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百均勇者。 -百均スキルで異世界チートは難しい気がする-  作者: 木持河類
第八章 オーガ帝国・オルガネラ編
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「管理者」と「コンタクトマン」


「あとは――そのうち、『コンタクトマン』と会えると思うから」


 「コンタクトマン」?

 目が悪いの?

 それともメガネ屋の一種?


「レンズの話はしてないから。

 『管理者』とのコンタクトがとれる人間。まあ日本人的にいえば、審神者とかいうやつ? 『神の声を聴いた』っていう預言者でもいいけど」


 現代だと胡散臭い新興宗教としか思われませんけど……

 ああ、UFO的なので来る宇宙人とコンタクトする奴もそう呼ばれてたっけ?


「まあ会うこともあるだろうから、その時は話聞いておくといいよ。

 君の進むべき道が見えるだろうから」


 進むべき道っていうより、「こっち行け」っていう誘導なんじゃ……


「ははっ、だとしても君に悪い話はしないよ?

 今回みたいに『管理者』に絡むこともあるかもしれないけど、そんな時にどうしたらいいか、そういう話も出るかもね」


 ……「かもね」、じゃなくて、対策ありませんかね?

 今回、マジで死ぬかと思ったんで……<絶対領域>も防がれるし。


「ああ、確かにね……じゃ、『管理者』に襲われたときのために、『これ』を渡しておこうか。

 それまでは使うこともないだろうけど」


 ……「これ」って何です?


「その時がくれば解る、とだけ。あと、レベルアップした〈絶対領域〉も役に立つかもね。

 さて、そろそろ僕も行かないといけないけど――」


 あ、最後に一ついいですか?


「まだ何か? 刑事さん」


 そのネタ知ってんのかよ……


「神だからね」


 いや、神だからってネタの幅広いな……


 えーと、さっきの「巨人」って……時々空飛んでるやつで間違いないんで?


「ああ、あれは僕ら『管理者』の護衛みたいなもんだよ。

 『管理者』一人につき一体、分身みたいなもんだね。

 時々飛んでるのは、担当区域の監視業務の一環」


 あー、なるほど……あの巨人には〈絶対領域〉通用しないんですね?


「まあ技術レベルが違うからね……〈絶対領域〉は基本対人レベルだから、オーガぐらいは通じるけど、『管理者』装備はもっと上だから」


 さっきのあいつ……も、もしかしたら「巨人」持ってたりします?


「ああ、あいつ、現在指名手配中なんだ。

 だから『巨人(ガーディアン)』とのリンクも切られてるから、心配しないでいいよ。

 コソコソ動いてたのも、それが理由だし」


 なるほど……でも〈絶対領域〉は使ってましたけど?


「あのテの能力は、全部『管理者』権限で使えるからね……ただ、もっと高度なやつは権限潰したんだけど、〈絶対領域〉は初期は低レベルな能力だからねえ。それで潰し残してたんだろう。

 今後はそれも潰しておくから、万が一次があっても、そのときは『普通の人間』と同じレベルのはずだから。そこらへんは心配無用――にはしておくよ」


 それ聞いて安心……できねえなあ。


「だからあいつの同僚である僕らがこうやって捕まえにきてるんだけどね……あいつ側にも協力者がいるみたいでね。ちょっと捕まえるのもメンドクサイ状況でさ。

 おっと、お仲間が来る前に、僕は退散するとしよう。

 じゃあまたどこかでねー」


 ……言うなり、「神」――「管理者」は、その場から消えた。

 その場に存在していなかったかのように。


「……完全に消えた」


 気功術で探っても、まったく感知できない――即死したか、気功術の範囲外へ一瞬で空間ジャンプしたかでもなければ、そんな一瞬で存在が消失したりはしない。


 ――風が、わずかに砂埃を巻き上げる。


「――ケン!」


 シェラの声が、砂埃の向こうから聞こえた。

 ビュスナはナオが抱き起しているが、まあ心配なかろう。


 そのあとから、コーチやグルーガたちの姿も見えた。


 ……夕闇が徐々に包み始めていた。

 骨だらけの荒野……あんまり気持ちいいもんじゃないな。

 状況終了したとはいえ。

 動く骨も、もういない――これで一応は解決、でいいのか?


 あっ、あいつに「転生者実験」について聞くの忘れた!

 ……今度会ったらイヤミ言ったらなアカンな。

 また会うかどうか知らんけど。

 てか、できれば会いたくはない。情報は欲しいが、会えばまたロクでもない事態が進行するに決まってんだよ。

 多分、あいつ俺よりずっと「斜め上」の存在だろうし。

 いやでも転生者実験は気になるな……そこだけメールみたいに情報くれんかな。


 とにかくそんな奴らと戦いたくないでござる!

 まあこの先生きのこるには当然の対応だよね。

 きのこ食って生存率上げようぜ!


「またワケカワランことを……きのこなんか関係あるんか」

「まあまあ、あれだけの敵を前に堂々と対峙して、生き残ったんだし。少しぐらい好きなこと言わせてあげたらいいんじゃない?」

「妄言はいつものことやしな……」


 妄言いうなし。


 ……スケルトンが全滅したのを確認したのか、他の面々もやってきた。


「……あの者が何なのか、結局解らず終いだったな」


 コーチの一言が、闇の迫る空に響く。


 ……その件は、「管理者コンタクトマン」以外には迂闊には話せないが。


 少なくとも――とりあえずこれで、この無謀なオーガとボールグの侵攻は止まる。

 止まるよね?


