第二百三十五夜 大乱闘スマッシュブラザーズfor3DS
一つ、ゲームの話でもしようか。
早いもので、今回が本エッセイのとりあえずの最終回となります。よくもまあこれだけ遊んだもんだ。いや世の中もっと遊んでる人が一杯いるんでしょうけど。
今後は何か新しいゲームを買って、全クリしたらここで紹介するという形を取ります。なので完結扱いにはしません。世にゲームのある限り本エッセイも続く。
さて今回ご紹介するゲームは、最終回に相応しいビッグタイトル。と同時に、発売直後は色々と物議を醸した作品でもあります。
その名も「大乱闘スマッシュブラザーズfor」。本稿で取り扱うのはその内ニンテンドー3DSで発売された「大乱闘スマッシュブラザーズfor3DS」の方になります。
シリーズ初、携帯機で発売された「スマブラ」。携帯機と「スマブラ」の相性や如何に?
本作はニンテンドー3DS中期、任天堂よりニンテンドー3DSにて発売された対戦型アクションゲームです。「スマブラ」シリーズとしては、四作目に当たります。
前作「大乱闘スマッシュブラザーズX」にあった『亜空の使者』のようなストーリーモードは存在せず、プレイヤーは幾つかに分かれたモードの中からどれかを選んで大乱闘する事になります。それではまずは、対戦の基本ルールから。
まず操作方法。本作の攻撃は、全てアナログパッドの向きとボタンの組み合わせだけで出るという単純なものです。
各キャラは必ず四つずつ技を持っており、それぞれアナログパッドを倒さない・左右に倒す・上に倒す・下に倒すの操作をしながら技ボタンを押す事で撃ち分ける事が出来ます。全てのキャラが同様の操作なので、覚えるのは技とアナログパッドの組み合わせだけでOK。
また通常攻撃にも、通常より強いダメージを与えるスマッシュ攻撃というものがあります。下手な技よりも威力が高い場合もあるので、使い分ける事が出来ると戦略に幅が出ます。
出し方は通常攻撃の際、撃ちたい方向に向かってアナログパッドを弾くというもの。慣れないうちはなかなか思うように出ないので、後述のトレーニングで練習しておいた方がいいかも。
ガードとジャンプはボタン対応。ジャンプはアナログパッドを上に倒す事でも出ますが、初心者のうちはボタンジャンプの方が安定すると思います。
他にも相手を掴んで動きを封じ、その隙にダメージを与えられたりも。但しその間は自分も掴んだ相手に付きっきりになるので、他の相手に注意。
本作のルールは至ってシンプル。制限時間内に誰よりも多く対戦相手を場外へと吹き飛ばせば勝利となります。
キャラには体力の代わりに、ダメージの蓄積具合を表すパーセンテージが設定されています。最初は0から始まるこのパーセンテージは、ダメージを受ける毎に少しずつ増えていきます。
パーセンテージが増えていくと、攻撃を喰らった際吹き飛びやすくなります。吹き飛ばされた方は、ジャンプや技で場外に落ちないよう踏ん張らなければなりません。
しかしあまりにパーセンテージが高い状態で強い攻撃を受けた場合、操作不能のまま一気に場外に吹き飛ばされる事があります。これを『バースト』と呼び、対戦中はいかにこのバーストを引き起こせるかが鍵となります。
制限時間が来た時点で撃墜数が同数だった場合はより撃墜されていない方が勝者となるので、撃墜されないよう立ち回るのも大事。自分はダメージを避けつつ、相手により多くのダメージを与えなければなりません。
フィールドには時々、コンテナが出現する事があります。このコンテナは壊すと中からアイテムが現れ、対戦に利用する事が出来ます。
アイテムにはほぼ無制限に使用可能なもの、使用時間や回数に制限のあるもの、一回しか使えないものとがそれぞれあります。一度相手に取得されたアイテムでも、ダメージを与えれば自動的に手放す為そこで奪い取る事が可能です。
また特殊なアイテムとして、『モンスターボール』『アシストフィギュア』『スマッシュボール』の三つがあります。この内モンスターボールとアシストフィギュアは、共にお助けキャラが出現するアイテムです。
モンスターボールからはポケモンが、アシストフィギュアからは過去の任天堂を始めとした参加企業のキャラがどれか一体ランダムで出現し、自分以外のキャラに攻撃を仕掛けてくれます。通常のアイテムと異なり、こちらは後から横取りする事は出来ません。
両者は出てくるキャラの他にも、ポケモンは撃墜不可ですがアシストフィギュアのキャラは撃墜可能という区別がなされています。但しアシストフィギュアのキャラを撃墜しても、撃墜数には数えられないので注意。
