表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色ノ魔女  作者: マメ電9
第一章 灰色から虹色世界へ
22/75

第二十一話 特訓

ガシャンガシャンと、鉄が擦れる音。


幻聴で頭を抱えていた私の後ろに来た人物は、昨日武術を教えてくれると言っていたジェイトだった。


「魔法の練習は捗ってるか〜?‥‥ってどうしたよシロナ。そんな暗い顔して‥‥なんかあったか?」


「え、あ、いや‥‥何でもない。それより何だ?その大荷物」


鉄の擦れる音の正体。

袋に包まれていたため外見では把握出来なかったが、ジェイトは地面にその袋を置き中身を全てひっくり返した。


中身は様々な種類の武器。

直剣、刀、短剣、レイピア、鎌槍その他諸々‥‥。


「わ〜‥‥。武器ってこんなに種類があるのか!でも重たかったんじゃ‥‥?」


「どれがシロナにピッタリの武器か分かんねぇしな。あと、俺は多種多様な職場を経験した男‥‥このぐらい担げて当然なんだよ」


な、なるほど‥‥。


ジェイトがやって来た事に気づいたルークは、練習的の調整が終わるとこちらに近づいてきた。


「いいタイミングだ。丁度魔法の練習も終わる頃だった。あとは任せていいか?」

「おう!いいぜ、次は俺が先生だ!覚悟しろよォ〜シロナ!」


ジェイトは無駄に気合い満々だ。

それより、あとは任せたって??


「え?ルークはどっか行くのか?」


「離れで仕事してくるだけだ。何かあったら呼んでくれていい‥‥‥‥何だ?俺がいないと不安か?」


コイツはまたそーゆー意地悪な感じで煽ってくる。

不安?

冗談‥‥。

誰があんたと一緒じゃなきゃ嫌と言った?!


「そんなわけあるか!!バカ!」

「はいはい。ジェイト気をつけろよー。シロナはこう見えて狂犬だからな」

「だっ、誰が狂犬だ!!!」


言いたい放題いいやがって〜!


だが、こんなのいつもの事。

ルークは立ち去って行った。


「おーい。痴話喧嘩はその辺にして、特訓するぞ〜」


「ち、痴話げ‥‥っ?!」


「ほら、なにボーッと突っ立ってんの。まずは直剣からな!」


そう言って私に剣を無造作に放り投げた。


「ちょっ!」


さやに納まっているものの、剣を投げられたら怖いし、しかもジェイトは軽々しく扱っているが私は一応女なわけで‥‥。


なんて、文句を心の中で言いながら両手で剣をキャッチする。


やっぱり重い‥‥。


「ほら!抜いて抜いて、あの練習棒に斬りかかってみろ」


剣の構え方や振り方を一通りの事を教えて貰い、言われた通りした。


したのだが‥‥上手く扱えない。


剣を振るうというより、剣に振り回されているの方が正しいだろう。

仕方ない。

仕方ないんだ。


だって私の身長は150cm無いのだから。

背の低い私に、この長い直剣は合わなかった。


「うーん、駄目だな。シロナ次行くぞ」


直剣‥‥カッコイイから使いたかったけど‥‥


残念。


それから槍、レイピアと続けて使ってみたが、どれもこれもしっくりこず。


最後に短剣を渡された。


短剣‥‥確かに私のサイズ的にはピッタリ。

軽いし、身軽に動けるし、扱いやすい。

でも短剣は超接近戦になる。


大丈夫だろうか‥‥。


「ん、シロナには短剣だな!」

「うーん。でも私接近戦はちょっと‥‥」

「‥‥怖いか?」


不安気な顔でコクリと頷く。


「まぁ確かに短剣は直剣と違ってリーチが短いからな。‥‥でも俺は向いてると思うぜ」


どこにそんな確信があるのか。


「何でそう思うんだ?」


「シロナって結構華奢な体型だろ?オマケにあの狂ったトカゲからも逃げ続けれてた。要するにすばしっこい。相手の懐に潜り込めるし、避けるのも練習すれば容易になるだろうからって理由だ」


練習‥‥。

正直まだ怖かった。

俯いているとジェイトは言葉を続けた。


「それにだ」

「?」


「さっきの見てたぜ?スゲェ電撃だったじゃんか。接近戦がダメな相手に出会したら、あの魔法を食らわしてやればいい!折角使えるようになったんだ。バンバン使ってこーぜッ!」


ぜ、のタイミングで私の背中をバシッと叩く。


確かに魔法を使えるようになった。

ならいける‥‥のか?


