オハヨー号とハロー号の冒険
オハヨー号は、赤い色。
ナンバープレートの番号は、
0840です。
ハロー号は、青い色。
ナンバープレートの番号は、
8600です。
2台は、競争ばかりしています。
ゴールはいつも同時になります。
どうしたら、自分が、勝てるかと。
おたがいのくせを熱心に研究しています。
ある日。
スタートしようと、かまえたときです。
チーターが。
すごいはやさで、走ってきました。
おそいな!
きみら!
と。
笑いながら。
通り過ぎて行きました。
2台は、なんだか。
いやな気持ちになりました。
かけ声もなく。
ほとんど同時に。
いっきにスピードを上げて、
走り出しました。
負けないぞ!
バイクのほうが!
はやいんだ!
2台が追いかけてくるので、
チーターは一生懸命走りました。
しばらくすると。
疲れてしまって、止まりました。
2台はスピードをさらに上げて、
チーターを追い越しました。
見えなくなるまで、ずっと、
走って行きました。
2台は、なんだか。
いい気分になりました。
ぼくらは!
疲れないエンジンを、
入れてあるんだから!
負けるわけないんだ!
チーターは心臓をひとつ、
持っているだけだから!
ぼくらのように遠くまでは、
走れないんだ!
2台は。
強く大きくなったような気がして。
風をきって、いい気分で走りました。
2台は、まわりを見ないで走るうちに、
いつのまにか山の近くまで来ていました。
山の中から、声が聞こえてきました。
あれだ、あれだ。
赤いのと。
青いのが。
来た。
がさがさと音がして。
次々にチーターが出てきました。
2台は、怖くなりました。
ぼくを。
塗ってくれた工場にいた、
バイクよりも。
たくさんいる。
ぼくに。
エンジンを入れてくれた。
工場にいた、バイクよりも。
たくさんだよ。
2台は。
息ぴったりに、逃げ出しました。
あ!
待て!
逃がさないぞ!
たくさんのチーターが、
追いかけてきます。
一頭の、からだの大きなチーターが、
ジャンプしました。
オハヨー号の。
おしりのライトを叩いて、
割ってしまいました。
ハロー号の。
おでこのライトも続けて、
割ってしまいました。
それでも2台は一生懸命に走って、
チーターから逃げることができました。
うしろを向いて安心していたら。
割れたライトが、ちかちかとして。
それきり消えてしまいました。
どうしよう。
おまわりさんに、
しかられる。
2台は、とても困りました。
あたりは、どんどん暗くなります。
どこかから。
ゴトゴトという音が聞こえてきました。
遠くのほうを。
列車が行くのが見えました。
いくつも並んで。
のんびり走るのです。
たくさんの窓に。
オレンジ色の明かりが光っています。
2台は、顔を見合わせました。
うん。
そうしよう。
2台は、うなずきました。
オハヨー号は。
おでこのライトをつけました。
ハロー号は。
おしりのライトを、
つけました。
よし。
行こう。
よし。
帰ろう。
2台は。
ゆっくりと走り出しました。
列車のように。
たてに並んで、走るのです。
おたがいのくせを、
研究しつくしています。
オハヨー号は。
くだり坂になると、すぐに、
ブレーキをかけます。
ハロー号は。
くだり始めのところから。
オハヨー号の。
いつものタイミングに合わせて、
ブレーキをかけます。
ハロー号は。
カーブを曲がるとき、からだを横に、
低く倒します。
オハヨー号は。
曲がり始めのところから。
ハロー号が。
いつもするように、ぴたりと合わせて。
からだを倒します。
2台は、しっかりと暗がりを見つめて。
息を合わせて、走り続けました。
お日様がのぼるころ。
2台は、ようやく帰ってきました。
明るくなって見ると。
どちらも、ずいぶん汚れていました。
からだは、泥だらけ。
タイヤには、小さな石が、
たくさん挟まっています。
だけど、なんだか。
お日様のひかりが、そっくりそのまま、
入ってきたような気持ちになりました。
2台は、嬉しくなって。
かまえずに並んで、笑いました。
2024.7.29
373 m(_ _)m 39
タイトル間違えてました∑(゜Д゜)
冒頭→冒険 です。
大変失礼いたしました。




