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張りぼて
角がある、岩です。
ああ、これは。
角があるから。
なんとかと言う種類だ。
そうだ。
この角があるから。
あの辺の山が噴火したときに、
飛んできたんだろう。
ちがいます。
岩ですから、言いませんがね。
いつだって。
あなたがたは勝手なことを言う。
だいたいね。
この角は張りぼてです。
てきとうなことばかり言う声が、
ようやく止んで。
ほっとしたのもつかのま。
こんどのやつは、しゃべらないで。
お湯をかけてくる。
ひやひやしながら、
いなくなるのを待っているのに。
ひどくのんきなようすで。
じっと見つめてくる。
このままでは。
張りぼてが。
とけてしまう。
わかってる。
それを待っているんだ。
黙っているのに、なぜわかる。
こわいやつだ。
尖った角など、やめて。
柔らかな花の、張りぼてにすればいい。
わかってない!
わざわざ呼ぶようなものを!
くっつけてどうする!
おおっ。
岩が話すなんて。
いいじゃないか。
とても楽しいよ。
とけた張りぼてが素敵だ。
おや?
うっすら赤くなってきた?
2024.3.25
ここからは話のような、
少し長いものになります。
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