そこで、あの声が頭をよぎる。




《魔法を使うな》



あれは‥‥どういう意味なんだ‥‥。



姿も分からない存在にかけられた言葉に困惑を隠せないでいた。



それから夕方まで短剣での特訓が始まった。


スナップのかけ方。

脚運び。

避ける練習も。


ジェイトいわく、私は飲み込みが早いらしい。

教えられた事は大体覚えた。


最後に魔法がもっと上手くなったら、短剣の刃の部分に魔法属性を纏わせることができるらしい。

だから、私の場合は電撃を剣に纏わせてリーチを伸ばしたりが出来るってこと‥‥。


まぁそれは、まだ私には難しかったので、ジェイトは私専用の短剣を作ってまた来ると言い帰って行った。


今日は沢山動いた。

おかげで全身が筋肉痛でやばい。

特に腕と太ももが‥‥っ!


段差とか登るだけで痛みが走った。


私はコハクの元へ向かって家に連れて帰ったが家にまだルークの姿は無い。


まだ離れにいるのかな。


コハクを肩に乗せて仕事場を覗きに行った。


太陽は沈みかけていて、空は綺麗な茜色に変わっていく時間。

そろそろお腹も減ってきた。


「ルーク?こっちは終わったぞ」


中に入ると数十種類の薬草と薬品が机に散乱しており、ルークは出来上がった薬を瓶詰めする作業をしていた。


かなり集中しているのだろう‥‥。

部屋が暗くなっているのにも関わらず、蝋燭も灯さずにいた。


「シロナか、お疲れ。俺ももう少ししたら終わるから先に部屋で待っててくれ」


「分かった。でもせめて灯くらいつけて仕事しなよ」


「あぁ、悪い‥‥気づかなかった」


私は部屋の壁に設置してあるランタンに魔法で火をつけた。


でも‥‥。

それがいけなかった。



突然激しい頭痛が襲ってきた。


キーン

と耳鳴りもなる。


な、何だ‥‥これ‥‥っ?!

頭‥‥が‥‥っ!

割れ‥‥る‥‥‥‥っ


「う、ぐっ‥‥」


あまりの激痛で、その場で崩れるように倒れた。


視界が暗くなり、シロナ!と叫んで呼びかけてくるルークの姿と、心配そうに顔を覗き込むコハクの姿を最後に‥‥。



私は‥‥気を失った。




失った‥‥はず‥‥だったのだが‥‥。


気づくと私は何も無い真っ暗な空間に、呆然と立ちつくしていた。


「?」


何が‥‥起きた?

ここは‥‥夢か?


夢にしては意識がかなりハッキリしていた。

不思議な感覚。

でもこの空間。

どう考えても現実的じゃない。


果てしなく、どこまでも、どこまでも闇の世界。


しかし一箇所だけ。

ボワッと淡く光る場所があった。


そこを目印に私は足を動かした。


筋肉痛も無いから、やっぱり夢か‥‥

なんて考えながら。


灯りの元へ近づくと、数本の背の高い燭台が火を灯しており。


何か、人のような影の周りに対照的になるよう配置されていた。


人‥‥


いや、違う。


更に近づくと、それは人ではなかった。


大きな鉄の板がバツ印になっていて、そこにソレは鎖で縛り、繋がれたいた。

首に鉄の首輪、足首にも、手首に拘束されている。


黒髪のボサついた長髪。

頭に鋭い角が二本。

右目は前髪で隠れていて、左目の頬に三本の線が入っている。

オマケにドラゴンのような尻尾まで‥‥。


目を閉じていたソレは、ゆっくりと瞼を開き。

その瞳は金色に光っていて、私の顔を見た。


「‥‥あぁ糞が、こんな所にまで来やがりやがって」


ソレの外見はまさに



だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