第18話 文明を滅ぼせし怪物の王
第18話です。
かつて人の生み出した科学技術は世界の侵してはならない絶対の摂理に背いた、神秘に溢れいた世界にて【神】すらも守る絶対不変のルール、それを侵した時世界はその有りようを失う事となる、よって世界は己が存在の防衛の為これなる摂理を破りしもの、ことごとくを滅ぼすための存在を派遣する。
祖は世界との盟約に伴い、〝■■■■■十二柱〟の一柱を顕現、人の生み出した科学文明では攻略不可能の怪物[アンノーン]を創り出し人類絶滅に乗り出した。
しかし人類の抵抗は激しく[アンノーン]が優勢では有るものの人類絶滅には遠く及ばず、科学文明の衰退どころか[アンノーン]を解析し神秘の力を科学的に定義付け遂には対[アンノーン]兵器を創り上げ更なる進歩を遂げてしまう。
[異能力者]の出現が決定打となり[アンノーン]の優位性が消滅し、人類が勝利するかに思われた。
世に顕現せし■■■■■はこの不測の事態に己が権能を行使、人類を討つべく三体[王種]を創造した、人類より空の権利を剥奪せし邪竜〈ファフニール〉、母なる海を奪還せし怪龍〈リヴァイアサン〉、そして当時人類最大の軍事力を持った大国を一夜にて滅ぼしめた大地の獣〈ベヒーモス〉、この三体の[王種]と[王種]の影響により活性強化された[アンノーン]が瞬く間に戦況を変え、人類人口の約六割を殲滅した。
人類滅亡まであと僅であったが、しかし■■■■■の影響を受けた[王種]の力は皮肉にも殲滅対象である人類同様、世界の有りように背くものだった。
[王種]に対し新たなる〝■■■■■十二柱〟が顕現、■■■■■は同胞との衝突を避ける為[アンノーン]の[王種]を眠りに就かせた。
かくして人類殲滅は成し遂げられなかったが、対[王種]の為顕現した■■■■■が鎮座する島国を除き、人類の文明は大きく衰退した為、最初に顕現した■■■■■はその役目を終えた。
しかし■■■■■の権能で創られた[アンノーン]は世界にその存在を刻まれた、人類が絶滅するその時まで[アンノーン]は今も何処かで人間を殺し続ける。
「『お父様』のご指名です、目覚めなさい〈ベヒーモス〉お前達の存在意義を存分に示してきなさい」
そして今、怪物の王は創造主の許しを得て永き眠りより目覚める、[アンノーン]の目的はただ一つ、人類の殲滅、それこそが偉大なる創造主に与えられし唯一絶対の使命。
「ブオォ■ォォ■オォォォ!!!!」
[王種]の放つ咆哮が大地を揺るがした、〈ベヒーモス〉は『シンシア』へと進軍を開始する、旧文明を滅ぼせし破壊の化身が永き時を経て今再び世界に解き放たれた。
◆
どうも皆様おはようございますソラです、妖怪血撒き女との激闘の後、葵ちゃんの案内のもと宿にたどり着いた俺達は無事野宿の回避に成功、ふかふかベッドでシズクちゃん達とムフフな一夜を過ごした、あぁ楽しかったなトランプって言うカードゲーム、クスン。
充分な睡眠と美味しいご飯、英気も養ったことだしそろそろこの都市ともお別れやね、『聖都』って所も気になるし次の観光………ゲフンゲフン調査に向けて旅立たねばならないし、相棒が不吉な事言うから、また厄介事に巻き込まれしまいそうだしね。
「いよーし、皆の者準備はいいかー!」
「はっ!滞り無く」
「こっちもオッケーだよソラ兄!」
皆の用意も出来た事だしいざ出発!ってとこで、コンコンと宿部屋の入り口からノックが聞こえた、はて?朝早くになんじゃろ?
