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楽園の鼠  作者: 金林檎
第1章 蝙蝠神の契約者
22/22

第20話 シンシア脅威撃滅戦①

どうもお待たせしました新年最初の投稿です。

今年もどうぞ宜しくお願いします。

 皆様ごきげんようソラです、ジェームズさんに案内され、たどり着来ました防壁の外、見てください目の前の光景を[アンノーン]の共の見るも無惨な死骸の数々、ここは地獄か何かなんじゃと思う様な血の海が眼前にまざまざと広がっております。

 え?もしかして終わっちゃった?俺達の出番無し?


「…………これは、いったい」

「うっわ!グッロ!うげ〜、ウチこういうの苦手〜」


 シズクちゃん達もドン引きのご様子、いや葵ちゃんは嘘くさいな、あ、どさくさにに紛れてシズクちゃんの腕にしがみついた。


「葵さん、ソラ様の前ですよ?真面目にやりなさい」

「ぐぎゃあ!?シズク姉ぇぇ!ご、ごべんなさいぃぃぃ!!?」


 うむ、見事なアイアンクロー、葵ちゃんの頭蓋骨が陥没する勢いだ。


「うごごごご!ソラ兄、お助け!」


 葵ちゃんがこっちに助けを求めてきた。


「葵ちゃん、ふぁいと!」

「!!!???」


 俺は葵ちゃんにエールを送った!葵ちゃんは目の前が真っ暗になった!


「(仮にも極東の古き神巫の末裔に酷いことをするな相棒)」


 かんなぎ?んん?なんじゃそりゃ?まぁいいや、いいんだよ葵ちゃんはあれで、内心シズクちゃんとスキンシップ出来て喜んでるから。


「うががが!うへ、うへへへ、あれ?なんだか気持ちよくなって来たような?グヘヘへ」


 ほらな?


「ふん!!」

「ぎゃぴ!?」


 シズクちゃんのアイアンクローにさらなる握力が!あ、葵ちゃん伸びちゃった。


「(なぁ相棒、貴様の眷属の有様はあれで良いのか?)」


 良いんだよあれで、うちは皆仲良くがモットーです。


「(相棒が良いのなら余は構わぬが、ふむ、まぁ、変わり者の【神】に変わり者の眷属が居るのは、ある意味必然か)」


 ま〜た相棒は理由の分からん事を、それよりも[アンノーン]居ないじゃんよ、死骸しか居ないじゃんよ、どうすんのこれ?俺達のお役目終了なん?


「(うむ、心配する事は有るまいよ、寧ろこれは中々に厄介な事になるやもしれんな)」


 え〜やだ〜、相棒が言っちゃうとそれはもう神託なんよ、マジもんの神託なんよ、も〜不吉な事言わんといて〜な。


「(仕方有るまいよ相棒、貴様も冥府の【神】たる余の契約者ならば覚悟を決めるのだな、余は死と闘争を司る【神】なれば、遅かれ早かれいずれはこうなる宿命なのだ諦めろ)」


 うわ〜お!理不尽!!


「(【神】とは元来そういうものだ、どうした嫌気が差したか?)」


 んゃ〜全然、相棒は何時でも頼れる俺のチョロ神様だからな!!


「(ふ、そうか……………いやチョロ神言うなし!!!)」


 あはははは!冗談だって相棒!ま、頼りにしてるのはマジだけどな!


「(う、うむ、そう面と向かって言われると照れるな)」


 チョロ神様ってのもマジだけどな!


「(フフフ、そうかそうか…………ん?)」


 マジだけどな!!


「(…………ん?)」


 おん?どうしたんだよ相棒?


「(いや、何でも無い、気の所為であるな、うむ)」


 そうそう気の所為気の所為、……………相棒チョッロ。


「ッ!?本当か!?シズク様!緊急です!![アンノーン]の群れが接近しております!その数2000!!間もなく目視出来る距離まで、三、二、一、来ます!」


 うお!?びっくりした!ジェームズさん急に大声出すんだもんな〜、ん?[アンノーン]?


「……、これはあの時と同じ、クッ!ソラ様!僕に与えてくださった御身の力の使用許可を!」


 ほへ?あ〜、うん、あれか、ガングロモードね。


「許可します!シズクさん!やっておしまいなさい!」

「御意!!葵さん!いつまで寝ているのですか!さっさと起きなさい!」


 シズクちゃんの見事なボディーブローが今だ気を失っている葵ちゃんにクリーンヒット、効果は抜群だ!!


