旅路Ⅱ-14
・・・あまりの変化そして突然の変形開始その両方が同時に訪れた為に呆然とすること暫し・・・
思考能力が復帰を果たした。
「・・・なんというか・・・変わったなぁ・・・」
目の前に表示されているホログラムを眺めつつ出た言葉がそれだった。
よく人は驚きが大きければ大きい程その後に出る語彙が貧弱になると聴いた覚えがあるのだが、自身がそれを体験すると本当に在り得る事なのだと実感出来たのだから世の中何があるか判らないものだ。
「そうだねぇ・・・っていうか変わり過ぎな気も・・・」
「ま・・・まぁ、前の形態より取り回しが楽になったんはいいんやけど・・・変わり過ぎやん!」
「前は箱でしたけど・・・今の姿はまさしく戦車ですね・・・コレどれだけギミックが隠されているんですかね?」
とは、ヒカル・イリス・ライルの順で発せられた言葉。
特にイリスは誰もいない空間に豪快なツッコミを言葉と同時に入れていたのは敢てスルーしておこうと思う。
「ツッコンでぇなぁ・・・寂しいわぁ」
イリスがぼそっと何か呟いていたがそこもスルーである。
関西系の身体を張ったギャグというのは時として終わりが見えなくなる・・・
ツッコミの仕方をダメだしされてレクチャーされる事で延々と続いてしまうそれで一日が終わってしまうというある意味濃い『お笑い道』に足を踏み入れる嵌めになるというのが俺個人の認識な訳だ。
故にスルー一択を決め込むのが当然の理屈である。
「確かに前の箱っぽい形態よりは取りまわしが楽にはなってるんだろうが・・・全容を把握するのに時間が懸かりそうな気がする」
新たに使用可能になった兵器群だけでもザッと見積もっても4つはあり、初期状態から使えはしたのだがその内容を俺が把握していない未使用兵器も併せるとその数は10を超える訳だ。
それが故に把握に時間が懸かるという言葉が出た訳だ。
その兵器群を軽くリストアップしてみると
・ソニックカノン
・地対地多弾頭ランチャー
・自律誘導式浮遊爆雷
・対地自走型地雷
・電磁波照射型行動阻害装置
文字だけでもその性能を測れるものから詳細を読まないと把握し切れない兵器まであり、全てを把握しそれを戦闘運用するにあたって効率的に用いる様にするにはそれなりの時間を取られるのは間違いない事実だろうと思われる。
「ですよねぇー・・・はぁ~・・」
「やねぇ~・・・」
「困ったねぇ?・・・」
と、ライル・イリス・ヒカルの順で呟かれた言葉。
それはそれとして方針を俺に一任するというか丸投げにしている感が窺がえるのは如何なものだろうか?
馴染んできていると言えば語感は良いのだが、少しは一緒に考えて欲しいと思うのは俺の我侭なのだろうか?
そう思って件の三人へと視線を向けると、イリス・ライルはあからさまに顔を背け視線を合わさない様にしているのだが、ヒカルはニコニコと微笑んだままコチラの視線を受け止めている。
しかも、何時の間にか居た戦闘用動物の1体であるラップを腕に抱きかかえまま微笑んでいるのだ。そういった何気ない行動はヒカルが内にの持っている強かな一面が窺がえるのだが・・・
ヒカルに突っ込んでも流されてしまう気がするが、そこはコチラも同様に流す事にするしか現状手段がないのが現実。
そのままステータス画面を開く事で話を打ち切って現在のリアル時間を確認する事に
時刻に目を向ければ21:50との表示であり、明日も授業があることを踏まえるとログアウトするには丁度良い時間であるだろう。
「細かい事はさて置いて・・・21:50か・・・取り敢えず区切るには良い時間だな?」
と告げると顔を背けていた二人もコチラへと向き直り
「「「考えるのは別の日にとういう事で」」」
打ち合わせでもしたのか?と思える位揃った声が三人から返ってくる・・・
それなりに伐が悪いとは思っているらしいのが窺がえる声の揃い具合であるのは言うまでも無いがそこも流すのが筋というものであろう。
些か個人的に不満ではあるが、戦闘中はそれなりの無茶をさせているという自覚もあるから『お互い様』なのだろう。




