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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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12.任せたんは、わしじゃ――なら、最後まで見んといけんのよね

予約投稿、し損ねてました。m(_ _)m

 選ばれた男は、


 思ったより若かった。


 二十そこそこ。


 日に焼けた顔。


 手のひらは、ごつい。


 名前は――


「……伊助です」


 少し緊張した声。


 でも。


 目は、泳いどらん。


(……やっぱり)


 山縣は、小さく頷いた。


 昨日。


 皆が高杉につられて前へ出かけたとき、


 この男だけは、横を見とった。


 敵も。


 味方も。


 逃げ道も。


(見えてた)


 だから、呼んだ。


 でも。


(呼んだだけじゃ、終わらん)


 ここからじゃ。



「お前が、前を見る」


 山縣は、まっすぐ言った。


 伊助の喉が、小さく動く。


「……はい」


「迷ったら」


 一拍。


「止めろ」


「勝てそうでも?」


 思わず出た問い。


(……いい質問)


 山縣は、少しだけ笑いそうになる。


「勝てそうでも、じゃ」


 一拍。


「お前にしか見えんもんが、あるんじゃろ」


 伊助が、少しだけ目を見開く。


 でも。


 次の返事は、さっきより深かった。


「……はい」



 そのとき。


「待て」


 低い声。


 振り向かんでも分かる。


 あの武士じゃ。


 例の、四十くらいの。


「百姓に」


 一歩、前に出る。


「武士が従うとでも?」


 空気が、また張る。


(……まだ終わってないよね)


 山縣は、小さく息を吐く。


 でも。


(ここ、わしが言うんじゃない)


 そこで、止まる。


(……あ)


 初めて、そう思った。


(任せるって)


(こういうことか)


 山縣は、一歩下がった。


 ほんの半歩。


 それだけ。


 でも。


 伊助の肩が、ぴくっと動いた。


 武士の視線が、伊助に向く。


「おい」


 武士が、睨む。


「答えろ」


 一瞬。


 伊助の喉が、動く。


(……頑張れ)


 山縣は、思わずそう思う。


(ここで助けたら)


(意味ない)


 数秒。


 でも、長い。


 そのあと。


「……従ってください」


 伊助が、言った。


 少し震えとる。


 でも。


 逃げてない。


「なんじゃと」


 武士の眉が、動く。


 伊助は、息を吸った。


「わしは」


 一拍。


「百姓です」


 空気が、止まる。


「でも」


 視線が、真っすぐ上がる。


「死ぬんは、武士だけじゃない」


 完全に、場が止まった。


(……っ)


 山縣の背中に、何か走る。


(……強い)


 伊助は、続ける。


「なら」


 一拍。


「見えとるもんを、言わん方が」


 少しだけ、息が揺れる。


「卑怯じゃと思います」


 沈黙。


 重い。


 でも。


(……崩れてない)


 そのとき。


「はっ」


 横から、笑い声。


 ――高杉晋作。


「ええの拾ったのう」


 にやにや笑っとる。


(……人ごと)


 でも。


 武士の男が、少しだけ視線を外した。


 完全に納得じゃない。


 でも。


(折れた)


 そのとき。


「任せたんじゃろ」


 後ろから声。


 大村益次郎。


「なら、口を出すな」


 短い。


 でも。


 山縣に向けて、言っとる。


(……あ)


 山縣は、そこで気づく。


 さっき。


 助けそうになった。


(……危な)


 任せたのに、


 途中で守りに入る。


(それ、一番ダメじゃん)


 文化祭でも、いた。


 任せるって言いながら、


 最後だけ全部持ってく先輩。


(……あれ、嫌だったな)


 ふっと、そんな記憶がよぎる。


 山縣は、小さく息を吐いた。


(……任せたんは、わし)


(なら)


(最後まで、見る)


 口は出さずに。


 責任だけ、持つ。


 山縣は、静かにそう思った。

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