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旅路-7

太刀のあまりの切れ味にやる気を無くし、二人に断ってログアウトしてから数日後。


俺達はふね上部甲板アッパーデッキにいた。

理由は至極単純な理由で、このふねの武器庫にあった長距離狙撃用ライフルが収納されている棚を武器庫で見て回っていたイリスが其所そこからこのライフルを見つけ出し、その威力を知りたいと言い出しヒカルもそれに相乗りした為に結果として、俺がその長距離狙撃用ライフルの試射を担当する嵌めになった訳である。


射撃担当になった理由だが、俺が銃器射撃の技能スキルと長距離精密射撃の技能スキルを取得していたからである。


銃器射撃の技能スキルはヒカルやイリスも取得してはいるが、あくまでも牽制目的での取得に過ぎない訳だ。


専門の戦闘職はパーティーでは俺だけであり、長距離狙撃用ライフルを持ち歩く筋力を持っているのも俺だけ、故にお鉢が回ってくるのは至極当然の流れだろう。


さて、現状だが俺は伏せ撃ちの姿勢で、長距離狙撃用ライフルを構えていた。


俺が伏せ撃ちで構えているライフルだが、


【バルツアーⅡプルート】

使用弾:15㍉マグナムライフル弾

有効射程:5500㍍

最大射程:13000㍍

初速1200m/s

全長:3.5㍍


という性能の長距離狙撃用ライフルであり、総重量も75㎏という現実世界でも単独で持ち歩くには苦労する重量の代物である。

このライフル最大の特徴はストック部分にある。

射撃による反動を軽減する為にストック部分が油圧式ダンパーと空圧式ダンパーを組み合わせた衝撃吸収機構ショックアブソーバに為っているものである。

銃身自体にも衝撃吸収機構ショックアブソーバが組まれており、二重の意味で射手を保護する目的で作られている長距離狙撃用ライフルである。


装填ボルトを引き、薬室チャンバーに弾丸を弾倉マガジンから送り込み、装填ボルトをロックする。

それを目視で確認して、狙撃用スコープを覗き込む。

狙撃目標として選んだのは、太刀の切れ味を試したステルスエイプで、此方こちらとの距離は3000㍍程でお互いに目視が困難な距離。


狙撃スコープを覗き込みながら、ステルスエイプの様子を窺い視る。

視認が難しくとも、此方こちらの意図を察する可能性はあり得る。

データーで作られた存在であっても、ステルスエイプ自身はこの世界において野生の生き物である。

遠距離から狙われている事を感知するすべを持っていると想定すべきである。

覗き込んでいる範囲では、なんら変わった様子は窺えない。

照準十字ターゲットレティクルの中央にステルスエイプの眉間を合わせる。

呼吸を一瞬止め、引きトリガーを引き絞る。


"ドゴンッ!!"


銃声ではあり得ない音で放たれた弾丸は、狙い通りにステルスエイプの眉間を貫いたのは良いが弾丸が巻き起こした衝撃によってステルスエイプの身体をも砕いていた。

具体的にいうと、ステルスエイプの残っている部分は両足と両肘から先の部分のみである。

明らかなOverKill(オーバーキル)であろう。


「・・・あ~・・・なんちゅうか・・・孔を開けるっちゅうか、狙った対象を破壊するちゅうんがシックリくる威力やんなぁ~・・・」


ふねの艦外映像を映し出すウィンドウをヒカルと共に見ていたイリスがそう宣う。

俺としても、同意見しかない。


「・・・これってあくまでも銃なんだよね?・・・威力だけみたら・・・砲撃と変わらないんじゃぁ・・・」


と、ヒカルが呟きを漏らす。

この銃自体が対物狙撃銃アンチマテリアルライフルにカテゴライズされる代物である。

装甲や建物を撃ち抜くのが目的に作り出された

高威力長射程の弾丸を放つ目的の狙撃銃なので、見方によっては砲撃と変わらなくもないのも確かである。


俺は伏せ撃ちの姿勢から起き上がり肩をグルグルと回しながら


「元々は、歩兵が装甲に覆われた車両とかの戦車の操縦者を装甲毎撃ち抜いたり、戦車の内部を破壊する目的で造り出された、対戦車ライフルがこの狙撃銃の起源だからね・・・携行型の砲といっても差し支えはないかな?」


と告げれば、二人とも納得の表情で頷いている。

以前と同じく取得アイテムはステルス回路が一つのみで、動力炉は取得出来なかった。

小型の高出力動力炉はレア度もあって中々取得は難しい様だ。


太刀に使った小型動力炉の取得は運が良かったと見るべきだろう。

今後取得出来るチャンスはあると良いのだが・・・


「AI。排除が難しい障害があるなら報告を、それ以外は迂回措置か砲撃で障害を排除せよ。

プレイヤーに対しては、発言内容次第では以前と同じ対応を・・・救助を要請している場合は・・・予備共有スペースに収容。様子をみる」


『了解』


俺が出した指示を即座にAIが実行する。

ふねが停止状態から動き出すのを確認して、長距離狙撃用ライフルを持ち上げて肩に担ぐ。


「俺は、コレの手入れを武器庫でやって、格納してから、ベッドルームに引っ込むが二人は?」


そう告げると二人からは、リビングスペースで休憩がてら、お菓子づくりをするとの事。


俺に聞かれたくない話もお互いにあるだろうと思うので、作ったお菓子が余りそうなら呼んで欲しいと一言告げて、武器庫へと向かう。


何が話し合われるのやら・・・


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