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魔法少女ミヤビを探しています  作者: 雨宮 叶月


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4/16

【ボイスレコーダー・酒屋での聞き取り】

(本人はかなり酔っていたため参考程度に)


 『……えぇ?魔法少女?あー、俺魔法少女大好きなんだよね。ガキの時怪人から助けてくれたことがあってさ。箱推しってやつ?(笑)だから熱愛とかどうでもいいわ。リアコじゃないし。

 ユーチューブにあげられてるあれ、えーっと…………あ、そうそう!変身するときのMV、俺の娘もよく見てたわ。ミユキって言ってな、すごく可愛かったんだよ。ミユキを産んだ時に奥さんは死んじゃって、自分一人で育てられるのかって不安もあったし、まあ、やっぱり奥さんのこと大好きだったからなー、毎日泣いてた。ミユキの面倒はほぼ兄夫婦に任せてて、でも何かでかっとなって、ミユキは俺が育てるって(笑)馬鹿だわ、馬鹿だったけど、そうして良かったよ。最初のほうは大変だったけど、笑ってくれるとこう、力が抜けたみたいに俺も笑顔になれるんだよ。

 ……え?何回も聞いたことある?おいお前ら黙っとけ、俺が喋ってるんだからよ。

 ほら記者さん見てよ。可愛いだろ?俺ずっと写真保存してるんだよ。

 (ショートカットの笑顔の女の子)

 俺の命に代えてでもこの子は守ろうと思ったのになあ。俺いつも大事なとき役に立たねえから。

 死んだよ。

 家の近くに怪人が現れて、たくさん瓦礫が飛んできて、俺はミユキを守ってたけど駄目だった。魔法少女は遅いし、体中痛いし、ミユキには生きて欲しかった。たった五歳だったのになあ。

 魔法少女は一人来たよ。黒髪の、魔法少女ミヤビ。知ってる?まあ知ってるよな、そりゃあそうだな。

 弱かった。一人で頑張ってるのは分かってるんだけどさ、ただ頑張ってるんじゃ駄目なんだよ。怪人を倒すだけじゃ、いくらボロボロになったって、駄目なんだ。ミユキは怪人に襲われたんじゃない。戦いの途中に瓦礫が飛んできて、頭にぶつかって終わり。俺は何もできなかった。体中痛くて動けなかった。言い訳だな。

 ミヤビは怪人を倒した後も泣いてたな。ごめんなさいごめんなさい次は絶対大丈夫だからって、それ言うくらいなら俺の娘を救ってほしかった。エゴだけどよ、俺はずっと許せないんだ。彼女は悪くないのに、許せない。俺は病院で手当てされて、最初に言われた言葉は何だと思う?ご愁傷さまです。……やるせない。俺のことは良いからミユキを助けろって、医者に掴みかかって、即死でしたって言われて、

…………やだなあ。俺は自分が嫌になる。あのときあそこにいなければ、俺がもっと強かったら、何かが変わったかもしれないだろ。魔法少女は正義のヒーローだ、ってニュースを見ながら他人事みたいに思えたかもしれないだろ。

 ……もう遅いから。俺は保険で入ってきた金で毎日飲んでる。このまま不健康になって死ねたらいいなあ。首吊りとか飛び降りとか、そんな勇気はないしするつもりもない。でもはやく死にてえな。

 (男が泣き出す)

 会いたい。俺もそっちに行きたいよ。ミホちゃんとミユキに会いたい。ごめんなさい。ごめんなさい。会いたい』

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