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百均勇者。 -百均スキルで異世界チートは難しい気がする-  作者: 木持河類
第一章 転生したらチート勇者だった……はずが。
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結果発表


 結果。


 ビュスナ。

 適性分類:魔導士。

 戦闘評価:2、非戦闘評価:3、探索評価:1、野外評価:2、例外評価:0。

 魔法レベル:5(魔導士魔法)、使用可能魔法数:27(評価3)、魔力レベル:4。

 政治:4、経済:3、宗教:3、地理:3、科学:6、魔法:7、生物:4、戦闘:2、探索:3、言語:4。

 依頼実績:0。

 総合点:59、総合評価:石。


 そして俺。

 適性分類:戦士、賢者。

 戦闘評価:3、非戦闘評価:3、探索評価:2、野外評価:5、例外評価:0。

 魔法レベル:1(一般魔法)、使用可能魔法数:3(評価1)、魔力レベル:2。

 政治:2、経済:6、宗教:1、地理:3、科学:10、魔法:2、生物:6、戦闘:4、探索:4、言語:3。

 依頼実績:0。

 総合点:58、総合評価:石。


「……ちょ、なんであんた科学満点なわけ!? しかも経済まで上とか……しかも賢者分類って!」


 ビュスナに怒られた。理不尽。総合点ならお前が上だろ。

 しゃあない、俺転生した際に「向こう」の知識持ってきたからな。こちらの科学程度、高校生レベルがあれば余裕で満点だぜはーっはっはっは! 経済だって授業は適当にやってたが、その後経済新聞や経済雑誌読んで勉強したからな! 世界は違っても多少はわかるんだぜ! 地理とか国際関係とかはわかんねーからからっきしだけどな!

 そこいらへんは、ラスさんにも驚かれた。そりゃまあね、田舎の町の一小僧っ子がなんでそんな知識持ってるのかと。普通なら、賢者目指す連中が、宗教学校とか魔法学校とかで大枚払って十数年学んで得られるレベルの知識だからなー……まあそこは「親父の知り合いの冒険者仲間に物知り魔導士がいて教わったりした」とか言っておいた。実際ビュスナの親父様にもいろいろ教えてもらったりしたし。

 生物はそりゃ、俺ん家狩人だもん、実生活で覚えたもんがあるしー。野外生活とか。

 その代わり、魔法はボロックソや……ビュスナの親父様に教えてもらった一般魔法がちょい使えるだけで。そこで専業魔導士ビュスナにかなうわけないし。そこまで俺が勝ったら、多分「僻み殺される」。


 だが実際、新人でここまで点数取れるのは珍しいらしい。

 なにしろ文盲率の高い世界のこと、冒険者志願者の過半数は、文字なんて自分の名前と出身地の名称ぐらいしか知らないし書けない、加減算も満足にできないような連中。ギルドの壁に貼り付けられてる依頼書もロクに読めないようなレベルなのだ。そういう連中対象に、依頼書は目標の怪物やら採取物のイラストが描かれている。絵がないのは「そういう連中はお呼びじゃない依頼」という意味でもある。

 魔導士志願ならともかく、俺みたいに「見るからに前衛」って奴が知識面でここまで優れてることはそうそうない。貴族の三男以下の継承者から外れた奴とか、商人の同じく後継ぎ以外で冒険者になった奴とか、ある程度教育水準が高い層の子弟でも、10点満点は滅多にいない。特に科学は魔導士にとって重要な知識で、ギルドメンバーでもないのに満点とることはまずありえないらしい。

 例外は、魔導士の家で相当しっかり教育されている場合……ツン娘さんは例外じゃありませんでしたね。こいつ実践派で、理論よりバンバン使って体得してたからな。

 そして、新人でも50点を超えないようでは実戦には出せないとのこと。

 俺たちはまあ、どっちも十分超えてるので、自分の判断で出ていいんだそうだ。

 それでも「冒険者の心得」とかいう座学にはいずれ出ておけ、とは言われた。自主的に依頼を受けて活動するにも「冒険者の常識」というやつがあるらしい。


 そして、最後に個人面談。

 これが終わったら、「ギルドメンバータグ」という身分証をもらえる。

 メンバータグは強化木とセラミックの組み合わせタグで、所属ギルド名、名前、ギルドメンバー番号が書いてある。町の出入りにも、公的身分証として使えるやつだ。


「……一つ聞きたいのですが」


 俺は、ラスさんと面談。ビュスナはローディさんと。ジャンル違いの相手と話すことで、見えないことが見えてくる、ということであったが――。


「ケン君、あなた、『従者サイオベイヤー』持ちですね」


 ……はい?

 「さいおべいやー」?


「『固有能力』、もしくは『天与ギフト』などともいいます。生まれながらに持った、あなただけの一点ものの能力――といえば解りますか?」


 うっ……なぜそれを知っている! 黙ってたのに!


「一般には、ギフトとして知られる、一万人に一人ぐらいの個人スキルですが、魔導系の能力をギルドでは特に『従者サイオベイヤー』と言うのですよ。最初にこれを発現させた魔導士が、自分に常に付き従う従者のような能力、という意味でそう名付けたそうです。特に人型でなくてもそう呼びます。

 ……まあ、これを隠したいというならそれでも構いません。そういう方々には、無理に聞き出したりはしませんので。

 なので、話してもいいというなら、特殊ランクに反映いたしますが」

「あ、いえ、それはちょっと……」


 〈絶対領域〉は、俺の奥の手だからな。できることならあまり他に知られたくないんだ。あんまり人に自慢できるほどのモノでもないしさ……。


「……わかりました。では、それは秘匿事項ということで、ここだけの話に留めます」

「そうしていただけると……」


 ラスさんが物分りのいい人でよかった。


「まあ、私も『従者』持ちですので、隠したくなる気持ちは解りますけどね」


 ふふ、とラスさんが笑う……え、そうなんや?


