表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色ノ魔女  作者: マメ電9
第一章 灰色から虹色世界へ
35/75

第三十四話 闇精霊術師

「コハク‥‥?!」


何で‥‥?


何で‥‥コハクが‥‥ここに?


まさか‥‥

ルークが言いたかったのって、


この事‥‥だったのか‥‥?


「コハクっ!!!」



ぐったりとしているコハクに呼び掛けるが、返事をしない。

でも肺は膨らんでいるのが見えたので、少し安心したが‥‥。


私は目を疑った。


コハクに無くてはならない物。


それが無ければ生きていけない物。



コハクの命とも言える魔具が、そこに無かったのだ。


「あんたっ!コハクのっ、コハクの魔具をどこへやった?!

それが無かったらコハクは‥‥っ」

「生きていけない‥‥だったか?」


スカーレットは私の言葉に被さるように言ってきた。


しかも、事前にその事を知っている口調で。


「何故それを?って顔をしているな。‥‥君が眠っている間に、モノン等から色々聞かせてもらったんだよ。勿論、このドラゴンの事もな‥‥。

随分大事にしているそうじゃないか‥‥?

果たして、それは本物か‥‥‥‥


それとも‥‥‥‥



演技なのかな‥‥?」



コハクが入っている鳥籠が突然、スカーレットに蹴り飛ばされた。


ガラガラガラっ!