更にモンスターボールの中には高確率で伝説級のポケモンが出てくる色違いの『マスターボール』もあり、そちらは出現率も相応に低くなっています。見かけたら必ずゲットしておくべし。
スマッシュボールは、対戦が始まって暫く経過すると飛来してくるアイテムです。このアイテムは何度か攻撃を与える事で割れ、割ったキャラはいわゆる格ゲーの超必殺技に当たる『最後のきりふだ』を使用可能になります。
最後のきりふだはその名の通り、使い方次第で一発逆転も可能な超性能の技。取れれば勿論チャンスですが、取られれば一転ピンチに陥ります。
どのタイミングで攻撃を加えれば、自分の手番で割れるか……。そんな駆け引きも、重要になってきます。
とりあえず基本的な説明はこんな感じです。次からは、各モードの解説に移りたいと思います。
『大乱闘』は最も基本となるモード。一戦毎に使用キャラと対戦キャラを選んで、気楽に大乱闘しようというモードです。
ちょっと時間が空いた時、暇潰しに遊ぶのにピッタリ。携帯機とのシナジーが最も合ったモードと言えます。
大乱闘は『ひとりで』と『みんなで』のどちらかを選ぶ事になり、『ひとりで』は一人プレイ、『みんなで』は多人数プレイにそれぞれ対応しています。筆者? 『ひとりで』しか遊んだ事ありませんよええ。
ちなみに参加人数は『ひとりで』『みんなで』共に2~4人。まずはここで、本作に慣れておくといいかも。
『フィールドスマッシュ』は3DS版のみの一人用モード。広大なフィールドの中を制限時間内に探索してキャラを強化し、最後の対決に挑むというモードです。
フィールド上には至る所に、キャラを強化するアイテムが点在しています。これらを取得する毎に、キャラの攻撃力や防御力が強化されていきます。
但しフィールドには、こちらを妨害する敵もそこかしこにうろついています。この敵にやられてしまうと、折角集めたアイテムが減らされてしまいます。
しかし倒す事が出来れば、逆にアイテムを落とします。強い敵ほど多くのアイテムを落とすので、腕に自信があるならこっちから仕留めに行くのも手。
またフィールド上には幾つか宝箱もあり、中には強化アイテムや、後述のカスタマイズパーツが入っています。基本的にはこの宝箱を探し、フィールドを探索していく事になります。
他にもフィールドを探索していると、時々扉が出現したというアナウンスが流れます。この扉の元に辿り着き中に入ると、様々なミッションが課せられます。
このミッションはクリアすると大量のアイテムが手に入りますが、失敗するとミス扱いとなりアイテムを減らされるというハイリスクハイリターンな代物。難易度も結構高めなので、下手に入るとアイテムを失うだけとなってしまいます。
ちなみに扉の出現には時間制限があり、時間切れになると消滅してしまいます。扉の出現場所のおおよその方向は出現中常にナビゲートが入るので、挑戦したい場合はこのナビゲートを頼りに。
制限時間が来たら、いよいよ最後の対決です。対戦方法は通常の大乱闘の他敵を誰よりも多く倒す、遠く離れたゴールに一番最初に到達するなどバラエティに富んでいます。
対戦方法が何になるかは探索が終わってからでないと解らないので、大乱闘用に攻撃力を中心に上げたら対戦方法が競争だった……なんて事も。どの対戦方法になってもいいように全部をバランス良く上げるか、敢えてどれかのステータスに特化させそれが活きる対戦方法になるよう祈るかはプレイヤー次第。
『シンプル』は連戦を行い様々な報酬を得る一人用モード。一気に報酬を得たい場合は、このモードを主にやる事になります。
まず使用キャラを選んだら、次に『ホンキ度』というものを決めます。これはいわゆる難易度で、2.0を基準に0.0から9.0までの間で決める事が出来ます。
ホンキ度は数値が大きくなるほど難しくなり、それに伴い得られる報酬も多くなります。しかしホンキ度を変えるには、様々なモードの基本報酬として得られる『ゴールド』を支払う必要があります。
そしてコンティニューは無限ですが、コンティニューする度にそれまでに得た報酬の一部を没収されホンキ度も強制的に下げられてしまいます。つまり報酬を失いたくなければノーコン必須。
対戦は全部で六連戦。一戦毎にルーレットを回し、その対戦での報酬を決めます。
しかしこのルーレットが曲者で、ホンキ度が低いうちはハズレの方が多くなっています。幸い目押しは可能ですが、確実に報酬を得たいならやはりホンキ度が高い方がいいという事になります。
