスカーナ地方で使うには結構の価値になるのです」


「まあ、行商人との取引は考えてた。だけど、それも村に来てたドルイドのばあちゃんを見て学んだものの限界を超えなかった。そのような柔らかい思考ができず、行商人については、春になったら薬草を売るとか……父の様にどうぶつを狩って売るとか……それくらいを思っていた。あ、ものを保管する悩みの正解は『どこかの倉庫を作って隠す』だった」


「それも悪くないですね。ブイオさまとドルイドさんは普通の人々が入れない深い林も(はい)れますし、場所をよく選ぶと雨も避けれる」


「そう、そのアイデア自体は今も別に悪くないと思うんだ。でもそうだな……その贈り物をすぐ売る方法があったとは。本当に一回も思ってなかった」


「ブイオさまもですか?」


「わたくしは色々のものを知ってるし分かれるが、だいたいのことはこの子を通じて世界を見て聞いて、考えもするので、ちょっとわからなかったんだ……」


「そうですね」


なるほど、「座標の衛星」というよくわからない真名で縛り、魔術的に星のエーテルというものを共有する関係であるブイオさまは、実際に世界を見る方法も使い魔を扱うマギアのようで、ステラ・ロサさんがわからないと、大体わからないのだ。


「まあ、行商人に薬草を売ることを思ったのは、実際今はできるようになったけど。思ってたのとはちょっと違う生活になってるね」


「はい、ドルイドさんは薬草を扱う事ができるから、場合によっては今もずいぶんありえると思います。そして、その時はそれも冬はできないから、結局その時はできることがない。だから、一端おれの様子も確認するついでに、頼みに訪れたということですね」


「うん。ただ拠点、休憩処の感覚で家に失礼したかったが、ギルドのシステマに登録しなきゃいけないのは知らなかったね。そして……実は、本当にきみがわたしの事がこんなに大大好き好きになっているとは100万の1も思ってなかった。だから、凄く意外だった」


おれはなんでか少し恥ずかしくなって、照れ隠しのつもりで言った。


「おれも思ってなかったんです」


「で、今はその心配も大体なくなった。ありがたいことだ。

フィレンツェ市内を(うごめ)く泥棒がいるとしても、ドアロックを敢えて狙う奴はいないと思う。わからなくて詰むか、もともと知ってて狙わないだろう」


「はい、たぶんそうですね。フィレンツェの魔術ギルドの本部のことはほぼ常識ですから」


「うん。だからものの治安の心配はなくなったんだ。

今のわたしの一番心配は、きみが魔術師としてのお仕事の過程で大変になることになったのだ」


「そうですね」


ドルイドさんはなんだか遠い所を見る目でそう言ったあと、おれの目を見た。


「出発は何時(いつ)なの?ネロ様との会話ではそれがわからなくて、ちょっと不思議だ」


「平凡の技術者たちの日程がまだ確定ではないので、決まってないです。聞くには、出発する1週前に告知すると言いました」


「そうなんだ」


「その時期までは参加しないギルド員は普段のカリキュラムに、魔力素材や媒体を準備するお仕事が実績の稼ぎとしてできます。そして、参加者は大魔術の役目に当たる魔術を練習することがおすすめされる。この間の教授たちは別に利点はなくて、ただ2倍忙しいだけです」


「それは大変だな」


「はい、とても。四の堂のどっちも今そうです」


「うん、中央堂も非常に尖っている感じだ。ピリピリしてるのだ。だから、毎回出入りしても失礼になると思ってたんだ」


「そうだったんですね」


別にそんなことないと思うけど。


「きみは普通のギルドの生徒と役目が少し違うと言ったね。具体的になんだっけ」


「はい。おれはもともと4属性の特例として媒体などの精製は仕事ではなかったため、普段の授業を同じく受けながら……今回は自分のフラマの鍛錬が主になるのです」


「なるほど」


「だからもともとはやろうとした『素早く他の属性も扱う』ことはやめて、堅実に炎矢(フレイム・アロー)や火炎歩きを主に練習します」


「そう、わたしも以前思ったけど、自分の得意分野をいったん磨くのはとても大事だと思うんだ」


「はい」

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