最終話 最後に建前でも美少女メイドたちに囲まれるのは悪くない
バリッ!バリバリバリバリ・・・・!!
オレはありったけの魔力を酷使。
衝撃波をミヨに送り込む・・しかし・・
ガッ!
このオレに胸をつかまれたままのミヨがオレの両腕をつかんだ!
やはり先ほどの二の舞いをまんまと喰らってくれるほど甘くはなかった。
ミヨはオレの魔力を跳ね返すがごとく衝撃波をお見舞いしてくれる。
しかしミヨも魔力は結構消耗しているハズ。
オレの計算だとオレに対抗できるだけのチカラはないはずだ。
「よせ!キミにはもうオレと張り合うだけの魔力はない!抵抗しなければせめて苦しまずに・・」
ミヨが不敵な笑みを浮かべた。まだ幼いとはいえ歴戦の魔法少女。なにか策があるのか?
「気がつかなかったみたいね?いくらワビルの正当な後継者で魔力が強くてもにわか仕込みじゃこのワタシには経験値が圧倒的にたりないわ、オジサマ!」
ミヨがちらっと横目で促す。視線の先には魔法の杖・・
・・そうか!しまった!!・・
オレの捨て身の魔力は底を尽きてしまった。
バリバリバリバリ!!
ミヨの衝撃波は一方的にオレを倒しにかかった。
オレと最初戦った時、ミヨは常に魔法の杖を使用していた。あれはオレより弱い魔力を補うための増幅装置ではなく、魔力をためておく蓄電池の役目だったのだ。
最初からどうりで大技を出してくると思えば・・迂闊だった・・
彼女の言う通り、経験値に圧倒的な差がでてしまった。
・・ああ・・やっぱりかなわんかった・・
薄らいでゆく意識の中でオレは夢を見ていた。痛みはない。真っ白な空間に映写機が映し出したような感覚。
子供の頃の嫌な思い出。いつも母親に殴られていた。
・・いくら出来の悪い息子でもアンタ、こんな小さい時から本気で殴るんだモン・・たまんね~よ・・
それすらも徐々に薄らいでオレの中は真っ白になった。
そして声が聞こえた。
「撤収!撤収!ルクルス!来い!リオパルドン!戻れ!」
これは人造メイド”アオ”の声だ。オレをワビルの塔へ導きアドバイスしてくれた。
その声が聞こえて間もなくオレは柔らかい感触に包まれた。この二つのもり上がった山のような感触は・・
ぼんやりと目を開く。
「主。ウチらの負けってワケ。帰るよ!ってワケ!」
と怒鳴るような声。これは戦闘メイド”アカ”だな?
かぁ~!バサバサッ!!
ふと首を動かすと怪鳥いや・・怪カラス、ルクルスの開いた巨大なクチバシが薄っすらと見えた。
オレはアカに抱きかかえられたままクチバシの中へ。
どうやらメイドたちは全員無事のようだ。他の三人?の気配も感じる。
閉じようとしているクチバシの向こうによろめき立つミヨの姿が見えた。
「・・どうして・・とどめ・・ささん・・」
「喋るな主!ウチらにはもう無理だ。いくら満身創痍の魔法少女でもウチらとはレベルが違うってワケ!あと援軍も増えた。このまま残ったらウチらも全滅ってワケ!」
・・そうか・・
オレがやっぱりダメだったか。
期待させて悪かった・・
「主はよくやってくれました。感謝してます」
アオがオレの手をにぎりそっと囁いた。
アカもオレを見てうなづいている。
残りの人造メイド、黄色のカレン、緑色のグリコ、桃色のモモも皆オレを包み込むように囲んでくれていた。
・・建前でも悪くないな。最後にこんな美少女たちに囲まれるなんてユメにも思わなかったぜぇ・・
怪鳥(見た目はカラス)ルクルスはワビル1世が製作したメイド型人造人間(メイド姿は現代に合わせ最近あつらえたモノだが)たちを乗せ、どこかの国の砂漠の中に存在する”ワビルの塔”へ超高速で帰還していた。
その生物と魔力で人口的に構成された怪鳥の飛ぶ姿は常人の目にはもちろん、各国の高性能レーダーにも決して捉えることはできない。
そのルクルスの内部は数人の搭乗が可能なゆったりとした空間がある。
その中央にその”ワビルの塔”および複数の人造人間、怪鳥などを建造、製作した偉大なる魔法使い”ワビル1世”の正当なる後継者”ワビル2世”がこの世から去り、静かに横たわっている。
その人造人間たちのリーダー格”アオ”が静かにワビル2世に対して、哀悼の意を述べた。
「・・これにより短い期間ではありましたが、アナタにお仕えできた日々に感謝の意を表明いたします」
そして最後にこう締めくくった。
「”ワビル2世”、ここに永遠の眠りにつく。享年73歳」
ー完ー
今回で完結です。
ワビル2世は最初から爺さんだったというオチでしたw
読んで頂いてありがとうございました!




