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旅へ-1

急激なレベルアップのステータス操作に追われ、取得可能な技能スキルが増えてその取得に3人で相談しつつ取得し、その作業も一段落する。


「何?今の大量レベルアップって?」


とイリスが問い掛けてくる。

それに対して俺は


「あくまでも予測なんだが、ドッグハッチの前に何らかの原因でミュータントモンスターが溜まっていたんだと思うが?そこに砲撃をハッチに加えた為にハッチが破片になってモンスターを潰したんで倒したと判断されて、レベルアップになったんじゃないか?」


パーティーメンバーへの経験値と所持金の配分はデフォルトでは、一律均等配分になっている。ステータス操作ウィンドウの配分操作画面を開きその情報を見つつ告げる。


「その原因って?」


とヒカルが問い掛けてくるが、俺にもそれは分からないので首を振ることで分からない事をつたえる。


「ウチの後を追いかけてきたんやったらドッグ内に現れるやろし・・・わからんなぁ・・・?」


イリスもまたその原因を考えた様だが、結局分からなかったらしい。

俺達がいる地点はまだ、俺達以外のプレイヤーが進出していない辺境である。

故にモンスターの生態も分かっていない。

分からない事だらけで推測すら出来ない状況なのは、言うまでも無いだろう。


「分からない事にいつまでも拘っていても無意味だろ?取り敢えず、ここから俺達は「始まりの町」への第一歩を踏み出したんだ。どの位でこの旅が終わるかは分からないが、3人で頑張っていこう。」


そう告げる。


「そうだね?分からない事に拘るのは意味無いね?・・・うん、うん・・・頑張る!」


「せやな?・・・どれだけ長くなるんやろ?・・・まぁえぇわ!あんじょう気張らせて貰うでぇ!」


ヒカルが胸の前で両拳を握りつつ呟き、イリスは、遠くを見る様な視線をするが、振り切る様に手をあげて顔の前で拳を握り締めて声をあげる。


俺がいうのは何だが、かなり個性が尖ったパーティー構成に思える。

それに、二人には告げておかねばならない事もある。現実世界での俺の現状に関する事をだ。


「二人とも少しいいかな?話しておきたい事があるんだが?」


そう前置きし、ヒカルとイリスへと尋ねる。

二人は顔を見合わせそのまま顔を此方に向け頷き返してくる。


それを見て俺は、現実世界で数年前に事故に巻き込まれて、両足の膝から下を失った事。それを補う為に生体義肢の移植手術を行った事。

その調整とデーター取得をとある企業の研究室や大学の研究室に出入りしている事。

そこで生まれたNナノSシステムの被験者になり、そのコロニー群を体内に保持する人間である事。

その為、このゲームにナノマシンが与える影響について検証をする為にGMサイドから行動を監視されている予測を告げ、イリスには事後承諾になってしまった事を詫びるが


「オモロイなぁ?・・・かまへんよ?ウチかてお二人さんに無理いって入れてもろうてんで?

リアル割れする様な情報を開示してまで説明してくれてまで謝られる事に比べたら、GMからの監視を後出しで言われた事に目くじら立てれんわぁ」


と、気にする素振りを見せる事なく笑ってみせるが


「お二人さんて・・・リアルで恋人同士なん?それとも、ここで知り合ったばかりなん?」


と、続けて問い掛けてきた。

黙っていれば、評価が上がったであろうに評価を自ら下げる質問をしてきたのだった。

わざとなら油断ならない人物だが、自然体なら、「空気を読めない」人物であろう。

どちらにせよ、パーティーのムードメーカーになるのは間違いない。


「えぇっと・・・その・・・あの・・・」


イリスに脇腹を肘で突っつかれてヒカルが顔を赤くして言葉を詰まれせている。

クラスメイトである事を告げれば良いのに、突っつかれながら聞かれる事で程よく混乱している。

イリスはイリスでその様を楽しんでいるらしく、顔にはニヤニヤとした笑みが浮かんでいる。俺に聞いてこないところをみると、あっさりとした答えが返ってくる事を予想して、ヒカルに問いただしているのだろう。


「イリス、俺とヒカルは現実世界で高校のクラスメイトってだけの間柄だ。現状挨拶を交わす程度だ。あまり煽るなよ?」


と、告げる。

ヒカルからしたら遅すぎる援護射撃だろうが。


「つまらんなぁ」


ボソッとイリスは呟く。

何がつまらないのか聞くのはやぶ蛇になるだろう。


「AI、進行速度、レンジ共に指示に変更なし。

進行目的地にも変更はない。このまま「始まりの町」へ。通常敵性モンスターへは、使用可能な武装での攻撃を認める。攻撃タイミングはAIに判断を委ねる。」


そうAIへと指示を出す。

調べておく事はまだまだある、ログアウトまで時間はある。

調べてみるとしようか?

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