NPCの町-6
情報収集から一晩たった翌朝。
この世界では夜の時間帯になるのは、余談。
そんな事はおいて、俺達はハンターオフィ向かう出向く事になった。
理由はと言えば?俺達の車両は大型の陸上戦闘艦であり、積載量に余剰が存在しているのが1つ。
戦闘能力面と防御能力は折り紙付きで、更に言うなら移動速度に関しても、近隣のNPCハンター達の車両と比較にならない速度を有している事が2つ目になる。
その事から、この町のハンターオフィス代表から直々に指名依頼が来たため、その確認の為に向かう事になった訳である。
道中何事もなく、ハンターオフィスへとたどり着きオフィス内へと入ると、柄の悪そうなNPCハンター達が此方を値踏みする様に視線を向けてくるが、俺達はそれに取り合わずオフィスカウンターへ向かい、職員に指名依頼の件で此方に来たことを告げると、職員にオフィスの奥の通路を指し示されて、その奥の部屋に向かうように告げられる。
それに頷き返すことで了承し、3人で通路奥にある部屋へと向かう。
部屋の前に立つと、扉をノックするとくぐもった短いいらえが返ってくる。
それを聞き取って、「失礼します」と告げて室内へと入ると「ソファーへどうぞ」との声がかかる。
室内には、ハンターオフィス支部長と思える老人と秘書官とらしき女性が既にソファーに座って俺達の来訪を待っていた様だ。
老人の正面になる様に座ると、ヒカルとイリスは俺の左右に別れて座ると支部長が唐突に口を開き
「済まんの若いの。指名までして依頼を出した事を先ずは侘びよう。
次に、依頼内容だがこの町で作られた銃器を、ここから西にある町へ輸送して貰う事が内容となる。
で、それを受けて貰えるかな?」
オフィスまで俺達を呼び出した事を侘びて、依頼内容を告げた上で、受託の可否を告げてきたのだ。
聞くだけなら、此方に選ぶ権利があるように思えるのだが
「先ず、窺いたいのだが?この指名依頼を断る事での俺達が不利益を被るのかが一点。
運ぶ銃器が移動中に破損した場合に俺達へ懸かるペナルティーの有無が一点。
最後に、依頼の報酬額の提示が為されていない事。
それらが提示されていない理由は何故?」
支部長の目を見据えて尋ねる。
聞く限り単なる輸送クエストではあるが、支部長から直々に指名されての依頼というのがキナ臭い。
しかも、提示されない報酬額が更に一層キナ臭さを感じさせる要因に為っているのだ。
「受けるかどうかを此方が尋ねれば、不信を感じた理由を出した上で尋ねてくるか・・・見た目に反して鉄火場を潜っておるのか」
支部長もまた俺からの視線を反らすことなく、俺を見据えたまま小さく呟く
「受けるか受けないかを此方が聞いたのに、依頼の裏があるか聞くとは失礼ではないですか!!」
支部長の隣に座る秘書官が、金切り声をあげるが俺はそれを無視する。
交渉相手は、秘書官ではない。
ハンターオフィスの支部長である。
「それには、答えられんな?・・・と言ったらどうするね?」
ニヤリと笑みを浮かべつつ、聞いてくる。
「依頼の受託の可否を出すに値しないな・・・このまま、依頼を聞かなかった事にして、町を立ち去るだけさ・・・」
表情を変えない様に意識しつつ、そう答える。
俺の言葉を聞いてますます金切り声を上げる秘書官、それを無視して、支部長の目を見据え返答を待つ。
「そうか・・・ハンターオフィス権限で、お前達の車両を取り上げると言ったらどうするね?」
今度は脅しをかけてきたのだが・・・俺達には無意味でしかない
「権力と権限で脅しか・・・俺達が所持する1車両とこの町所属のハンターが有する複数車両とが戦ってこの町所属のハンター達が勝てるとでも?」
至極冷徹に告げつつ、殺意を籠めて支部長を見据える。
その一言で支部長の目に怯えが浮かび、顔色が徐々に青みを帯びてくる。
そのまま、見据えていると支部長はガタガタと全身を震わせている。
そのじっと顔を見れば、此方へ向けてくる感情は恐怖に彩られていて、このまま話を進めるには困難であろうと思われるた
先程まで金切り声を挙げていた秘書官もまた支部長と同様に恐怖を感じているらしく、顔を青くし黙っている。
殺気を出したつもりはなかったのだが、支部長に向けた余波を喰らったらしいが同情には値しないだろう。
何故なら支部長付きの秘書官であるなら、行き過ぎた行為を止めるべきである筈で自ら進んでそういった横暴な行為に加担する行為に及んだ以上、同列でしかないのだから・・・
「これでは一切話にならんな・・・失礼する。」
そう告げて、ソファーから立ち上がるとそのまま3人で部屋をでていく。
持ち直した支部長が、再び変な気を起こす前に町を出る事に俺達の意見は早々に離脱という意見の一致となりそのまま、ハンターオフィスから陸上戦闘艦へと向かう。
陸上戦闘艦の前で多少揉め事はあったが、些細な事なので省く。