対戦前には分岐がある事があり、青→緑→赤の順で難易度が高くなっています。こちらも難易度が高い方がルーレットにいい目が増えるので、確実に先に進むか、危険を侵して報酬アップを狙うかは大いに悩まされる事になります。
対戦相手は、キャラも人数もランダム。二人以上出る時は、同じシリーズのキャラである事が多いようです。
但し最後の六戦目だけはボスのマスターハンドで相手は固定。こちらもホンキ度によって、戦う相手が増えたりします。
見事マスターハンドを撃破すると、ゴールドとそこまでに累積した報酬が手に入ります。しかし途中でリタイアしてしまうと、報酬は一切手に入りません。
またクリア時には、使用したキャラのフィギュアも手に入ります。これはどのホンキ度でもクリアすれば必ず貰えるので、苦手なキャラを使う時はホンキ度を下げるといいかも。
なお一度の対戦につき残機は二人まで。例え途中で残機が減っても次の対戦ではまた残機が二人に戻るので、そこら辺は優しいと言えます。
『オールスター』は一人用モードで、いわゆる総当たり戦。使用出来る全てのキャラと、そのキャラが初登場した年代順に戦っていく事になります。
他モードと違い、こちらは完全に残機なしの一発勝負。難易度は三段階から選べるものの場外に吹き飛ばされたら即終了でコンティニューも出来ず、その上ダメージカウントは全対戦が終了するまでずっと継続されます。
ここまでだと『それ無理ゲーじゃね?』と思いたくなりますがご心配なく。ちゃんと救済措置は用意されています。
対戦は数回に分けられているのですが、その合間には休憩所が設けられています。この休憩所には三つの回復アイテムがあり、ダメージを途中で回復させる事が出来るのです。
但し気を付けなければならないのは、一度使ったアイテムは次の休憩所に行っても復活しない事。三つのアイテムを上手くやりくりし、全対戦を切り抜けなければならないのです。
ちなみにこちらもクリアすると、クリアしたキャラのフィギュアが貰えます。シンプルと貰えるフィギュアは異なるので、是非全キャラ制覇したいところ。
『組み手』は次から次へと出現する敵キャラを倒していくというモード。指定された人数を倒すものと、制限時間いっぱいまで敵を倒すものとがあります。
出てくる敵は技一発で場外に吹き飛ぶほど弱く、技も使ってきません。その分数の暴力で迫ってくるので、油断は禁物ですが。
ちなみにこの時の敵、Miiは自分で本作に登録した奴がそのまま出てきます。友達のMiiを思いっきり吹き飛ばしてみる?
『ホームランコンテスト』は一切攻撃してこないキャラ、サンドバッグくんをどこまで吹っ飛ばせるかを競うというモード。吹っ飛ばしに最適なアイテム、ホームランバットもおまけについてきます。
まずは見えない壁で仕切られている中で、サンドバッグくんにダメージを蓄積させます。但し制限時間が来ると壁が取っ払われるので、そのタイミングで吹っ飛ばせるよう調整しないといけません。
サンドバッグくんを吹っ飛ばした最高記録はキャラ毎に記録され、残り続けます。競技場に時折置かれているフィギュアやカスタマイズパーツにサンドバッグくんが触れれば手に入れる事も出来ますが……上手くそれらがあるところに吹っ飛ばせるかは本当に運なので、期待しないように。
『スマッシュボンバー』は触れると10カウント後に爆発するというキャラ、バクダンくんを吹っ飛ばし、障害物やターゲットが壊れる事で加算されるスコアを競うというモード。前作まであった制限時間内にフィールドのターゲットを全て破壊する『ターゲットをこわせ!』に代わっての収録となります。
バクダンくんは二回まで吹っ飛ばす事が出来、二回目の方が威力が上がります。また爆発前の体当たりや破壊された障害物の残骸でも障害物やターゲットは壊れるので、これを上手く利用し一度に多くのものを巻き込む必要があります。
二回で全てのターゲットを破壊出来るとパーフェクトとなり、ボーナス点が加算されます。また時々フィギュアやカスタマイズパーツが破壊対象として混じっている事もあり、見かけたら是非ゲットしておきたいところ。
『トレーニング』は思う存分操作の練習が出来るモード。トレーニング相手も設定出来、攻撃してくるかしてこないか、移動するかしないか、更にはダメージのパーセンテージまで自在に選ぶ事が出来ます。
アイテムも好きなタイミングで好きなものを取り寄せられるので、アイテムの使い方を覚えるのにも役立ちます。最高コンボ数も記録されるので、どこまでコンボを伸ばせるかやってみる?