「へぶっ!?ゴホッゴホッ!!ひゃ?い、いったい何が!??」


 葵ちゃんは、混乱している!理由も分からず自分に攻撃してしまった!!


「いやいや!ウチそんな事しないよソラ兄!?」


 心を読まれた!?


「え?うん、まぁ普通に読めるけど?」


 何で!?


「そりゃ〜愛でしょ〜、家族だもん当たり前だよね?」


 ひぇ。


「んも〜!こんな普通の事で引かないでよソラ兄、傷つくな〜」


 何を仰るウサギさん!


「全然普通じゃ無いからね!?普通に怖いからね!?ほんと!!」


 葵ちゃんはキョトンとした顔で小首をかしげ言った。


「どこが??」

「全部だよ!?」


 わかんないの!?やべぇ〜よやべぇ〜よ、葵ちゃんは常識ってものが無いんじゃないのか?


「(相棒も人のこと言えぬと思うのだがな)」


 もう!そこの神様だまらっしゃい!俺はいいんだよ!俺は!


「(うむ、やはり似た者主従だな、しかし可怪しいなシズクと違い此奴は相棒の影響は受けてない筈なのだが)」


 え〜、そんなに似てる?俺と葵ちゃん。


「うへへへ、ウチ等とお似合いラブラブ兄妹だなんて照れるよソラ兄〜、あべしっ!!!??」

「寝言は寝て言ってください、そろそろ真面目にヤラないと怒りますよ?」

「ひゃい、ごべんなさい〜」


 いつの間にかガングロモードに変身したシズクちゃんが葵ちゃんの後頭部を翼で強打しながらお説教、う〜む今更ながらどういう原理で変身してるんだろう?あれ。


「ほんじゃまぁ、さっさと駆除しちゃいますか[アンノーン]、ホントいつもいつもうじゃうじゃと何処から湧いてくるんだコイツらは」


 この数がこんな頻度で襲撃してくるとか、よく滅びなかったな人類、不思議だ。


「あ〜、ごめんソラ兄シズク姉、今回は多分ウチ役に立たないかも」


 およよ?どうしたどうした葵ちゃん。


「今回の[アンノーン]って[通常種]でしょ?だったらウチの『チャイルドエラー』は意味ないよ、『チャイルドエラー』って共感性を増大化させて取り込む関係上相手側はにも一定の知能が必要なんだけど」


 ほうほう、つまりどういうことだってばよ?


「なるほど、つまり知能が無く本能のみで動く[通常種]には効果が無いと?」

「そういう事、[上位種]だったり[異能力者]の【心臓】を取り込んだ[変異種]だったりは多少知能が着くし、ドーラがいじった[強化種]あたりは意思疎通が可能なほど知能が高かったりするから、そこら辺は楽勝も楽勝ほとんどカモなんだけど、[通常種]は相性的に太刀打ち出来ないんだ」


 なるほどね、ウンウン、ジャアショウガナイネー?


「(……相棒)」


 やめて!そんな残念な者を見る目で見ないで相棒!でもしょうがないじゃん!そもそも[アンノーン]なんて似たりよったりで違いなんてわかんね〜よ!


「では仕方ありませんね、葵さんはジェームズ氏とここで待機していてください」

「うぅぅ、ごめんね?二人だけ働かせるみたいで」

「二人…………二人っきり?ふむ、葵さんナイスです、いい子で待っているのですよ?」

「え?え?何々?ふにゃぁ、急に頭なでなでって、フヘ、グヘヘへへ」


 およ?シズクちゃんの機嫌が治ったぞ?あと葵ちゃんはどさくさに紛れて抱きつかない、うらやまけしからん。


「デヘヘ、スンスンいいにほいデへへへシズク姉〜」

「シズクちゃ〜んそろそろ行くよ〜」

「御意!!」

「ヘブシッ!?」


 俺が呼んだらシズクちゃんは纏わりついていた葵ちゃんをペリッと引き剥がし投げ捨てた。


「あいたたた、んも〜シズク姉の照れ屋さん、じゃあウチは待機してるからデート楽しんできてね!」


 へ?デート?ま、まぁ二人でハンティングって事はそういう見方もあるのかな?デヘヘ。


「デ!?…………やるのは[アンノーン]駆除ですが?馬鹿なことは言わないでください」


 ですよね〜、はい分かっていましたとも。


「ほんじゃパッパッと終わらせてくるよ、シズクちゃん行くべ」

「御意、葵さんも気をつけて、もしもの場合は呼んでください」

「ほいほい大丈夫だって!ソラ兄!シズク姉!いってらっしゃーい!!」


 よっしゃ!やったるで〜!相棒!!


