材料と裏技
同時投稿2話目です。
side 俺
「やってしもうた…嫌われた…傷つけてしまった…
もうワシは誰かを想うことですら許されないんじゃ…。
あぁ…生まれ変わったならスライムになりたいのぉ…牙も爪もない、柔らかな身体で誰も傷つけることなく暮らしたい…」
「そこまで落ち込まなくてもい」「主には分からんじゃろうのぉ!!鉄の体で中身人間の者の気持ちが!!」
「…」
感情的になってはいるがメルタの言ってることは正しかった。一度死んだはずの人間が記憶や性格はそのままなのに人ではない、物の身体になっていた。
周りの人達がいい人達ばかりだったから幾分か気が紛れていただけで、扱いが悪ければその場に居たくなくなるのが当然。メルタにとってまさしくちょうどその状況が今なんだ。
しばらく続く沈黙。
「はぁ…ワシにも硬くない身体が別にあればよいのじゃが…」
「硬くない…か。せめてゴムかビニールがあればどうにかなるんだけど…」
「なぬ?!方法はあるのか?!」
「うん。その方法なら精密な動きや力加減ができるようにるし、見た目とかも少しは人体に近くすることができるはずなんだよね。」
「何がいるんじゃ!どうしたら手に入る!その[ごむ]とか[びにいる]とやらは!」
さっきまでの病みがちょっとマシになった。だけどねメル爺、まだ鉄の体のままなんだから思いっきり肩を掴もうとしないで。
ただゴムって天然と合成があるのとビニールの元は石油だったのは知ってるが、それ以外は知らない。
こういう時に役立つのが例の説明書!
知りたい情報を念じてページを見つめると…出てきた。ゴムの作り方。
えーっと?天然ゴムがゴムの木の樹液が主原料、合成はプロピレン?スチレン?…石油系が混ざってんだって。
結果。ゴムの木か石油がなければどうしょうもない!
「そんな…ワシの希望が…材料という壁に阻まれるとは…もうダメじゃ。」
振り出しに戻るメルタ
仕方がない。できるかわからないけど生産チートの裏技を使うしかない。
「ああもう!分かったよ。ちょっと行ってくる。陸!1号車にドッキングして!
匠!遅くなったら夕飯はガレージから送って!」
上着を丸めたまま持って飛行車に乗り込む。
「は?!ガレージ?どこ行くんや?」
ウィイイイイイイン
「森!!」
エンジンかけてすぐにアクセル全開でまずは門に向かう。こういう時に航空法と道路交通法がなくて助かる
「ガドマさーーん!高いところから失礼しまーーす」
「ん?おーリョー君か!珍しいな!どうした!?」
「ちょっと森行ってきます!」
「分かった!気をつけてな!」
ギュイイイイイイイイーン
街に入る時は身分証がいるが門を出る時は一声かけていけばいい。特に俺達は顔馴染みなので飛行車の上でも特に文句言われないからすぐに済む。
最初の頃にやってきた川沿いの草原にやってきた。ここなら木材や薬草、水も手に入りやすい。
では…石油もゴムの原料であるラテックスも、主成分の内訳のほとんどC(炭素)とH(水素)か。水と木があればいけるな。
ここんとこ手動で動かしてたスキルもたまには自動でいくか。
まずは〜ナッケンジョーと雷魔法でズバンッと木を切り倒します〜。
あとはスキルを発動しま〜す
【木と水を消費して石油を作りますか?YES or NO】
【木と水を消費して天然ゴムを作りますか?YES or NO】
懐かしいこのウィンドウ。
もちろん両方ともYES!はい完成!石油&天然ゴム!
一応大量に作ったので大丈夫だろうが、ゴムのほうは色々使い道があるのでゴムの木がほしいところ。ちょっと試してみよう。
適当に生えてる木に触れて、木の内部構造をいじるイメージで魔力を込める。
お、手触り変わった?
「【鑑定】」
[ゴムの木]
ラテックスからゴムを資源として採取できる樹木。
よし、錬金術が含まれていたおかげで同じ応用技が使えることが分かった。
ひとまず今日のところはゴムの木を5本とポーションや薬用の薬草やら木の実やらを取って帰ろう。