「失礼、『守護者』ランシスの使いの者です、火急の件で参りました、シズク様とソラ様はいらっしゃるだろうか」
おんや〜?これはこれはモノごっつい嫌な予感が。
「ソラ様いかがなさいますか」
「あ〜、まぁ無視する訳にもいかんでしょ」
「承知いたしました、少し待たれよ使いの方今開けますので」
「はっ!ありがとう御座います!!」
シズクちゃんの返事に大きな声で応える使者に不思議に思っていると葵ちゃんが答えてくれた。
「シズク姉は一応この国の王族だからね〜、記録から抹消されてるとは言えバッチリ王族の特徴出てるからまぁ察しはつかれてるんじゃない?あとめっちゃ美少女だし」
「わかるわ〜めっちゃわかるわ〜」
「だよねだよね」
俺達がそんな話をしている合間にシズクちゃんがドア開けた。
「お待たせしました、それで火急の件とは?」
「『守護者』ランシスより協力要請です!凶星の兆しあり!是非シズク様並びにソラ様に助力して頂ければと事です!」
シズクちゃんは暫し考え俺達と方へと振り向いた。
「ソラ様いかが致しましょう?凶星とは即ち[アンノーン]の大進行です、一度『守護者』ランシスの元へ現状の確認をしに行った方がよろしいでしょうか?」
どうやら厄介事のようだ、って言うかまた[アンノーン]かぁ、俺等がこの都市に来た時も大進行とか言ってなかったっけ?え?なに?俺達狙われてるんじゃない?まぁほっとく訳にもいかないよな〜メンドイけど。
「そうやね、とりまランシスさん所行っとく?」
「え〜、このタイミングで大進行とか絶対罠じゃん、そんなの無視して先に行こうよソラ兄シズク姉、[アンノーン]がこんな不自然に動くなんてドーラあたりがなんかやってるって絶対」
とりあえずランシスさんに話を聞きに行こかな、って思ったら葵ちゃんが反対してきた、まぁ言ってる事は最もなんだけどね、なんだけど、シズクちゃんこう言うの見過ごせないのよね。
「葵さん[アンノーン]に関する異常事態は確かに貴女の言う『お父様』なる者が裏で暗躍しているのでしょう、しかし我等はソラ様の誇り高き眷属なのです、近い内に必ず起こるでであろう悲劇を見過ごす事など出来ません」
ほらね、シズクちゃん好きだもんねぇキュウセイ、今だによく分からんけど。
「う〜、シズク姉の頑固者〜、ねぇソラ兄本当にやるの?」
葵ちゃんはまだ納得いかないらしい、でもしょうがない、それにシズクちゃんの言っている事はもっともだしね、見て見ぬふりは目覚めが悪い。
「まぁ正直メンドイけど無視するのも違うでしょ?[アンノーン]くらい何匹いようがなんとかなるでしょ、いざとなったら相棒も居ることだしさ、なぁ相棒?」
「(うむ、大船に乗ったつもりでいるが良い)」
そう、何を隠そう俺達には全知全能の我等がチョロ神様が付いているのだ、恐れるものなど何もない!!断言。
「あまりその駄神に頼りたくないだよねウチ、はぁ〜まぁいいや確かにドーラが何か仕掛けて来たとしてもウチ等なら力技でどうにでもできるし、シズク姉に付き合うよ、もう」
相変わらず相棒に手厳しいな葵ちゃん、まぁ納得してくれたみたいだし、葵ちゃんの言う通りなんとかなるなる。
「よし!そうと決まればさっさと行くべ!」
「御意、使いの方暫し待たれよ、準備が出来次第出発する」
「はっ!ありがとう御座います!!」
シズクちゃんがそう言うと使いの人がビシッとお辞儀をした、う〜む、マジでシズクちゃんって王族貴族って奴なんだな〜、そんなお偉いさんが何で村娘なんてやってたんだろう?まぁ本人も分かってないみたいだけど。
「はぁ、ウチ微妙に行きづらいんだよね~、『お父様』に至高誘導されてたとは言え、一回この都市壊滅させちゃったし、その後も犠牲になって貰おうとも思ってたし」
「まぁしゃあないんじゃないの?気にすんなって、迷惑掛けた分助けてやんな、それでチャラって事でしてもらおう、うん」
「あはは、うんそうだね、ウチ頑張るよ」
「準備は出来ましたか?では参りましょう」
「おう、行くべ行くべ」
そんなこんなで、俺達はランシスさんの元へ向かったのだった。
ここまで読んでくれてありがとう御座います。
次は第19話です、次回もよろしくお願いします。