「(おう!)」

「「(『異界接続』〈カマソッツ〉!!」」


 俺達の叫びとともに黒い霧が全身を包み身体が変化する、肌は薄黒く変色し両腕は翼に変わり体格も三メートルに届くほどに肥大化、その背中から薄暗く後光が差し黒い霧からその姿が露わになる。


「くぅ〜!!テンション上がってきた〜!!何度変身しても最高だぜ相棒!!」

「(クック、あのような無粋な怪物には些か勿体なくはあるがな、さぁゴミ掃除といこうか相棒)」

「おうよ!!シャオラァァァ![アンノーン]狩りじゃぁぁ!!!」


 相棒と『異界接続』俺は変身した勢いでそのまま[アンノーン]の群れに突っ込んで行った。


「ヒャーハァー!!汚物は消毒じゃーい!!!」

「「「「「「ガア■■ギャ■■!!!」」」」」


 五キロ弱の距離を音速を超える速度で突っ込んだ影響でその周囲に居た数十体の[アンノーン]が木っ端微塵に消し飛んぶ。


「ガア■■ギャ■■ギャ!!」


 勢いそのままに追撃しようとした俺目掛けて周り比べ頭一つでかい[アンノーン]が襲い掛かってきた。


「邪魔!!!」


 俺は右翼で突っ込んできた[アンノーン]を両断した、若干だが他の有象無象よりは切応えがあったので、あれが噂に聞く[強化種]とか[変異種]って奴なのだろう。


「関係無いぜ!どうせワンパンよ!オラァァ!!次次次ぃぃ!!!」


 並み居る[アンノーン]どもを千切っては投げ千切っては投げ、反撃を許さず一方的に蹂躙する。


「俺TUEEEEEEE!!!このまま殲滅じゃぁぁい!!」


 [通常種]も[強化種]も[変異種]も関係なく血霧となって霧散する、膨大な数の[アンノーン]の群れが瞬く間にその数を減らしていった。


「フハハハ!!やはり楽勝だじぇぇ!なぁ相棒!?」

「(うむ、まぁ多少の撃ち漏らしはあるが問題無いなかろうよ、流石余の相棒だ)」


 フハハハ!フハハハ!!そうだろそうだろ!!………ん?


「撃ち漏らし?」

「(?、あぁ都市の方に何匹か向かっているぞ?)」


 ヤバいじゃん!?何で教えてくれなかったのさ!?


「(相棒まさか共連れにした眷属を忘れた訳ではあるまいな?)」


 あ、そうだったシズクちゃんも一緒に来てたんだった。


「(あれだけ逢引だと浮かれていたくせに)」


 いや〜何か不思議と相棒と一緒に戦うの久々な気がしてテンション上がっちゃった、テヘ。


「(む、そ、そうか、ふ、仕方のない、以前の戦闘などまだ数日と経っておらんだろうに、まったく相棒は憂い奴よな)」


 だよな〜つい数日前の話なのに何か何ヶ月もたったような感じがしてさ〜不思議なこともあるもんだ。


「(それはそうと、シズクが取り零しを片付けておる、後ろは気にせず殲滅せよ、さっさと済ますぞ?)」


 おうよ!任せんしゃい!!


「フハハハ!!皆殺しじゃぁぁ!!!」


 そんなこんなで、残りの[アンノーン]を全滅させるのにそこまで時間は掛からなかった。


「(うむ、これでは死の神では無く何方かと言うと戦の神だな、まぁ相棒の神性が順調に育っているようで何よりだが)」


 ま〜た相棒が理由の分からんがことを言う、まぁいいや!早く帰ろ!


「う〜ん!終わったぁぁ!!やっぱたまには運動しないとな!」

「流石ソラ様、まさに鬼神の如きご活躍」

「うぉ!?シズクちゃん!?いつの間に!?」


 まったく気配が無かった!まぁ気配とかよくわからんけど!