「いや、知らんけど……さっきのアレ、何やってん?」

「巨神――みたいなのもいたよね?」


 ……うーん、この話はどこまでしたものか……


 とりあえず、「あの男」が元凶でした。それは確定。

 だけど、それがバレたから、目撃者である俺を殺しにかかりました。

 それをなんとかかんとか戦ってたらビュスナが来て。

 一瞬いい感じに勝てそうになったけど、奴がキレて、逆にこっちが殺られそうになって。

 そこへ、いい感じに「あの男」の元お仲間みたいなのが介入してきて、助けてくれて。

 あいつの正体は知れんかったけど、元お仲間から指名手配されてる感じで?

 そんで「やべっ」って感じで、すぐトンズラしました。

 奴の元お仲間は、「あいつは意地でも捕まえるから」って、すぐ追っかけていきました。

 ついでにビュスナがケガしたんで治してくれました。

 あの「巨神」は、奴の装備品みたいなもの。詳細は教えてくれんかった。


 以上!


 状況だけまとめたらこうだよな。

 だがこれ以上のツッコんだ情報は、様子見て小出しにするか、黙秘して墓まで持っていくか……だな。

 全部話すわけにもいかんしな。


「……結局なんも解らんやん」

「解ることといえば……まあ、周囲の状況からして、スケルトンは全部動かせなくなった――そんなところかな」

「ついでに言えば、追っ手に見つかった以上、しばらくは表立った行動もできなくなるだろうってよ」

「ほほーん……そんなら、この一件も終わりなんかな?」

「多分な」

「多分て……」

「ハイ戦争終わり! とは聞いてないしな」


 とりあえず、あの「転生神」の言葉は信用するとして――ボールグ自治区との国境でどうなったか、確認してからだよな、結論は。

 なので、ボールグ自治区の状況確認をせにゃならん。

 またあの距離戻るのか……転移陣があるとはいえ、めんどくせぇーなー。


「……となれば、ボールグ自治区側から入った方が早くない?」


 ……言われてみれば……

 ここからワープゲートがあるにしても、最後のワープゲートまで行って、首都まで戻って、そこから同じ距離をウーゴ・ブオール内でえっちらおっちら……一ヶ月ぐらいかかるな。

 それならこのまま、海岸まで出てボールグ領突っ切って確認した方が早いか。


 いやしかしそれはそれで問題ないか?

 ボールグは、すでにウーゴ・ブオールにケンカ売っちっまったしなー。

 だがコーチが言うには。


「いや、むしろ俺たちだけでなら、話は早かろう。

 ほぼオーガと人間だけだ。あの管理者とかいう奴らがボールグの前に一度でも出ていれば、その関係者のように振舞えば、一方的に敵認定はされまい。

 あとはスケルトンの消滅さえ確認できれば、戦力的にも戦争継続はできまいよ」


 それで俺たちがボールグ自治区から出てくれば――

 まあなんとか、話が繋がらないこともない……か?


「そこは事情説明は必要だろうね。

 ただ、ディシュマンドラからボールグとの国境に展開してるのって、ウーゴ・ブオール軍と魔導士ギルドだから……」


 ま た ギ ル ド(あ い つ ら) か !


 もうあいつらに説明すんのやだーおうちかえるー!


「まあまあ……そうなったら今回はボクらも同席しなきゃダメっぽいからさ」

「せやけど中心の席は譲ったるで」

「いらんわそんな席! 一番いらん!」

「でも――ま、終わりは見えたんじゃない?」


 ……そう。

 「ダークホース」に始まったこの一件も、真犯人ダークホースの「神」とやらが現れて全て解決ぢゃー!と、チチンプイプイで解決してしまった。

 とりあえず終わりが見えた、のはそうなんだが……


「なんかスッキリしねえな……」

「結局何やったんかなアレ」

「知らないわよ。考えたところで解るわけでもなし、とりあえずはこの事態を収拾するのが先」

「だな。それでとりあえずは、全部当面の問題に片がつくことになる」


 ……あー、全て話してすっきりしたい!


 全部「管理者」の内部抗争でした! ってさ!


 ……もうね、「神の摂理に人間が干渉できるものではない」とか有耶無耶にしとけばええんちゃう?

 その「神」がなんも言わんのが悪いんだけど。

 せめて「コンタクトマン」通して、なんか大本営発表しといてくれんかな……

 そういう権威から「終わったでー」って一言言ってくれれば、大衆は納得するんだけどなあ……。


 そしてなんか、俺だけはどんどん深みにハマっていく感じがするのは何でだろうー?

 これが転生者の運命か……!

 いやそんなカッコいいもんと違うわ。

 あの「神」……「管理者」、絶対面白がってたしな!

 内部抗争にしたって、本気で捕まえて懲罰にかけようとしているのか、それとも「お前ルール違反はアカンやろ、それはいかん」と軽くお仕置きくれてやる程度なのか……やってることのレベルが解らんのだよな。


 だがまあ……とりあえずは、この紛争も終わりが見えた。

 あとは「戦後処理」フェーズだな。

 スケルトンも全部始末できたようだし。


 脳筋デル・オーガの説得は、グルーガたちに任せよう!


 もう俺らは役目終わったしな!


 ……終わったよね?



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