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灰色ノ魔女  作者: マメ電9
第二章 迫り来る敵の手
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第四十話 心配事

ついに!!総合アクセス数が5500を超えました!

ありがとうございます!!

これからも、シロナを応援して頂けると嬉しいです!よろしくお願いします!

「スカーレットの師匠だよー」


ニコニコと話すレヴォル。


その人懐っこそうな笑顔からは悪意を感じられない。

何処と無く、その雰囲気はエレティナに似ていて私はすぐに警戒心を解いた。



エルフ族は皆こんな感じなのかな?

まぁエレティナはハーフエルフなんだけど‥‥。

エレティナとは知り合いだったりするんだろうか。


そんな事を考えていると、さっきまで警戒態勢だったルークは、スっと構えを解き何かを思い出したかのように、ポロッと言葉を零した。


「‥‥貴方が‥‥レヴォル」



え?ルーク、このヒトの事知ってるのか?


でもその言い方。

何故か本人もあまりハッキリしてない感じの言い方だ。


ちょっとした有名人なの‥‥か‥‥?



「ん?思い出してくれたかーい?‥‥まぁ、ちゃんと面合わせて話すのは初めてだもんね!しょうが無いよー」


「まぁ、スカーレットから少し話を聞いたぐらいだが‥‥でも、貴方は確か3年前にココから出たんじゃ‥‥?」



3年前。


ジェイトから聞いたけど。

3年前はスカーレットが騎士団長に昇格した年だ。



「んーまーワケありでねー‥‥。


っと、それよりお前さんがスカーレットに勝ったって噂の人間さんだねー?


ふーん‥‥なるほどなるほど」



先程までルークと話していた彼は、顎に手を当て、私に目線を変えて全身を舐めるように見てくる。


近寄りながら見てくるその行為が気持ち悪くなり、私は自然にジリジリと後退りした。


「な‥‥何だ‥‥??」


目線は私とコハクの魔具に移り、何かを察したような表情をする。


「ほほーん。初めて見る仕様だねー‥‥。

あの時のはそーゆー事だったのねー。


‥‥お前さん、やっぱり面白い子だねー!気に入ったよー!」




「は、はぁ‥‥」



よ‥‥よく分からないが、良いこと‥‥なのか?

まぁ、気に入られて損は無いだろうし別に私にも支障など無──────



無い。


そう心の中で言い終わる前に、何かが胸に触れる感じがした。


「‥‥え?」


いつの間にか、レヴォルは背後立っており、私の胸周りを触っていたのだ。



突然の事で、頭が真っ白になり状況が理解出来なかったが


「フムフム。でもまだまだ子供だね〜‥‥。

はぁ、残念。

もっと育たないと駄目だよ?」


そう言われた途端、状況を理解した。


恥ずかしさから顔から耳まで真っ赤になり熱くなる。


ルークも突然の事でフリーズしている。



「なっ!?!?な、な、ななな、!何してるんだ?!あんた!!!!!」


思いっきり振り払い、思わず短剣を抜く。

すると彼は風魔法で避けて、そのまま外へ飛びだし空を飛んだ。


「えへへ、ごめんねー!

ほんの挨拶だよー。

おっと、オレはそろそろ行かなきゃ行けないんだよ。


そこの階段降りたら地上に出られるから!

じゃっまた会おうねっ」



それだけを言い残し去っていく彼の背中に、墜落してしまわないかなと願いを込めながら、私は叫び散らかした。


「だ‥‥れ‥‥がっ!!!!あんたなんかに会うもんかーーーーーーーーー!!!!!!!」


しかし、その願いは叶わず‥‥


空にその姿は霞んで見えなくなった。



あの男ーーーーー!!


二度と会うもんかー!!!!


私に胸の話は地雷なんだぞ!!??

小さいなんて自分でも分かってるって!!

こんのぉ‥‥余計なお世話だぁぁぁぁぁ!