「?、眷属として常にお側に居るのは当然ですが」


 え?でも相棒が後ろの方で撃ち漏らしを処理してくれているって。


「(うむ、だから直ぐ後ろで健気に働いておったでは無いか)」


 うっそ〜ん、え?待って、何か色々テンション上がってたから恥ずかしいんだが?好きな子に見られて恥ずかしいんだが?変な子だって思われたらどうしよう?


「(問題有るまい相棒、何時もと大して変わらん)」


 辛辣!?否定はできんけど!え?じゃあ俺って傍から見たら変人ってこと?


「(クックッ、言えて妙だな、まぁ変人では有ろうよ、なんせ真正の【神】たる余と共にあるのだからな、其処らの凡夫とは訳が違う)」


 何だよ、へへへ照れるじゃないか、そんなに褒めても何も出ないぜ?


「ソラ様?如何がなさいましたか?」

「んや何でも無いよ、んじゃ帰ろっか」

「御意」


 そんなこんなで[アンノーン]を狩り終えた俺達は葵ちゃん達が待つ外壁に戻った、俺もシズクちゃんもこの姿だと五キロくらいあっという間にだからな〜便利なもんだ。


「お帰り〜!ソラ兄!シズク姉!いや〜こと白兵戦じゃ敵無しだね!凄かったよ!」


 帰還した俺達を葵ちゃんがお出迎え、興奮しながらかけ寄ってきた。


「ドヤァ〜、まぁこんなもん朝飯前だし?余裕?みたいな?当然?的な?」

「そちらは大丈夫でしたか?」

「[強化種]が何体か来たけど美味しくいただいちゃいました、テヘ」


 あら可愛い、じゃ無いよ!おいおいこっちにまで撃ち漏らしが来てたのか、どうしよドヤちゃったよ恥ずかしい。


「ジェームズ氏はお怪我はありませんか?うちの子がご迷惑をかけませんでしたか?」


 そうそうジェームズさん!大口を叩いた手前怪我なんてされてたら格好がつかない!


「はい問題ありませんでしたシズク様、これでも私は聖王より『選別者』の称号を賜った身なれば護身ぐらいならば幾らでも、それに彼女も流石と言うべきか、私が戦闘態勢に入る前に事を終わらせしまいまして」

「そうでしたか、それは良かった」

「もう!ウチだってこれぐらい出来るよ!シズク姉は心配性なんだから!」


 ホント良かったよ、ジェームズさんにはなんだかんだでお世話になってるからな〜、葵ちゃんナイス〜。


「それよりもこの[アンノーン]大侵攻、[強化種]が混じってるって事は間違いなくドーラが関わってるよ、あのイカれ女といい、お父様本気なんじゃない?この都市が標的ならさっさとトンズラすればいいけど、タイミング的にウチ等だよね、標的」


 でたよお父様、ほんと迷惑な黒幕野郎だな暇なのか?絶対友達居ないタイプと見たね。


「と言うことは、この位じゃ終わらないか」

「そういう事、とりあえず都市に戻って対策を、ってハァ!?」


 葵ちゃんが言うやいなや驚愕の余りに声が裏返る、何故なら今まで俺とシズクちゃんが居た場所に、いつの間にか巨大な〝何か〟が静かに佇んで居たからだ、五キロ離れた先でもその姿がはっきりと程の巨体、そして確かにこの遠距離で、〝ソレ〟と目が合った。


「ヤッベ」


 明らかに異常な存在に目を付けられた、これが黒幕野郎のけしかけた何かなら本格的に不味い、今まで見てきた[アンノーン]とは訳が違う。


「[王種]?」


 葵ちゃんがポツリと呟いた、[王種]?確か何処かで聞いたような?


「なぁそれって」

「ブォォ■ォォ■■ォォォ■ォォォ!!!!」


 巨大な怪物の咆哮が俺の声をかき消した。

 この距離でも怪物が放つ重圧が重くその身にのしかかる、仕方ない、やるしか無い。


「なにはともあれヤバそうだ、皆はここで待っててくれ!いっちょ俺が〝ひとあたり〟してくらぁ!」

「ソラ様!?いけません!」

「ソラ兄!?待って!」


 シズクちゃん達の静止を振り切り俺は単騎で巨大な怪物に突っ込んで行った。

 





ここまで読んでくれてありがとうございます。

次話は第21話です、次回も宜しくお願いします。

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