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アークゥエスミィ・ニュースターズ・フェスティバル 4



「え、ええ、まあ……多分数日は研究所で休んでると思いますが」


 お疲れだったしなー。


「ということは――この魔法、マシュミーヤ導師が開発したと!?」

「あー、えーと、原案と共同開発で三人で開発したっていうか……協力はして頂きました」


 これの開発に関しては、マシュさんは「あくまでオブザーバ」という立ち位置で、実際の制御式のコーディングは、教えてもらいながらだけど、ほぼ俺がやったようなもんだ。もちろんデバッグと機能評価、テストはやってもらったんで、終盤では俺ら同様ボロボロになってたけど。


「ならば今日はなぜ来場されていないのだ!?」

「いやー、今朝ギリギリまでデバッグしてたから……徹夜明けで来るのは厳しいっしょ?」


 ぐぬぬ、といった表情で黙りこむエルフのスタッフ。

 こう言うとむしろこやつらがデバッグでボロボロになっていなきゃいかんような。


「はいはーい! その魔法買いまーす! おいくらゴネルンー!?」


 と、あの揺さぶりエルフの姉ちゃんが財袋を引っ張り出して訊いてきた。


「あー、五〇〇ゴネルです」

「はーいじゃ五〇〇ねー」


 揺さぶりエルフ姉ちゃんから百ゴネル硬貨五枚が俺の手に。


「あっと、お買い上げありゃったーす。では現物はスペースで渡しますんで」

「ちょーっと待ったぁー!」


 ハリセンエルフが「待った」をかけてくる。


「私も買おう! 五〇〇ゴネルだな!」


 いや、いいけどあんたらスタッフでしょ……仕事しないとまずくね?


「待て! 僕も買うぞ!」

「俺も俺も!」

「私にもくれないか!」

「買いー!」


 ちょ、何事? エルフ客がなんかものっそい入れ食いなんだけど……。

 てかマシュさん、大人気やね。地元の有名人なのか……あーハイハイ、スペース来てちょんまげ。

 ナオ、すまんが先行って用意しといてくれー。




「つかれた……」


 イベントが終わる頃には、シェラちんのクスリの効果も切れ、あとは眠気と疲労との戦いだ。

 だがまだ寝る時間じゃない。家に帰るまでがイベントなのだ。


「いやあでもめっさ売れよったなあー」


 ナオがほくほく顔で、売り上げ袋をしっかり抱き抱える。

 ナオさんの乳袋が三つに……うむう、ハラヘッタやエロスよりもネムイのケン。

 うん、まあでも売れましたもんね……百本以上捌けたから、五万ゴネル以上? 経費差っ引いても、四万近くは利益だろう。爆売れやん?

 あっれ、下手な冒険者の依頼より安全に稼げるかも……そうでもないか。そんな頻繁に新魔法なんて開発できんっちゅーの。

 しかしアイディアと開発スタッフさえ確保できれば、専門の開発チームってか、法人化して商業ベースで販売するのもアリかな……イベント売りじゃなくて、ギルドで上手く売れれば、この十倍は軽くイケるらしいから。それなら生活するぐらいは十分稼げる。アレや、同人誌と商業漫画の違いみたいな。

 つーかこの世界に「法人」なんて概念ないっしょや。ファース・エミュールにもなかったし。全部個人商店だったわ。ギルドぐらいの組織になるとまた違うんだろうけど。

 ただ専門開発チーム抱えて開発していくのはありかな……資本さえあれば。

 その資本も今ならあるし、アイディアさえ出せれば……いやまあ、今それ考えるのダメ。眠いし。


「最初のイベントとしては大成功だったねぇ」


 シェラちんもロイヤリティが入るので、今日は黒くないニヤけ顔だ。

 購入客も、街角魔導士から級持ちまで、様々な客が来た。

 一番驚いたのは、マシュさんの知名度な。

 親はこの町のエルフ側のお偉いさんで? 本人も人間との関係構築に尽力した名士で? 魔導士としても塾生百人以上?

 へ、へー……そうなんだスゴいね、あの人。

 眠いところに畳み掛けられたこともあって、そのスゴさがイマイチ実感できてないが……あれだけエルフのスタッフが騒いだんだから、そりゃあ有名人なんだろう。

 うん、明日あたり色々来客が多そうだな……一応マシュさんには伝えておこう。

 あ、いかん、他のサークルの魔法全く見てねえ……ディスプレイ魔法だけは買ったけど。

 疲労を背負いながら、俺らはなんとかマシュさん家に到着。


「お帰り。大変だったそうだね」


 回復して起きていたマシュさんだが、なんでそれ知ってるのさ?


「お邪魔してるよーん」


 ……揺さぶりエルフさん? あんたここでナニしてますのん? ハリセンエルフ君まで!


「この二人は私の塾の卒業生なんだよ」


 ……あー、やっぱりか……。


「しゃーけど、うちらイベント終わってすぐ帰ってきたんに、なんでスタッフがそれより早う来とるん?」


 ナオさんの疑問はもっともですわよお二人さん?

 スタッフだったら後片付けとか反省会とかあるでしょうに。

 そういうのしっかり出ておかないと後々揉めるよ?


「そのことなんだけどね……丁度いい、君らにも手伝ってもらいたい」


 はいー?

 なんですかねマシュさん、ヤヤコシイ話は明日にしてくれませんかね……難しい話されるとバッテリーの消費が増えるんで、自動的にシャットダウンされますけどいいですかね。今バッテリー切れる寸前なんです。

 ヤヤコシイ話じゃなくてもそのうちシャットダウンされますけど……ふあぁ。




 気が付いたら翌朝になっていた。

 うーん、何か話してたけど、なんも覚えてねえ……りぴーと・ぷりーず。



『※ミッション:自主製作魔法を創ろう!を完了しました』


てれれれってってってー♪


『スキル:魔法開発を修得した!』

『スキル:魔法開発・レベル0→レベル1に上がった!』

『魔導士魔法:スパイダー・ストリングスを修得した!』

『魔法売り上げ金:五万千五百ゴネルを得た!:経費計算・分配中』



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