23「主将は根城へと」
――ミアを始末した私は指を鳴らし、生き残った精霊騎士達を翕合させた。
殊の外、生存している精霊騎士達が多かったため私は胸を撫で下ろす思いをした。
「時に、精霊騎士隊ラデウ隊長と他の隊員達は殉職なされた。私達もその恩に報いるため、彼の敵将を狩ろうではないか!」
私は不安な面付きの騎士達をそれぞれ見渡しながら、
「隊長がやられたとはいえ、大将軍である私がいる。何も憂慮する必要などない。私がいるではないか! 最後までこの戦いで戦い抜けば、この戦いの褒章としてお前達の欲しい物を一つ、何でもくれてやる!!!」
それを聞いた騎士達が「おおおおおおおおおおおおおっっっ!!!!!」という歓声を上げた。
私は内心ニヤリと笑い、召喚した馬に乗る。
そして私は森の向こうに聳える一つの屋敷をその目に見据えた。
目指すはラスキア大将軍が潜むあの屋敷だ。
私の計画を邪魔する者は徹底的に排除する。
それが全てだ。
――しかし、それにしてもラスキア大将軍は何故私ではなく、『白銀の豺虎』に属するトウマとエルヴィットを狙ったのだろうか。
もしや、私がその二人を特に重宝しているとでも思って仕掛けたのか?
だが、もしそうだとすればそれはあまりにも粗略である。
しかし何故私が、今回、この戦場においてわざとすぐに屋敷へと向かわず、精霊騎士を率いてミアとの戦闘を長引かせたのは――、
「あいつらの本領を引き出さないとだからな」
そう。
全ては、道具をもっと使いやすく便利にするためだ。
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「――そうか、もう来るのじゃな」
黄緑色の髪に、華奢な体つきと、小さな背丈。
それに似つかわしくないほど荘厳な雰囲気が、少女の身に着ける『大将軍』の軍服によって顕示されている。
少女には少し前、とあるメイド長から襲撃者が出現したとの報告が来た。
つまり、それは少女が狙っていた一番の大物が釣れたということだ。
「わしも動くとするかのう」
可憐な笑みを一つ零すと、少女は部屋の扉を開いた。
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「――それにしても、これは酷いなぁ」
頭部を破壊されたリリエルの死体を目に、一人の男がそう零した。
彼は羽を生やしており、頭には暗い色をした輪っかのような物を浮かばせている。
そして優雅に地上へと降り立ち、リリエルの死体に手を翳す。
すると、彼の手掌から淡い緑の光が現れ、リリエルの全身を包んだ。
「これで十分でしょ」
傷が完全に癒え、元の健全な状態に戻ったリリエルを見て、男は自慢げに笑った。
しかし、
「これ以上死に抗うな、天使め」
「おや、君は確か……」
天使と呼ばれた男の前に、突如として仮面を被った者が現れた。
「『死神』、だったっけ」
「その通りだ。ならば俺が今、何を言いたいのか分かるだろ?」
「『リリエルの魂を大人しくよこせ』、でしょ?」
「正解だ」
天使は笑顔でそう答えると、光の壁を仮面の者の前に発生させた。
光の壁はバリアのように通り抜けることができないようになっていた。
「くそっ、また逃げるのかよ」
「逃げじゃないよ、戦略的撤退だ。ていうか死神の君こそ、魔王ガレアの右腕から逃げてるんでしょ?」
「ぐっ、言い返せねぇ」
「それじゃあね」
堂々と姿を消した天使を見届け、仮面の者は舌打ちを残して消えていった。
どうも、焼き鮭です。ユダとリキア達が出会って戦った時以来、久々にあの死神さんが登場しました。
もし
「面白い!」「ついにラスキアとの戦いになるのか!」「天使!?」
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