表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/64

旅へ-8

思考操作で取り敢えず、ステータス画面を開き時刻を確認すると、20:30と標示されている。


時刻標示はデフォルトでは、24時間標示でありプレイヤー自身が時刻標示の変更を行う仕組みとなっている。

俺は、12時間標示だろうが、24時間標示だろうが関係はないので、デフォルト標示のままにしておく。


現在は、ゲーム内は明るいので時刻の確認は必要であろう。

このゲームが他のVRMMOと違う点が1つ存在している。

それは、リアル時間で48時間毎に昼と夜が入れ替わる仕組みが取り入れられている点だ。

簡単にいうと、48時間は昼でありまた、夜も48時間あるということだ。


これだけ、昼夜がリアル時間で長いから故に自身が時刻を逐一確認する必要があるという訳だ。


取り敢えず車両整備がキリの良い状況になったのであろう。

イリスが、リビングスペースへと戻ってきたので、聞いてみることにする。


「ところで、二人は何時ごろまでログインしているつもりだ?」


と、聞くと二人から


「「眠たくなるまで」」


との返事に思わず脱力してしまったのだが、このゲームの昼夜の時刻設定の状況を知っている範囲で告げると、二人は慌てた様にそれぞれのステータス画面を開いて時刻を確認する。


「ところで、ジン?何でこのゲームはこんなに長く昼夜が設定されているか判るん?」


と、イリスが尋ねてくる。

しかしながら、ヒカルも同じ疑問を抱いているのか、イリスの質問の後でしきりに頷いているのが見えた。


「うーん・・・これは、あくまでも推測でしかないが」

と前置きして


仕事がある社会人もこのゲームをやっている。で、短い夜間狩りでは満足出来ないという人達から意見があった筈だ。

VRMMOのゲーム内時間の加速があるにはあるが容易には使えない、更に世論にはこのゲーム内時間の加速について賛否両論がある。

また、脳科学の分野に於いても加速が脳に与える影響力が解明されきっている訳でもない。

だから、下手にゲーム内時間を加速させる訳にはいかない訳だ。

では、どうするか?となると増やすしか無い訳だよな?その結果として、12時間毎の昼夜の入れ替わりではなく、24時間よりも昼夜の入れ替わりを長く設定すれば良いとしたからのでは?


という、説明をする。


合っているかは分からない。

が、社会人の中には特定の時間にしかログイン出来ない人達もいる訳で、その中には夜の狩りだけやりたいという人達が少数ながらいる訳だ。

その人達からの要望を満たす手段としてもこの時間設定は有効性は在るだろう。


また、昼夜の入れ替わりがリアルより長いのだから、自身で常に時刻を確認しなければならなくなるので、学生が夜更かしするのも防げるのでは無かろうか?

まぁ、夜更かしする学生は夜更かしするから大して意味は無いかもしれない。


「AI、プレイヤーがログアウトしている間はこのフネの存分扱いはどうなっている?」


疑問が出てきたので、問い掛けてみると・・・


『プレイヤーがログアウトしている場合、それぞれの車両はログアウト地点で座標固定され、外部からの影響から遮断されます。

また、プレイヤーが複数乗車している場合は、プレイヤーがログインした時に座標固定から外れ、外部からの影響を受ける様になります。』


という答えが返ってきたのだった。


「ってことは、このメンバーの誰かがログインしてきてて、ワンダリングモンスターに出合ったりする場合もある訳やね?」


確かに、ヒカルやイリスだけがログインしている場合にそういう事が起こらないとは言い切れない。

車両戦闘の技能スキルを持っているのは俺だけであり、ヒカルやイリスがそういう事態に陥った場合、苦戦は必至と考えておく必要がある。


「その場合は、その地点から動かない様にして、隠蔽ハインティング光学迷彩ステルスフネを隠しておくとかの処置はすべきだろうな?」


と、口にする


『了承!艦の航行設定を実行します。』


AIが俺の話で二人に出した例案を即座に実行に移す事にした様だ。

世話焼きにも程度があるが、度を越しすぎてはいないだろうか?


「AIの思考判断力高っかいなぁ・・・」


イリスが小声で呟けば


「無駄に高性能ハイスペックだよねぇ・・・」


唖然とした表情を浮かべつつ、ヒカルも小声で呟く。


「人間味ありすぎだろ?このAI!」


呟きが聞こえない様な声量でAIの感想を述べる。

どれだけ、このゲームの開発者達はAIの思考を開発するのにどれ程の時間を懸けたのだろう?

フネに登載されているAIでこれなのだから、身体を与えられているNPC のAIはどれだけ凄いのか想像出来ない。

下手すると、プレイヤーと見分けがつかないレベルではないだろうか?


ただ、俺達はそれを実感するのは当分先の事だろう。

ただでさえ「始まりの町」にさえいないのだし、そこへ向かう旅路にあるのだから。


「取り敢えず、俺は後2、3時間位でログアウトさせて貰うよ?」


先の見えない事はさておいて、俺自身の都合を二人へと告げる。

すると、二人も同じ時間帯を目処にログアウトするとの事。


イリスはそれにプラスして、俺とヒカルにフレンド申請をしてきたのだった。

フレンドであれば、お互いにログイン状況を確認する事が出来るし、メールでのやり取りでログイン日時をあわせる事もできるからだ。


断る理由も無いので受けておく事にする。

都合があわない事も、有り得るのでログイン出来なくても、メールのやり取りで話し合いが出来るメリットは大きい。


ヒカルも同様に受けた様で、ニコニコと微笑んでいてイリスはと見ればヒカルと同様に微笑んでいた。

微笑んでいる理由が何であるかは、深く突っ込まない方が良いだろう。

二人が険悪な間柄になるのは避けたいし、その険悪な原因が俺への感情が発端になるのだけは・・・


修羅場は端から観ているなら他人事で笑っていられるが、恋愛感情が恋人未満を発端とした男女の修羅場は恐ろしいのだ。

どちらの女性にも恋愛感情を抱いてないが故に答えを出せない男女の修羅場ほど恐ろしい修羅場はないだろう。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