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別々に包んでもらって、急いでドナのとこに戻って、お城に戻ってきたんだけど。
何であたし、メソメソ泣いてる王様と王子様に両側から抱きつかれてるわけ? ってか、まだ帰ってなかったの? 帰るの、今朝じゃなかったっけ?
「ユノに挨拶をしてから帰るつもりでいたらしくて、ずっとこの状態よ」
呆れ果ててる母さんに聞いて、やっと納得したよ。
ってか、たったそんだけのことで泣いちゃうの?
「ホント、王様も王子様も情けないよね」
男なら泣くのは親が死んだ時だけにしろ、って言われてるじゃん? まあ、実際には、年若い兄弟姉妹が戦死しても泣くけど。
もうこれっきり、二度と会えないってわけじゃないんだし。何でそこまで大泣きしてるわけ?
「……うぅ……やはり、セイガもマノもユノもいない国には帰りたくないぞぉーっ!」
「さっさと帰って」
ニッコリ微笑んで、母さんが間髪入れずに突っ込んだ。
「向こうの仕事をきちんと片づけて、しっかり時間を作った上で、事前に連絡をくれれば、半日くらいならユノを愛でに来てもいいけど……兄さんじゃ、無理よね」
ガバッと顔を上げて、王様がメッチャキラキラした目で母さんを見てる。ついでに、王子様も同じ顔して、やっぱ母さんを見てて。
「やる!」
「頑張る!」
二人そろっていい返事をして、グッと拳を握り締めた。
さっすが母さん、お見事!
って、まあ、王様たちがやる気なのはいいけどさぁ……それって、あたしを人身御供に差し出すってことだよね?
あたしの都合もあるんだけど?
「じゃあ、頑張ってきてね? 今頃、仕事がたっぷりたまっていると思うけど」
笑顔の母さんに言われて、王様も王子様も、ほっぺたとかがピクッて引きつってた。
そりゃあ、いきなり何日も留守にしたんだもん。しょうがないよね。ってことは、しばらく来ないってことだよね?
やった! エレンさんの暇な時に、やっとヘザーに会いに行けるよ!
王様と王子様は大人しく、すごすごセイライ国に帰っていった。
お昼には、まだちょっと早い時間だからかな? 部屋に戻ったら、リディとグレースがいて。
「お帰り、ユノ」
「ユノさん、お帰りなさい」
「たっだいまーっ!」
笑顔で出迎えてくれたし、早速戦利品見せちゃうよ!
「今ね、エレンさんとリアムと、リーグレーネの街に行ってきたんだけど。いい感じの銀細工作る職人さんがそっちにいるって聞いて、見てきたってわけ」
言いながら、あたしの分の袋を開けて、中身を取り出して。
細い鎖の先には、ちょこんと座ってるヘザー。
「これ、竜?」
「……あ、騎竜、ですよね? 賢そうな顔の子ですね」
わわっ、嬉しい!
エレンさんと、ヘザーに似てるよね、って話したこの首飾りの子が賢そうって、すっごく嬉しい!
「あたしの竜になるって決まってる、ヘザーって子が騎竜の里にいるんだけどね。その子に似てるんだよ。エレンさんも似てるって言ったくらい、そっくりなの!」
落とさないように、鎖をギュッと握って。ユラユラしてるヘザーを、リディとグレースに見せる。
グレースは指で、ちょいちょいってつついてて。リディはリディで、ジーッと見てニッコリ笑ってるし。
「ただね、これ、恋愛成就のお祈りが込められてるらしくってさぁ……」
そう言ったとたんに、リディがブッて噴き出した。うん、わかるよ。あたしもすっごい迷ったしね。
結局、つけない前提ってことで買ったんだし。
「これ以外にヘザーそっくりな子はいなかったし、見るためだけに買ったようなもんだよ」
「つけないのですか? 込められている願いはともかく、せっかくですから、身につけたらいいと思うのですけれど……」
「どうせ影響はないでしょ? つけてもつけなくても一緒よ」
影響ないってのは失礼だよ! んでも、まあ、そうだよね。叶えたい恋があるわけじゃないし。
普段はどうせ服の下になるんだし、確かに、つけててもいいよね?
留め金を外して、首にかけて、留め金をはめて、っと。
んー? あたしの胸の上くらいの位置に、ヘザーが来るってことは……革鎧着たら、思いっきりつぶしちゃうよね? でも、上だと、鎖が切れた時とか、どっか飛んでっちゃうかもしれないし……うーん。
もうちょこっと、長い鎖を買ってこないとダメかなぁ。
「ねえ、ユノ。それ、細い革紐に変えたら? 鎧つけると、鎖は痛いでしょ?」
「え? あ、そっか。そうだよね」
そういえば、だから、将軍にあげるとしても革紐がいいかな、って思ってたんだっけ。
革紐にするなら、長さも自分で決めれるし。うん、そっちがいいよね。
「じゃあ、お昼食べたら街で買ってこようっと」
忘れずに、将軍の分も買わないとね!
「ユノ、そっちの袋は開けないの?」
「そっち? あ、それは開けないよ。将軍が誕生日だってエレンさんに聞いたから、いっつも騎士様と訓練させてもらってるお礼も兼ねて、あげようって思ったやつだもん」
あたしが言ったら、リディもグレースもびっくりした顔になったんだけど……何で? 別に、驚くことじゃないよね?
それとも、エレンさんが将軍の誕生日知ってることに驚いたのかな? それなら、何となくわかるけど。あたしもびっくりしたし。
「……あたし、時々、ユノの考え方がわからなくなるわ」
ふうってため息ついて、リディは何回か首を横に振った。グレースが困った顔で、小さく微笑んでて。
あたしって、単純って言われてるんだけど。見ててもわかるとか言われるんだけど……それでも、わからないものなのかな?




