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これは誰かの大切な家族写真です。
これは誰かの大切な家族写真です。
※封筒の中に家族写真と、何者かがワープロで書いた考察の紙があった。以下本文。
この写真は折り目だらけで、酷くくしゃくしゃである。
誰かが何度も握りしめ、あるいは泣きながら広げたのだろう。
紙の端には、乾いて赤黒くなった血痕が、指紋の形に残っている。
映っているのは、かつての幸せな家族だ。
一番左には穏やかに微笑む母親(ノイズによりよく見えない)。その隣には、四歳くらいの小さな妹が、宝物のような笑顔で立っている。一番右には、不器用に笑う父親(ノイズによりよく見えない)。
だが、妹と父親の間に立つ、■■■■。誰だ?
家族の中で最も背が高い。しかし、首から上が、黒マジックペンで乱暴に塗りつぶされている。性別不明。
ただ残された身体の輪郭だけが、そこに誰かが確かにいたことを示している。




