郷立高志地霊学園4話
あ、いた。歩いて帰っててもうそこかい。はや。
全速力……やっと追いついた。
「お、お主やっと来たか!」
「誰の真似だよ…」
「ねーねーそんなことよりさー」
こら。スルーすな。
「なんで私達歩いて帰ってるの?」
俺が言おうとした…。
「そうね。さっさと帰りましょうか」
「てゆーかさ、学園内で能力使ってもいいんだよね?」
「どうした、そんなニコニコして。
まあ、他生徒への危害がなければ問題ないからな」
「ふっふっふ…。みんなの無意識を操っても問題ないんだよね??」
「え……………………」
「じゃあ、あれをやりますかっ!」
「そうね」「アイアイサー!!」
だから誰だよ。
あれと言うのは地霊殿総会議のことである。
今までは何度か行われたことがある。
こいし探しに駆り出されたり、(是非喜んで!)
他は……ないか。
「きゅっとして……」
!?え?なんか背中に違和感を感じると思えば…
フランかっ!?ちょっやば…。
………みんなして俺を笑うな。
「そんなことするわけないでしょ!慌てふためいてるところはおもしろかったけどね!」
「いきなり、飛んでるやつの背中に乗るやつがいるか!落ちたらどうすんだ!」
「まあ大丈夫でしょ(笑)」
ひでえ。
「だって乗りやすかったし、ひもの手すりもあるし」
ひもの手すり?なんだそれ。
「ひもの手すりって何だよ?」
「え?そこに付いてるじゃん」
付いてる?それを聞いて自分を見る。
あ…。
「ちょっと、後ろだけ引っ張ったら帽子が上に上がるだろ!」
「えへへ〜」
と言いながらぷらーんとした導火線を戻す。
「じゃあね〜」
手を振りながら帰っていった。
イタズラは許すが一つ突っ込みたい。
このプランドールがあああああああああ!
今更だがこの学園では制服はない。
つまり、瞳は帽子の中にある。
特別嫌われるようなこともない。
ここの住人には嫌われたくもないし、基本無意識を望むため悟ることもほとんどない。たまに悟りたいが。
ちなみに帽子には導火線が巻かれているため帽子が飛んでいくことはない。
帽子は深く被りたい派なのだ。
帽子から瞳が出ない限りは悟ることもできない。




