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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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25.壊しただけじゃ、また止まるんよ

すみません。遅くなりました。m(_ _)m



 夜が明ける頃には、


 長州の空気は、


 もう別のものになっとった。


 怒鳴り声は減った。


 刀も、ほとんど下りとる。


 でも。


 静かになったわけじゃない。


(……逆だ)


 山縣は、廊下を歩きながら思う。


(今から全部、決めるんだ)


 誰が動くか。


 誰が残るか。


 誰が命令するか。


 飯。


 見張り。


 報せ。


 兵。


 道。


 火薬。


 全部。


(……無理じゃない?)


 思わず、そんなことを考える。


(いや)


(投げたら終わる)



 廊下の向こうでは、


 もう人が動いとる。


 机を運ぶ者。


 紙を探す者。


 報せを書き写す者。


 でも。


(……揃ってない)


 同じ場所で、


 同じ話を、


 三回くらいしとる。


(あー……)


 山縣は、


 ちょっと頭を抱えたくなる。


(これ、完全に文化祭二日目の朝だ)


 昨日まで揉めてたのに、


 急に“じゃあ今日どうする!?”になるやつ。


 誰も全体を整理してない。


 だから。


 同じ確認が増える。


(……分かる)


(めちゃくちゃ分かる)



「何しとる」


 後ろから声。


 振り向く。


 大村益次郎。


「……いや」


 一拍。


「回ってないなって」


 大村が、周囲を一度見る。


「当然じゃ」


 短い。


「壊した直後じゃからな」


 さらっと言う。


(……この人)


(ほんと、壊す前提で話すな)



「でも」


 山縣は、少しだけ眉を寄せる。


「このままだと」


 一拍。


「また止まります」


 大村は、


 そこで初めて、


 少しだけ山縣を見た。


「なら、どうする」


(……またそれ)


 でも。


 今は、


 前より嫌じゃない。


(考えるんだよね、ここで)



 山縣は、


 周囲を見た。


 走る人。


 止まる人。


 同じ話を繰り返す人。


(……整理されてない)


 必要なのは、


 強い人じゃない。


 声が大きい人でもない。


(繋ぐ人だ)


 情報を。


 場所を。


 役目を。


(……あ)


 頭の中で、


 文化祭の朝の景色が繋がる。


 段ボール。


 紙。


 予定表。


 黒板。


 そして――


(受付)


 あそこに人がいたから、


 全体が繋がっとった。


(……これだ)



「場所、作ります」


 気づけば、口に出とった。


「場所?」


「はい」


 一拍。


「報せを集める場所です」


 大村が、少しだけ目を細める。


 山縣は、続けた。


「誰が、どこにいるか」


「何が足りないか」


「どこが動いてるか」


 一つずつ、言葉にする。


「そこを、一回集めます」


 沈黙。


 でも。


 止まらん。


「今」


 一拍。


「みんな、自分の周りしか見えてません」


「だから」


「全体が回ってない」


 大村は、


 しばらく黙っとった。


 そのあと。


「ほう」


 小さく言う。


「面白い」


(……この人の“面白い”怖いんだよな)



 そのとき。


「おーい!」


 廊下の向こう。


 ――高杉晋作。


 相変わらず、声がでかい。


「飯、どこじゃー!」


(……ほら来た)


 周囲が、


 一瞬「えっ」て顔になる。


 誰も把握しとらん。


(……うん)


(必要だわ、これ)



 山縣は、


 小さく息を吐いて、


 近くの机へ向かった。


「紙あります?」


「は?」


「あと、筆」


 一拍。


「あと、人」


 周囲が、


 ぽかんとする。


 でも。


 山縣は、止まらん。


(壊しただけじゃ)


(また止まる)


 だから。


(今度は、回し続ける)


 それが、


 自分の役目なんじゃろうなと、


 山縣は、


 少しだけ思い始めとった。

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