私の知らない結末を
彼らが逃げ込んだのは教会のようだった。
でも中に彼ら以外に人はいないようだ。
そこで隠れて私たちは窓から様子を見ていると、もう一人女が現れる。
「上手くここまで連れてこれたわ」
「誰だお前は」
「私は男爵令嬢のシアルですわ。名前も覚えていただけなかったなんて悲しいですわ」
そう言っているが私もあの女は知らない。
ゲーム内の記憶にいない人物だ。
これは一体と私が思ってみていると、
「王子と一緒にいるのが侯爵令嬢でなくて助かりましたわ。あの女に私の力はとても聞きにくい……今王子たちも彼女と一緒にいたから聞きにくいようですが、彼女がいなければ幾らでもどうにでもなりますわ」
「何を言っているんだ」
「私は貴方をてに入れるため、婚約破棄の方向にもっていくよう誘導したのですよ“認識操作”によって。その女性に好意があって、あの侯爵令嬢の婚約者は、他の男と仲がいいと悩んでいるのは知っていましたから」
それを聞いて私は何のことだと思う。と、
「確かに彼女はオズワルドとだれがどう見てもお互い仲がいいのは分かっていた。それを利用したのは事実だ。僕は自分の気持ちに素直でありたかったから。でも、彼女に呪いをかけた疑いは、まったく晴れていない」
「そうですの? 素の呪いをかけたのは私ですのにかわいそうな公爵令嬢。私がすべての黒幕。貴方を手に入れるためののね。では、再び……今度は呪いではなく貴方のすべてを忘れさせましょう。上手く護衛を巻いてふたりっきりになっていただけて、ようやく私は本願を達成できますわ」
そう言ってその女は手を伸ばす。
私はそこで駆けだした。
オズワルドもすぐに躍り出る。
と、そこでその女が
「面倒な邪魔が入りましたこと。いっそここで始末をつけましょうか、この方達も護衛がいないようですし」
そう言ってナイフが私の方に飛んでくるけれどそれを叩き落す前に、オズワルドが剣でそれを叩き落す。
にらみつけるオズワルド。
女は相変わらず笑ったままで。
「“認識操作”を強化して邪魔者を排除しましょう。ここならば誰にも見つからず三人を操りまずは一番私の力に影響がある貴方を消してしまいましょう」
「……全部あなたが仕組んだの?」
「ええ、そうですわ」
「それでその王子がそちらの女性が私を好きで、私はオズワルドと仲がいいのは、知られていること?」
「ええ、そこに私は手を出していませんわ」
「それならもういいわ。“世界改変”」
私はそこで力を使う。
彼女はよく分からなかったようだけれど、何かをしようとして、
「なんで……力が……何をしたの?」
「さあ、何をしたのかしらね。そして、捕まえさせてもらうわ」
そして私は逃げようとした彼女をとらえたのだった。
どうやら彼女によってこの婚約破棄がひき起こされたらしいのだけれど。
私はオズワルドと仲がいいと思われていて、しかも感情が他の女性に向いていたから婚約破棄はそのままにすることに。
特殊な力を持つ謎の女に仕組まれた出来事だったそうだ。
私のせいでなかったことと婚約者の王子がその女性とが仲のいいことなどを見ていると引きはがせなくなってしまった。
そうしてその出来事は終わったところで、私はオズワルドに私の力について聞かれる。
「この世界を好きなように【書き換え】ができる力よ。それに私は、全ぶでゃないのだけれど、今回の婚約破棄が起こるまでの出来事を知っていて……私なりに王子に好きになってもらおうと頑張っていたの。だって、好きな相手の気持ちくらい自分で手に入れたいもの」
「なるほど。貴方らしいです。それで、一つ聞いていいですか?」
そこでオズワルドが悩むかのように、
「私が貴方を好きな気持ちは、貴方が作り上げたものですか?」
「貴方が私を勝手に好きになったのよ……私はまだ自覚はないけど周りはそう見ていたみたい」
「そうですか。ではどうするのですか?」
そう聞いてきたオズワルドに私は妙に胸が高鳴るのを感じながら、
「ナイフからも助けてくれたし……しばらくデートからよ」
「よろしくお願いします」
そう言って微笑んだオズワルドに私は、先ほど以上に妙な胸の高鳴りを感じてしまう。
意識しだしたら変な感じだ。
そんな私達が再度婚約することになるのは、それから一週間後の事だった。