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郷立高志地霊学園 本編 東方地底秘話  作者: 梨月心夢(地底の小石)
東方地底秘話
33/60

東方地底秘話23話

「(部屋に戻って来たのはいいけど……覚故、

大丈夫なのかな……。

精神が不安定だから、気を失うことも多かったものね。

こんなに代償の大きい能力なんて……。

でも、不安定なままに形成されているんだもの……。

安定してたら、今のように生きることは………ないのかな?

大丈夫。

あなたは私、私はあなたなんだから…)」

…………ここは……草原?

確か、さっきまでは鬼ごっこをしていたはず……。

雲のない青空、見渡す限りの草原。

こんな場所は見たことがない。

……あれ、覚無は?

………俺も覚無を求めていることを改めて実感した。

心地よい風が吹く。何も無いばかりに逆に不安を覚える。

覚無とずっとこの場所にいたい……。

でも、この場に覚無はいない。

どうしようか……

「(まだ目を覚まさない……私が行ったほうがいいかな……でも、もしあんなことになったら……たった1回だったとしても……どうしよう……)」

とりあえず落ち着こう。

………ここはどこか分からないが久々に1人になった。

目を閉じて、ゆっくり深呼吸をする。

このまま寝転んでいればいい。

「覚故が私と逆の立場だったら……間違いなく私のところへ来るはず。

それなら、私も迷わない。

すぐ行くから。待っててね、覚故)」

覚無、来てくれないかな。

…………歩くか。草原にも限りはあるだろう。

現時点では終わりの見えない草原を歩き続ける。

「(何ここ?……草原ね。よく分からないけど解放感があるわね。ここで覚故といたいものだわ。………って、ここにいたのね……)」

「ちょっと、後ろ後ろ」

ん?

「いつから?」

「今」

…………………………

「ここはどこなんだ?」

「分からないの。その質問をするということは、あなたも分からないのね。

あなたこそ分かると思ったのだけど」

「ここがどこまでも続く草原なら……」

「ん?何をしているの?」

ドン。

「風の吹く方向を燃やす。そして……」

パン。ヒュウウウウ。

「酸素を込めて風弾(ふうだん)を撃てばすぐに大炎上する」

「目的は?」

「このまま歩き続けても終わらないと判断した。だから燃やした」

「大胆ね……」

「発想は特技だからな」

「無意識を意識に転換するだけに?」

「分からない……」

「ここは何もないから練習には最適かもね」

「何の練習だ?」

「銃に決まってるじゃない」

「当たり前に言うなよ……」

「何か的があるといいわね」

「そうだな」

「覚故、そこにいて」

そう言って覚無は俺に背を向けて歩く。

「おい、置いて行くなよ……」

ドン。

振り向きもしないまま発砲した。

「やっぱり当たらないわね」

「いや、俺の体に……」

「意味が違うわ。当たっているけど当たっていない。弾がすり抜けたのよ」

「早く気付きなさいよ。まあ、仕方ないかな。心が死んでいたわけだし。

覚故、空に太陽がないのに青い空なんてあるわけないよね?」

「それなら、俺の体は?」

「心配ないわ。地霊殿の部屋にあるから」

「そうか」


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