と、凄い音を立てて地面を転がっていく。





そんな光景を見てしまった私が‥‥


冷静でいられるはずなど‥‥




無かった。



「お前‥‥っ!お前ぇぇぇぇぇぇええええ!!!」


シロナからユラユラと黒い魔力が漂い始める。


これでは、また自我を失い暴走してしまう可能性があったが‥‥。


スカーレットの狙いは、まさにソレだった。




しかし、ロギアンはそれを阻止した。


「《シロナ!落ち着きやがれ。

今のテメェじゃ、俺の魔力に意識を引っ張られてぶっ飛んじまうぞ!また暴走してもいいのか?!》」


「でも‥‥っ!でも‥‥コハクが!!」


「《慌てんじゃねぇよ、みっともねぇ。それでもテメェはレイナの娘か?しっかりしやがれ‥‥何も手が無ぇって訳じゃねぇよ。》」


「本当か?!」


「《嘘はつかねぇ。‥‥まぁ、まずは身をもって体験してみろよ》」



「た、体験?‥‥一体何を?」


「《本当の‥‥闇精霊術の使い方ってやつをだ》」


瞬間、意識がガラッと変わり、私はいつの間にか‥‥‥‥ロギのいた精神世界へ‥‥。








「人間、何をブツブツ言っている。そちらから来ぬのなら、このドラゴンを殺してしまおうか!!!」


彼女はまた炎攻撃魔法を繰り出し、その攻撃対象をコハクへ向けた。


無数の火の玉が一気にコハクの方角へ。

攻撃がやみ終わる頃には、辺りは煙に包まれた。

「どうだ人間‥‥。少しは本気を出す気に‥‥‥‥?」


うしろを振り返りシロナがいたハズの場所を見るが、彼女の姿がどこにも無い。


さっきまでそこに居たはず‥‥。

観客の誰もがそう思った。


だが、バチバチという音に気が付き、コハクがいる方を見直す。


煙に隠れているが、電気火花が見える。

それと、黒い魔力‥‥いや、影が具現化と言った方がいいか‥‥。


影がコハクの周りを囲い守っていた。

その中心にいる人物。

それこそ、さっきまでそこに居たはずのシロナだった。


煙が完全に晴れ、その姿が露わになる。


その姿は先程まで逃げ腰だった人間ではなく、影を纏い、左目に金色の瞳を宿した紛れもない‥‥


闇精霊術師の姿だった。


「小娘の餓鬼‥‥悪ぃがこの闘い。俺達の圧勝とさせてもらうぜ。こっからが本番だゴラァ」


スカーレットは少し驚いた表情をした。


無理もない。


先程までの人間の口調がガラリと変わっているのだから。

しかし、スカーレットは直ぐに察し、笑みを浮かべた。


「ほぉ、本当は暴走状態の人間と手合わせをしたかったのだが‥‥まさか、闇精が自らお出ましとは‥‥‥‥


お手並み拝見と行こうか‥‥伝説の精霊よ!」


スカーレットは走り出し、シロナに襲いかかる。

それをロギは華麗に避けてみせる。

影を使って。


そして、背後に回ったロギは思いっきり斬り掛る。‥‥が、


流石は騎士団長。

軽い身のこなしでその剣筋を避けてみせる。


しかし、ロギも負けてはいない。


人間とは思えない程の反射神経で相手を翻弄する。


その身体には電気が纏っていた。


「なるほど、考えたな闇精。電気魔法で身体能力を倍増させたか‥‥だが、それもいつまで続くかな?」


シロナの体はまだ鍛えが足らず、何かで力を補う必要があった。


電気魔法により、身体能力亢進状態にしているが、それは長続きしない。

体にダメージが与えられてしまうからだ。


でも、これをしないと、この重い直剣を自由に振る事が出来ない。


だから、これはもう。




時間との勝負。




「くっそが、シロナ!テメェもっと飯食って力つけやがれ!全然剣が振れねぇだろ!!」


「《う、うるさいな!!ずっと閉じ込められてたんだから、仕方ないだろ?!》」


「シロナ、言っとくが俺と交代する時間も、そう長くは持たねぇ!テメェの身体に負担が掛かりすぎる。

だからテメェはこの後どーすりゃいいのか、ちゃんと作戦立てとけ!!」


「《か、考えとけって?!そんな無茶な!》」


この後交代したとして、あの騎士団長を倒す方法なんて‥‥。

何をどう考えても浮かんでこない。

どうしよう‥‥。


ロギは影魔法でスカーレットを牽制しながら答えた。


「テメェの無茶は専売特許だろっ!!」


「《うぅ‥‥。分かった》」


「物わかりが良くていい子だ!!!」


ロギのやつ、完全に私を馬鹿にしてる。

見てろよ!絶対なんか考えてやるからな!






ロギの闘い方は独特だった。


剣を振るいながら、影も同時に操り、剣でせめ、影で守る。


そして、その影で機動力も補い、変わった太刀筋をスカーレットへ叩き込む。


「へぇ。流石は伝説と言ったところか‥‥その様な剣捌きは見たことがないな」


「だろうよ、俺の前契約者の流儀だからなっ!!」


ロギの影がスカーレットを襲う。


すると、スカーレットは影魔法をスルスルと避けてみせ、一気に間合いを詰める。


「ならば、もっとその力。私にぶつけて見せろ!」


スカーレットの直剣に炎が纏う。

この技は、前にジェイトが言っていた技法。


魔法攻撃と物理攻撃を併せたこの技は、かなり攻撃力が上がる。


ロギも負けじと、直剣に影を纏わせ迎え撃つ。


激しい戦闘だった。


剣風が観客席にまで届くほど。

その様子を魔物達は


「本当にあれは人間か?」

「化け物同士の戦いだ」


など、口々に呟く。


ルークは今にも飛び出してしまいそうな身体を必死に抑えていた。


ジェイト達も不安な眼差しで戦闘を見守る。


が、‥‥思ったより早く。


そのタイムリミットが来てしまった。



ロギの振った攻撃がスカーレットを剣を上に弾き、スカーレットの懐がガラ空きになった。


「クッ‥‥!」


今だ!

と、言わんばかりにロギはそこへ畳み掛ける。


「残念だったな!これでシめぇだ餓鬼‥‥!ぐっ‥‥?!?!」


あと少しだった。


だが、その剣は届かなかった。


継続での電気魔法。

それに加え、ロギの憑依に、闇魔法の使用。


体がそれらに耐えきれなくなり、動かなくなったのだ。


その瞬間を、スカーレットは見逃さなかった。


スカーレットは剣を高く上げ、思いっきり振り下ろす。

ロギも一応反射的に剣で防いだが‥‥。


その剣はパキンっと音を立て折れ。

クルクルと回りながら、地面に突き刺さる。


そして、スカーレットの振り下ろした剣は、シロナの左肩を斬り裂いた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