『フィギュアラッシュ』はフィギュアやカスタマイズパーツを大量獲得する為のモード。ゴールドを支払って、上から降ってくるブロックを制限時間いっぱいまでひたすら壊すのが目的です。
このモードを遊ぶには、必ずゴールドを支払う必要があります。遊べる時間は最短三十秒で、一秒遊べる時間を増やす度に更にゴールドを上乗せしなければなりません。
基本的に邪魔は入りませんが、ブロックに押し出されて場外に落ちてしまったりブロックが上方のラインの上まで積み重なってしまうとペナルティとなり場のブロックは一旦リセット、残り時間も減らされてしまいます。なのでペナルティとならないよう、上手く立ち回る事も重要になってきます。
またブロックを壊す毎にゲージが溜まり、ゲージが一杯になると何かしらのアイテムが入っているブロックが一定時間大量に降ってきます。最短三十秒だと大体これが始まったところで終了してしまいがちなので、ある程度はゴールドを上乗せしておいた方が確実。
『すれちがい大乱闘』は3DSのすれちがい通信を利用したモードで、外ですれちがった本作を遊んでいるユーザーとミニゲームで対戦しようというモードです。別名ぼっちお断りモード。
本作のユーザー同士ですれ違うと、一度に最大11人までが保存されます。それらは全て、コンピューターが動かす対戦相手となります。
対戦方法を一言で表すなら、ベーゴマ。トップビューの盤上で相手のコマとぶつかり合い、自分のコマ以外を盤外に落とせば勝ちとなります。
見事勝利すると、ゴールドなどの報酬が貰えます。自分以外は全て敵、という性質上、参加人数が多いほど報酬は上がっていきます。
なお誰ともすれ違ってなくても遊べる事は遊べますが、報酬は微々たるものになります。いやちゃんと報酬が出るだけ有情なのか。
本作の特徴と言えば、何と言っても参戦キャラ数。全員参戦を謳った最新作「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」には流石に劣るものの、初期状態で使えるキャラが37名、対戦を重ねる事で使用可能になるキャラが12名、ダウンロードコンテンツで購入可能なキャラが7名と対戦ゲームとしてはかなりの数です。
発売当初は前作からリストラされたキャラも結構いて、それが批判された事もありましたが、ダウンロードコンテンツでそれらキャラの何名かが復活するとそういう声も弱まりました。まあ3DSのスペック的な問題でどうしても参戦させられないキャラもいましたが……。
またキャラはゲーム内で集めたカスタマイズパーツでステータスを、更にダウンロードコンテンツのキャラ以外は技も自由にカスタマイズする事が出来ます。但しオンライン対戦ではどちらもデフォルトの状態でのプレイになりますが。
原作で男女を選べるキャラはカラーバリエーションに男女両方入ってたり(ボイスのあるキャラは声も変わる)、そもそもカラーバリエーションで全くの別人になったりなど単純な性能以外の部分にも力が入っており、製作陣の意気込みが感じられます。とりあえずルフレやむらびとを女でしか使った事のない人手を上げなさい。
また操作キャラにならなかったキャラもアシストフィギュア、アシストフィギュアにならなかったキャラも収集アイテムのフィギュアで登場と単純な登場キャラで言えばかなりのものです。フィギュアには出展と解説も載っているので、知らない作品のキャラでも安心。
ちなみにこのフィギュア、各モードの報酬以外にもゲーム内ショップで購入する事も出来ます。ただ相応に高い上に、必ず欲しいものが店頭に並ぶとは限らないのですが……。
概ね楽しかった本作ですが個人的な不満が一つだけあって、それがクリアゲッター。いわゆる実績やトロフィーの類です。
このクリアゲッターの中に、すれちがい通信必須のものがあるのです。一応一ページにつき三回まで無条件でお題をクリア状態にしてもいいという救済措置はあるのですが、へっぽこな腕の筆者、それは環境的にではなく技術的に無理なお題に使いたい。
これだけは本当に何とかして欲しかったです。強制的にお題クリア使わされるの辛い……。
携帯機である事を活かそうとした試みに若干の不満はあるものの、本作が初の「スマブラ」だった筆者でも楽しく遊べた辺りは流石の超人気シリーズ。でも今からやるなら流石に最新作をお勧めします。
とりあえず、今回はこれにて。また会う日まで!