「私の場合、種族固有スキルがあるので、それは公開してますが、それ以外の一族秘伝の血統能力があって、そっちは隠してるんですよ。やはり奥の手は知られないようにしておくに限りますからね」


 ですよねー。「奥の手持ち」ならではの秘密っすよねー。


「……にしても、ケン君、あなた――少しばかり、普通の人とは違うところがありますね」


 ……え?


「先ほど言いましたけど、エルフとしての種族固有スキル――我らは、肉体的な力では劣りますが、それを補って有り余る魔法の才を持って生まれてきます。

 それがゆえに、我らの中には魔力の流れを見通す目――《魔力眼》をもっている者がいます」


 〈魔力眼〉とか、中二臭いけどいいじゃないの! 俺もそういうの欲しいよ!


「……私には、君の身体に宿る魔力やオーラ、気が見えるのです。

 魔法は大して使えないはずなのに、不釣合いな強いオーラ……それだけでもただの冒険者志願者とは違います。

 そのオーラが、一点に集約するような――そんな流れがありますね」


 一点に集約――そこに〈絶対領域〉が生じる、ってことか?


「『従者』の能力が何かは解りませんが、大切になさい。

 それに、あなたには『知識』があります。どこで手に入れたかは……聞かないでおきましょう。おそらく『従者』とも関わるものでしょうから。

 そして、鍛えられるなら、持てる全てを鍛えておくことです。技術は使っただけ、身体に馴染みます。使わなければ、頭だけでなく身体もそれを忘れます。

 ですが逆もまた然り、自然に身体がそれを覚えて使えているところまで磨き上げれば、自然と、手足のごとく自在に使いこなすことができるようになります。

 少なくとも、冒険者として相応しい、と思えるぐらいには鍛えておくことをお勧めしますよ」


 ……まあそうだよな。剣や魔法を鍛えるのもいいけど、この能力はまだ「何か」可能性がありそうな気はしてる。

 なんでもかんでも防ぐ〈絶対領域〉か……まあゆっくり考えるとしよう。とりあえず冒険での使い方は考えてあるし。


 ……面談が終わって、ビュスナはなんか満足そうな顔で出てきた。何があった。

 まあ俺もためになることいろいろ聞けたけどな。


「さて。これでお前ら二人は晴れて冒険者としてデビューできるわけだが」


 ローディさんが、何十枚かの「冒険者登録用紙」を俺たちの前に置いた。薄い茶色のわら半紙っぽい、あんまり質は良くない紙だが、こっちの世界にも普通に使えるぐらいに紙が普及している。お安くはないが、羊皮紙よりは安く、ギルドでは必需品だ。


「差し支えなければ、パーティを組め。こいつらも、最近ここに登録したての新人冒険者だが、実戦に出られるレベルの奴だ。

 仕事をするなら、通常四・五人程度のパーティを組んでやるのが、経験則として一番効率的だ。できれば多様なスキルをパーティ内で使える方が望ましい。人数は多少多くても少なくてもいいが、多すぎると仕事の報酬分配が少なくなるし、少ないと一人当たりの負担が増えてリスクが増す。四・五人が経験上一番いい。

 もちろん、仕事に合わせてメンバーを変えるのもありだが、固定メンバーのパーティを組む方が互いに連携も取りやすくなる。将来的には、もっと多人数で組んで大きな仕事をこなせるようになったり、少人数で得意専門分野を扱うのも選択肢だが、今はとりあえずパーティ組んで、メンバーの特性に合わせて仕事を選ぶ、というのも手だ。

 将来どうしたいかって明確な方向性がわからんのなら、組んだ相手次第でそれが見えてくるようにもなるしな」


 なるほど……そうだよな、仲間がいて連携してミッションこなすのは、RPGでも定番。

 とりあえず提示されたメンバーを見てみる。総勢五十人近くいる……結構いるな。

 剣士、魔導士、スカウト、武道家……持ってるスキルレベルや能力も俺らと大して違いはない。「ここらへんが得意」とかいうのも、だいたい職業相応。平均的な「新人冒険者」だと思う。


「ん~~~、誰がいいかなあ……」

「スカウトは一人欲しいな」

「んじゃこの子ね。魔法はあたしがメインでやれるから、魔法戦士か武道家あたりを……」

「俺、武道家ってどんなのか見てみたかったんだよなー。ここらへんから」

「じゃ……この子かな」


 ……と、スカウトと武道家の二人を選ぶ。顔写真とかついてないから、どんな外見とか全く判らんのが難点だが。性別すら書いてない。冒険者として最低限のことしか書いてないエントリーシートだな……。

 年齢は俺らと大体同じ、一つ上か下ぐらい。冒険者になるのには、社会的に成人と認められる15前後でないと登録は認めてないそうだ。一つ下だと基本は仮登録だが、すでに実戦経験済みとか技術的に優れているとかをギルマスが認定すれば、未成年でも冒険者登録をしてもらえる。


「こいつらか、いいだろう。

 じゃあそうだな、明後日もう一度来い。その時に顔合わせだ」



てれれれってってってー♪


『※冒険者ギルドに加盟しました』

『※冒険者ランク:石になりました』


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