それから何か言いたげなルークの袖を不機嫌に引っ張り、螺旋階段を降りて扉を開く。


中々高い時計台で、降りるのに一苦労したが、降りた先は賑わった街から少し外れた場所で魔物も少なく、取り囲まれること無くイヂラード街へ向かうことが出来た。


まず、私達が向かったのは出店。

そこでエレティナとポルクが好きそうなお菓子を買ったのだが、店主さんが私に気付き値段を無料にしてくれた。


「見てたよあの戦い!人の子にしては頑張ったじゃないかい。これはサービスだよ!また買いにおいでね!」


「あ、ありがとう‥‥」



未だに信じられない‥‥。

本当に私は‥‥認められたんだ。


この間まで、バレないようバレないようにと、ドキドキしながら歩いていたというのに‥‥。



エレティナの店へ向かう道中

ふと笑がこぼれる。


「?。何笑ってるんだ?」


何も無いところで笑う私を見て、首を傾げるルーク。


私は少し走って振り返り、ニコッと笑ってみせた。


「べっつにー!何でもないぞっ」



その笑顔に釣られたのか、普段表情を変えない彼も、自然と笑みを浮かべる。


家に来た当時は、顔はやつれ、笑顔は無く、ただ死にたいと願っていた彼女が‥‥今では、こんなにも‥‥


それが単純に‥‥嬉しかった。












カランと音を立てて扉を開く。


「邪魔するぞ」


店内は相変わらずの客の無さで、ポルクがほうきで店内を掃除していた。

私達に、気づき駆け寄ってくる姿は胸が温かくなる。


「シロナ〜!!よかった!無事だったんだね!」


ボフンっと腰に抱き着いてくるので、私は頭を撫でながら声をかけた。


「ゴメンな。また心配かけちゃったな‥‥ポルク、エレティナにも会いたいんだけど、今日は店に居るか?」


エレティナは店にとどまらない商人。

あちこちを歩き回って商売をしているらしいから、今日実は会えるかどうか分からなかった。


が、その心配は必要なかったようだ。



「あっ!居るよ!待ってて、すぐ呼んでくるから」


バタバタと音を立てて奥の部屋へ。


また工房にでも篭っているのだろうか。



エレティナのお陰でコハクと私は助かった。

あの戦いの勝利は、エレティナのものと言っても過言では無い。


本当に感謝している‥‥。





「シロちゃん!!」



呼ばれて顔を上げると、やはり工房に篭っていたようで、作業着にゴーグルを頭につけた状態で奥の部屋から出てきた。

急いで来たからか、ハァハァと呼吸が荒い。


そして、ポルクと同様に彼女は私を強く抱きしめた。


顔がエレティナの胸に埋もれる。



何かこれも前にあったな‥‥。

‥‥って待て‥‥これ、また息が‥‥!



「あ〜〜〜っ!よかったわ〜〜〜っ!もう会えないんじゃないかと思って寂しかったのよ〜〜っ!よく無事に帰してもらえたわね〜〜」


コハクが私のピンチに気付いてエレティナに呼びかけた。


「クゥクウッ!」



な、ナイスだコハク!



「あら〜!コハクちゃんも元気そうね?安心したわ〜」



違うっっっ

そうじゃないっっっ!

あぁ、ヤバいぞ‥‥もう息が‥‥っ



バシバシとエレティナの肩を叩くが全く気づいてもらえない。


「エレティナ‥‥その辺にしといてやれ、お前が息の根を止めることになるぞ」


「え?あらやだ!私ったら歓喜あまって‥‥っ」


「師匠‥‥」


呆れながらため息をつく弟子。


ようやくエレティナから解放された私は、さっき買ってきたお菓子をポルク達に渡した。

ポルクは大喜びでお茶を取りにまた奥の部屋へと走っていく。


こんなに喜んでもらえるとは‥‥。

あの店また行ってみよう‥‥。


あ、そうだ‥‥エレティナにアレを返さないと‥‥!


思い出し鞄から取り出したのは、闘技場で臨時に使った魔具。

それをエレティナに差し出した。


「エレティナ、これが無かったら私とコハクは助からなかった‥‥エレティナとポルクのおかげだ‥‥


ありがとう」


「あぁ!コレね、本当驚いたわよ?

もしもの時の為のスペアを作っておいて正解だったわ。

シロちゃん達のは特注品だったから、何かあった時代用品が無いと困るでしょ?

シロちゃんも、これからどんな成長をするかも分からなかったし‥‥。


私のもしもが役に立って良かったわ‥‥」



奥からカチャカチャと食器の音を立ててポルクが戻ってきた。

手にはお盆に紅茶が入ったコップが3つとミルクが2つ。

それをカウンター席の机に並べて席に着いた。


先程買ってきたお菓子を広げてプチお茶会だ。

コハクもミルクを貰って上機嫌そうに飲んでいる。

私も淹れたての紅茶を頂くことにした。


お菓子もポルクが喜ぶ理由がわかった。

甘過ぎない甘さ。

何個でも食べれてしまいそうな感じ。


焼き菓子なのだが、クッキーほど固くも無く、ケーキほど柔らかくもない、私がまだ食べたことの無いお菓子だった。


美味しい!!

とても美味しい!!


でも今日は、お礼とお菓子を食べるために来た訳じゃない。



その事をエレティナは察したのだろう。

お茶を1口飲んだあと、コップを机に置きお菓子を摘んでこう言った。


「で?今日は他に聞きたいことがあってきたんでしょ?‥‥まぁ何となく分かってるんだけど‥‥


シロちゃん‥‥魔力性質‥‥少し変わったわよね?」



流石エレティナ‥‥。

お見通しってわけか。



隠す必要は無い‥‥。


全て話そう。






私に何があったのか。






私は何だったのか。





私の中に‥‥





何がいるのか。





少しづつ順番に話していき、そしてただ一つの疑問をエレティナに問いた。








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